■ 5月の戯言 ■

5月8日

町内の班長さんの、一番重要なお仕事といえば、町内会費の集金とゆーやつでございます。

月々300円。

今月は前期6か月分の、計1,800円を各家庭から集めなければなりません。

数週間前に一応、「○月○日から○月△日の間に集金にお伺いします」とゆー回覧を配っていたのですよ。

お陰で初日の○日にスンナリ…といくハズだったのにーっ。

呼び鈴押しても出てこないお家がたーくさん。

つり銭足りなくなって「後でまた来ます」ってところはあるは、1,800円のうちの800円を10円玉40枚と50円玉8枚で払った人もいるはで、脳味噌耳の穴から漏れそう。

歩くたびにクリアケースの中でジャラジャラと音をたてる硬貨。

行ったことのない家の、玄関に続く飛び石に足を引っ掛け、あわや!

並外れた(悪いほうに)運動神経で何事もなかったかのように振舞ったのですが(気持ちだけ)、末端にまで神経を集中させる余裕がなく、スルリと妻の手からクリアケースが離れてしまいました。地面に落ちた拍子にパカーンと口を開けたクリアケース。

そしてジャラジャラチャリーン。

散らばる小銭たち。

もぅいや。

泣きたい。

つか、10円玉と50円玉で支払ったやつ、地獄に落ちてしまえっ!

そう呪いながら一枚ずつ拾う妻。

小銭でお支払いの方は、教会の神父さんだったりするんですけどね。

散々歩き回って、ようやくあと数件で集金も完了です。

んが。

そのうちの1軒が…。

午前中、伺ったときには、明らかに家の中に人の気配を感じるのに、呼び鈴を鳴らしても出てきませんでね。

時間を置いて数回訪ねても同じ。

夕飯時を狙ってまた行ってみたんですが…。

ガチャガチャと何度試しても門扉が開きません。見れば、内側にバイクや自転車につけるような鍵が掛かっております。これぢゃ、呼び鈴あるとこまで辿りつけねーぢゃん。

どゆこと?

おまい、ウザいって言われてる?

払いたくねーってこと?

町内会費なんて、誰が払うか!ってこと?

やっぱ、そーゆーこと?

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自宅に戻り、トイレに駆け込んだら、妻の履いてたジーンズはファスナー全開になっとりました。ちゃんと上げてたハズなのにー。

しゃがむと自動的に下りちゃうファスナー(腹の肉で)。

できることなら、ココに鍵かけたい。

5月15日

「あら〜、随分久しぶりですねー。

んもぅ、今日はコミュニティーセンターと○○教室と、2ヶ所で踊ってきたからクタクタなのー。ホラ、2ヶ月前から社交ダンス始めたぢゃない?。いいわよ、やっぱり。

アタシさぁ、数ヶ月前にギックリ腰になって動けなかったでしょぅ。

もともと腰が悪かったんだけど、社交ダンス始めてからは調子がいいみたいだしねー。

オタクもどう?

やらない?

ウチの教室にいる70歳過ぎの男性なんて、背筋はピっと伸びてるし、若々しいわよ。

60代にしか見えないもの」

妻に社交ダンスをしつこく勧めるご婦人アリ。

71歳が69歳に見えても、たいして「若々しい」とは思えないんですけど。

つか、「久しぶり」と声をかけてきたけど…。

そもそもアナタ、誰?

