■ 7月の戯言 ■

7月9日

我が家とたまに行くスゥパの間には短大があるため、女子大生とすれ違うことがよくあります。

本日、雨の中、そのスゥパへお買い物へ行き帰る途中。

前方よりピチピチの女子大生が歩いてきました。

顔はまぁまぁ。でもミニスカートから伸びた長い足がスンゲー綺麗なのです。素足にサンダル。

惚れ惚れ。

彼女自身にもそれが分かっているのか、歩道の真ん中の黄色い点字ブロックの上を、はみ出すことなくモデルのように歩いております。

でへ、でへへ。きっと今の妻はエロいオッサン顔。

こんないやらしい視線を、相手に悟られてはいけません。

でも見ていたい。

ずーっと見ていたい。

思わず傘を前方に倒して、自分の顔が見えぬよう隠します。

うわー、ドンドン近づいてくるよ。

妻、大興奮。

その間僅か2メートルほどになったとき…。

「ぎゃっ!」

「あ"っ!」

美しいその足が…うんこ踏んだ。

雨で濡れてヌチョってるうんこ踏んだ。

しかも、人糞?と思っちゃうくらいデカいうんこ踏んだ。

多分、大型犬のうんこ踏んだ。

見ちゃった。

あわわわー。

それまで自信満々のモデル歩きだった彼女が、これを境に豹変いたしました。

前屈みになると思い切り蟹股で、サンダルの裏側を凝視。ほんでもって、草にサンダルを擦り付けて必死です。パンツ、見えるで。

いやそうでなくって…貴方、ちっとも悪くないね。

分かるよ。貴方の今の気持ち。

妻が代弁してあげよう。

「誰やー! こんなトコに糞放置したやつー! 許さんー!」でしょ。

死刑でもいいと思うでしょ? 妻と同意見だわね。気が合いそう。でも残念ー。こないのよ。届かないのよ。アレが。ほら、裁判員に選ばれましたよっつー封筒が。あ、でもあれって殺人罪とか強盗致死傷罪とか、重罪だけしか参加できないんだっけ? 犬の糞を放置した罪って、重くないのかしらね。重いよねー。今の貴方には重く感じられるよねー。見た目綺麗になったと思っても、うんこパワーってすごいんだよ。臭うよ。ゴマ粒くらいのうんこが手に付いただけでも、すんげー臭いんだよ。そのサンダルも臭いよ。脱いで臭ってみ?

彼女がサンダルについた犬糞をあちこちに擦り付けている間、その様子をずーっと見ながら一人芝居していた妻。

多分、きっとニヤけ顔で。

彼女にとって、一番許せなかったのは妻かもしれません。

7月22日

UPしようと思いつつ、忘れてたので今更ではありますが…。

先日、キャンプ先で砂をドカ食いして病院通いとなった我が家の愚犬ら。いつも通っている病院がお休みだったため、セカンドオピニオンとして利用しているA病院へと連れて行きました。

この病院は、大人気のようでいつも混んでおり、待ち時間は1時間強。

その間、瀕死の状態のワンコや、普段散歩ではお目にかかれない珍しいワンコたちが続々と来院してきます。

数回の通院で随分と体調も戻ってきた我が家の天使…アホだけど。その天使と待合室で順番を待っていたとき、でっかいワンコさんが治療室から待合室へと出てきました。腎臓の調子が悪いらしく入院中だったのですが、飼い主さんが「病院だとたいしたお散歩もさせてもらえないだろうから、代わりに私が…」とオヤツを持ってきていたのです。

それまで妻の足元にいたBJが、そのでっかいワンコさんに興味を示して近寄っていきました。

お互いの鼻先が触れ合うまでの距離は、20センチほど。

背中の毛が若干逆立ち気味ではあるものの、ケツを微妙に振ってBJは喜びを表現しとります。

が。

次の瞬間、でっかいワンコさんが一歩前進して鼻と鼻がごっつんこ。

自分より数倍もデカいそのワンコさんの顔の大きさにビビったのか、BJは数秒間フリーズ。そしてゆっくり数歩後ずさりしたかと思うとクルリと向きを変え…。

こともあろうか、妻の隣に座っていたおばさまの膝の上に飛び乗ったーっ!

