■ 3月の戯言 ■

 

3月19日

デアゴスティーニの『週刊 星付きシェフのシンプルレシピ』(宮城版) のCMで、ナレーターが言う「星付きシェフ」とゆー言葉が、何度聞いても「腰つきシェフ」に聞こえ、つい購読しちゃおうかと思ってしまいます。

そうか、こーゆー主婦をターゲットにしてるんだな、デアゴスティーニめ。

ようやく日中は暖かさを感じられるようになりましたが、朝晩はまだまだ冷え込んで寒いのです。

そんなわけで、数ヶ月前に降りてきた毛の神様はまだ妻の身体の中に居座り続けとります。とはいえ、毛を触ってて心地いいのは寒い時間帯。つまり日が暮れてから。

中途半端に残ってる毛糸玉を引っ張り出して、シコシコ。

が。

薄暗いと(我が家のリビングは電気をつけても薄暗い)、イカンですね。

特に黒や茶、紺色といったダークな色は。

一目拾ったのか、はたまた二目拾ったのか気づかず編み進めちゃうこと多々。

それでも、便利グッズの存在に気づき、それを使用することでなんとかやりきることができました。

あぁ、キャンプをやっててよかったと思った瞬間。

そう、ヘッデンー(ヘッドランプ)。

家の中で、ヘッドランプつけて編み物をする女。

きもっ!

しゃーないですよね。

だって、老眼なんですもの。

そういや、達人とか匠とか言われる職人さんってよく「20年やってやっと一人前」とかいいません? ドキュメンタリー番組でインタビュー受けてる長老なんて、決まりきったように「死ぬまで修行、まだまだワシなんて半人前ですけん、ワシャシャ」とかおっしゃってるし。

でもさー、20年も経つと今の妻みたいに老眼になっちゃったりするわけですよ。

見えづれーくなるわけですよ。

達人の腕、凡人以下になったりしないのかしら、なんつって(それで死ぬまで修行なのか? 老いとの戦いなのか)。

達人はともかく。

その腕前が凡人以下の妻は、耳も悪けりゃ目も悪いのです。

そんな女が次に編もうとしたのは、また帽子。

たまにはちゃんとケージでもとって、自分にぴったりあったものを作らねばと手元のメモ紙に編み目を計算して書き付けておきます。

『おっしゃ、まずは80目作るんだな…いーち、にーい、さーん…にじゅいーち、にじゅにー…しぢゅしー、しぢゅごー』

ピンポーン。

宅配のにーちゃん登場。

戻ったときには、すっかり何目まで編んでたのかわからなくなり、棒針に作った目を一つずつ数えていく妻。

『いーち、にーい、さーん…』

トルルルーッ。

今度は電話の呼び出し音です。

お使いの換気扇フィルター、追加注文はどうっすかー。今ならサービス期間中なので2パックの料金で3パックつけますよーて。確か先週も掛けてきたよね、いらんっていったよね。つか先月もかけてきたよね。先々月もだよね。いつもサービス期間中やんけ!どんだけ長い『期間』なんぢゃー!

勿論、電話を切った後はまた1から目数の数えなおし。

「いーち、にーい、さーん…ろくぢゅいーち、ろくぢゅにー、ろくぢゅ…

ろくぢゅ…ご? …よん? …ご? …ろく??」

ええと、途中で邪魔が入らなくても、数がでっかくなるとちゃんと数えられないことがあるってことに気づきました。

耳も悪くて目も悪くて、ついでに頭も悪い女。

わーお。

ヘレンとよんで。

 
 

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