■ 10月の戯言 ■
10月10日
車のエンジン入れたら表示される運勢では、金運が100%なのに全体運がたったの40%だった昨日、住宅の借り換え作業が、無事に終了いたしました。いやぁ、それにしても長かった。それもこれも、全て夫がお江戸に単身赴任中だから。
書類一つを提出するのにも、夫直筆の署名がいるとかゆーし。
生まれて初めて書留なんつーものを利用して、その請求金額のあまりの多さに驚愕したですよ。保証金額たいしたことねーのに。
某銀行員のO氏とも、これで晴れて縁が切れます。
グッバイ、ダーリン(ダーリン?)。
預けていた我が家の権利書を受け取り、「今後とも、どーぞよろしくお願いします」と声をかけてきたO氏に、心の中で「おまいとはヤダ」と返事をしてウキウキ気分で銀行を出ようとしました。
ウキウキ気分で。
こんなときって、思いもよらぬ行動を取ってしまうんですかね…。
何故か、九の一よろしく、背中を壁にくっつけるように横歩きの妻。
いやほんと、なんであんな歩き方をしたんだろぅ。今でもよく分からないのですが。
外へ出ようとしたとき、丁度入ってこようとしたお客さんで自動扉がウィ〜ンと開きました。
おし、今だ。
妻もその開いた扉から出るぞ。
壁伝いの体勢のままスルリと抜け…
ようとして、思い切り自動扉に挟まれました。右腕グワッシーン、ギャォーッス!
これか。
これだったのか。
全体運40%の意味は…。
右腕ぢゃなくて、首挟まれてたらもっと低かったのかもしれませんな。
10月11日
我が家のまわりは、あっちでカンカン、こっちでトントン。
住宅の建設ラッシュでございます。
いつもの散歩で、その工事現場の前を通ったとき、作業中の男性に太いほうの愚犬が擦り寄って行きまして、股間をクンカクンカと嗅ぎ始めました。
耳にピアス。
チャン・ドンゴン似のちょいとイケてるそのおにーさんは、妻の方に笑顔で振り返り「あはは、可愛いですねー」と一言。
浅黒い彼の顔に西日が当たり、真っ白い八重歯がキラリと光ります。
いやん、おいしそーっ(涎。
分かっちゃいるんですよ、愚犬のことだってのは。
でもね。
何故か顔が火照る妻@頭ボサボサ。
「可愛いですねー」
「可愛いですねー」
おにーさんの声を、何度も頭の中でリフレインさせてるうちに、いつのまにかソレは「アナタノコトガ チュキダカラー」に変わっておりました。
それまで、がに股&大股歩きだったのに、意識して内股にしちゃったり。
あぁ、これが乙女の恥じらいってゆーのね。
つか、乙女て誰…ただの恥だろ。
一度、時津風部屋でかわいがってもらってこい、この40女め。
10月23日
「カトリーナ」「リタ」「ウィルマ」というと、アメリカを襲った大型ハリケーン。
仙台の我が家に先日上陸したのは、大型ハリケーン「オカーン」でありました。
オカーンは、牛タン屋「利休」のトイレで用を足し、トイレタンク脇にあるレバーを回して水を流せばいいものを、便座の横壁についていたリモコンの「流す」というスイッチを必死に押したそうです。が、生憎そのスイッチ(多分、身障者用のもの?)は接続不良のため作動せず。
ここで普通の人は「あぁ、壊れてるんだナ」と諦めて、レバーを回しそうなものなのに、パンツ下ろしたまましつこく「流す」スイッチを色んな指で押し続け、どういう回路がそうさせたのか、押してもダメなら下から持ち上げるように引っ張り上げてみるか、と。
しかも両手でグィッ!
パッコーン!
リモコンのカバーが吹っ飛んだそうです。
密室の中、尻丸出しで焦るオカーン。
カバーを探し当て、なんとか無理矢理嵌め込んで、席に戻ると妻に一言。
「アンタ、トイレ行って、ちゃんと嵌っとるか確認してき」て。
そりゃ頻尿ですけどね。妻はオカーンの前にトイレ行ったばっかですってば。
(結局、行きました。お直し、中途半端。ホント、無理矢理くっつけた風)
夜、先に風呂に入ったオカーンが、2階の風呂場で叫んでおります。
あぁ、追い炊きの仕方が分からなかったのかな、と階段を駆け上がり脱衣所の扉を開けると、風呂場の扉全開にして真っ裸で洗い場に立っているオカーン。
妻は足が濡れないよう、身を乗り出して壁に張り付いたリモコンの操作法を説明しました。
真ん中のところにツメがあるでしょ。そこに指かけて蓋を下向きに開けたら、内側に足し湯とか追い炊きのスイッチがあるから…。
「え?」
「ツメ?」
「ツメちゃ、なんね。ココ、開けるんやろか…」
ツメだってばー。
あるでしょ、指が引っ掛けられるように、ちょいとした出っ張りがーっ。
「どれやろ」
「いやーん、どうするん?」
「開かんが…」
パッコーン!
蓋が、留め具もろともぶっ飛びました。
何故か大笑いするオカーン、素っ裸。
「ギャハハハー」
「んもぅ、好かーんっ!」
好きとか嫌いの問題ぢゃないと思いますよ、んもぅ。
拾った蓋の部分を無理矢理押し込もうとするも、うまく嵌らずいらつくこと3秒。
そして、「あぁっ、寒いっ! アンタ、しっ(しなさい)」。
妻に押し付けると浴槽に飛び込み、溜息つきながら蓋を嵌め込んでいる妻に…。
「だいたい、こんな分かりにくい物を作るなっちゅーんよ、ねぇ」
業者への不満をぶつけておりました。
昨日、弟からの電話で発覚したのですが、弟夫婦のマンションに行った際には、火災報知器を鳴らしてしまったそうです。
そんなハリケーン「オカーン」は、今頃同窓生(皆ジジババ)たちと芭蕉を訪ねる旅の真っ最中。
各所で物を破壊してないかと心配している妻なのでありました。
10月30日
ソファーの上で横になっていると、必ずといっていいほど太った方の愚犬がピタリとくっついてきて、そして寝息を立て始めるのです。
臭い。
でも、暖かい。
愚犬の体温を感じて、あぁ、幸せ〜。
別に妻がこの毛むくじゃらの個体を産み落としたわけぢゃないけれど、まるで赤ん坊をあやす様に背中を優しくトントンと叩きながら、子守唄を歌い始めます。
彼が気持ちよく眠れるように…。
ぼぉーやぁーわぁヨイ仔だぁー
ねんねぇーしーなぁぁぁぁー
坊やは、眠るどころか耳をピンと立て、そして…
もがき始めまして…。
妻に顔面パンチ。
鳩尾には見事な蹴り。
ふ、不快だったのでしょうか。
もしかして、妻の歌声はジャイアン並なの?
でもまぁ、そこは犬っころだし。
聞こえ方が人間とは違うのかもしれません。
てことで、正月に帰省した際に(できたらいいなぁ)、ちゃんとした人間の赤ん坊で検証したいと思います。
愚弟の愛娘、心音ちゃんで。