いつもなら、よっこらしょと時間かけてぢゃないとよじ登れないくせに飛び乗ったどーっ! つか、なぢぇお隣のおばさまの膝?

しかも、ハァハァ息が荒くて、すげーヤラしぃ感じ。

それぢゃ天使とゆーより、エロ天津ぢゃねーか。

ねーよ。

すいませんすいませんと平謝りの妻。

「いえ、いいんですよー」とおばさまは笑って許してくださいまして、しばらくBJを抱っこしたままでしたけどね。

多分、妻の「すいません」が、重くて…の意味だと受け取ったのだと思います。

いえ、違うんですけどー。

コイツ、病院でガッツリ下剤飲まされとりまして。

今、ケツにうんこついとるんです…。

7月30日

いつもの元気なおねーさんと違って、本日の生協の宅配を運んでくれたのは、ちょっと年配のとても物腰柔らかなAさん@新顔のおぢさまでした。

始終笑顔で人当たりもたいそうよろしく、好感が持てます。

「箱はこれだけになります〜」

我が家の玄関先に詰まれた発泡スチロールの箱は全部で5箱。あと、雑貨類なんかが詰められてるプラケースが1つ。

Sさんちは、今お留守みたいだし…。

でも、我が家が注文した分を取り除いてしまえば…あとは冷凍もの、冷蔵もので2箱残してれば大丈夫かしら…と商品を全て出した発泡スチロールの空箱を3つAさんに渡します。

積み重ねた空箱を、足取り軽くトラックの荷台に積み込むAさん。

「以上ですね〜、ありがとうございました〜」

帽子を取ってペコリと頭を下げたAさんに、

「あ、ちょっと待ってくださいなー」

Sさんが注文していた商品が、思いのほか多かったため…

「さっき、3箱空のヤツ渡したけど、もう1つあったほうがええみたいー。ごめんなさいー、1箱出して〜」と妻。

運転席に乗り込もうとしてたAさんですが、扉を開けて荷台から空箱を笑顔で出してくださいます。

「すんませんねぇ、お手数おかけして」

「いえいえ、いいんですよー(ニッコリ)」

んで、トラックまで戻り、荷物室の扉を閉め終えたAさんにまたもや妻。

「あ、保冷剤も1,2個余分に貰っときたいんだけどー」

閉めた扉を再び開けて、荷台の奥から保冷剤を出してもらいます。

でへへ、ありがとさん。

「2つで足りますか? そうですか。よかった。それぢゃ、来週もよろしくお願いしますねー」

運転席に足を掛けて、エンジンをかけたAさん。そこにまたもや妻のコール。

「あ、このプラケースもいらないやー。やっぱ持ってってー」

あはははは〜、笑いながら走りより、妻からプラケースを受け取ると、再び荷台の扉を開けて作業をするAさん。

いやぁ、すんませんね、ほんとすんません、何度も何度もー。

でもほら、玄関先に空箱置いておくのも、なんだか嫌だしね。風で飛んでくこともあるしさ。そう言い訳しながらも、デッキの上に食材をぶちまけて、Sさんちが頼んだのはコレ、我が家の分はこっち〜と取り分け作業に勤しむ妻。んで、Sさんちの分だけを保冷剤入りの発泡スチロール箱に再度詰めていきます。

「そうですよねー。来週私たちが来るまで、ずーっとお客様に保管してもらうことになるわけですもんね〜(ニッコリ)。分かります、分かりますー。ありがとうございましたー、それではー」

あれ?

この冷凍ものが入ってる発泡スチロール箱…他のよりちんまいがな…。保冷剤入れたら、全部入りきらんがな…。

「あー!あのーっ! ちょっと待ってー! この箱、デカいのに変えてーーーーっ!」

既に運転席の扉も閉めてエンジンかけて、さぁ出発!状態のAさんに叫んだ妻。

聞き逃しませんでした。

車から降りるときにした、Aさんの小さな舌打ち音。

でもって、たった数秒間ではありましたが見逃しませんでした。

「死ねや、このババア」と言わんばかりのAさんの恐ろしい表情。

仏の顔も三度。

うん、このことわざは、ものすご当たってるネ、と身をもって感じた一日。

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