社交ダンス始めたのも、数ヶ月前にギックリ腰になったのも、そんなん全然知らんし。

妻は今日、アナタと初めてお会いするんですけど…。

いや、物忘れの激しい妻ではありますが、過去にお会いしてたら、絶対アナタの存在は忘れてないハズ。

だって…。

一緒に散歩していた1時間。

ずーっとご婦人の愛犬は、4本足で歩かず彼女の足にしがみ付きっぱなし。でもって、ヘコりっぱなしだったんだもの。

5月20日

SさんちのG・レトリバー。

ジュディさんが、15歳の誕生日を目前にして逝った。

1ヶ月以上も前から食欲が落ちて、下痢と下血を繰り返していた彼女の体は一回りも二回りも小さくなってしまっている。

微かに開いた瞼の、その奥にある目が、空気に晒されて乾いているように思えた。

そっと瞼に指先を当てて、閉じさせてみる。

「瞬きしないと、痛そうだもんね」

「皆で頭を撫でちゃうから、どんどん皮が後ろに引っ張られちゃうのね・・・でもなんでだろ。どんどん目が落ち窪んでいくのよ」

涙を流しながら、ちょっと笑ったSさん。

オオデマリに囲まれた彼女の前足を取り、ギュっと握ってみた。

冷たくなった彼女の足に、なんだか温もりが戻ってきたような錯覚。

今にも目を開けて応えてくれそうな、そんな感じがする。

BJが小さかった頃、Sさんちのお宅に彼を数日間預けたことがある。

その間、彼女はBJが入れられていたサークルの傍を離れようとしなかったのだとか。

穏やかで賢くて、ずーっと優等生だったジュディさん。

いろいろ、ありがとね。

あなたのお陰で、BJは他のワンコに優しい犬になれたよ。

ちょっとアホだけど。

そう声に出してお礼を言うと、

ツツツー。

彼女の鼻の穴から、鼻水が流れ落ちた。

「お尻の穴は塞いだんだけどね。放っておくと耳の穴からも出てくるんだって…。ウフフ、また流れてきちゃったのね、鼻から…」

アホなの?

こんな感じ?

アホでOKぢゃない。

そのほうが楽しいよ。

飼い主に愛されるよ。

だってワンコなんだもの。

なんだか、そう応えたような気がした。

5月23日

風呂場でいつものようにガシガシと力を込めて体を洗う。

ガシガシガシ。

乳房もガシガシ。

すると…

余りにも力いっぱい乳房を擦った拍子に、乳首がポロリと取れてしまった。

ヤバい。

3秒以内に拾ってくっつけなくては、乳首のない女になってしまう(3秒ルール適応)。

1で前かがみになり、2で左手を伸ばし、3で…摘もうとしたら…。

妻の乳首は、排水溝の中へ吸い込まれてしまった。

オーノゥ。

どこへ行くのか愛しの乳首〜。

配水管をコロコロ。下水へとコロコロ。暗闇の中を移動した妻の乳首が辿り着いたのは、笊の上。

妻の乳首の隣には見知らぬ人の乳首。

次から次へと見知らぬ乳首が降ってきて、妻の乳首はあっとゆーまに隠れてしまった。笊の上には乳首の山。

乳首でいっぱいになった笊を、作務衣姿の男が恭しく抱え、そして小声で呟きながらやつのところへ移動した。

「あぁ〜、困った困った…小汚い色ばっかでなかなかピンク系が手に入らんわぃ…

とゆーヘンテコな夢を見ました。

今後、大仏様の頭の見方が変わりそうです。

5月27日

我が家のデブな方の愚犬の右目上瞼には、小さな疣があります。

これは、マイボーム腺腫といわれるもので、免疫力の弱い仔犬や老犬、アレルギー体質のワンコに出やすいといわれるものです。まぁ、人でいうところの「ものもらい」っちゅーやつですね。

場所が場所だけに今後巨大化するようであれば、瞬きする都度目を刺激して眼球を傷つけないとも限りません。そうなると、切除手術になるのですが…。良性の腫瘍とゆーことで、今のところは目が赤くなると目薬を投与するという方法をとっておるのです。

んが。

この疣のお陰で、いやもぅそれはそれは溜まりまくりですよ。

目くそが。

いや、別に疣がないほうの目ん玉の回りにも常時目くそが付着してはいるのですが。

いつ見ても、目くそまみれ。

テッシュゥーなどという洒落たものを持ち歩いているわけではないので、こーゆーばやい…

当然、指でペロンと拭き取るのです。

たいてい、親指の腹で。

乾いた目くそも、湿った目やにもガッツリ根こそぎ。

で、この妻の指の腹に移動した目やにくそ。

いつもココで拭いておりました。

(持ち主へ返却)

つい最近、けっこう身近な犬飼いの友人2名が同じことをしておりまして。

あぁ、妻の行いは間違ってなかったんだなぁ、と安心したのでありました。

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