■ 1月の戯言 ■

 

1月21日

ここ数日間、風がたいそう強いのです。

雪も降ってるのです。

つまり吹雪いとんのです。

それでも愚犬らの散歩は欠かせません。

本当だったら、手袋していきたいところなのですが、手袋をしているとチリ紙で糞をダイレクトキャッチする際、どうも按配がよろしくないのです。

キャッチする直前に、風でチリ紙が飛ばされたりすることのないよう、隅っこを器用に指で挟んだり…そういうことが手袋してると上手くできないわけで。

寒さに震えながらも、かじかむ指先で重ねたチリ紙を広げ、昨日も見事に強風の中BJの糞をキャッチ。

その後、彼のケツ穴を見たら、残り糞がついていたので新たにもぅ1セットのチリ紙を取り出して拭いてやろうとしたのです。

BJのケツの穴。

それは唯一人に自慢のできる部位であります。

桜の花びらのような色をした肛門様。

デリケートな場所だから、ゴシゴシやるのはいかんよね。

そーっと、そーっと。チリ紙を当てて、うんカスを付着させる感じで…。

取れたかな?

と、その瞬間、指先にいつもとは違う感触を味わってしまった妻。

ぎゃひーん!

チリ紙が破れて、人差し指だけがコンニチワしとるがな。

そして第一関節から先っちょには茶色いものがコッテリ。

どうも勢い余って第一関節までズッポシ入れてしまった模様。

自分のケツの穴にだって指突っ込んだことないのにー!

人生初の体験。

それは、ちょっと寒さを忘れさせてくれる(色んな意味で)不思議な感覚なのでありました。

1月25日

「今日、久しぶりに歩いてジャスコに行ったの。その帰り、アテクシの前を同じようにリュック背負って歩いてたおじーちゃんがいたんだけど、チャックが全開になってたのよ」

「ふーん」

「それで、思わず『おじーちゃん、チャック思い切りあいてるよー』なんつって声かけて、閉めてあげたんだけどね。おじーちゃんってば、アテクシの格好見て、『ここから、歩いて一体どの山に上りにいくんだぁ?』だって。おじーちゃんと格好変わんないっつの。リュックはエコバック代わりだっつの。ただの買い物だっつの、ねぇ。つか、ジャスコの出口からずーっと真後ろにいたアテクシのこと、何度か振り返ってみたくせにさー。年取ると、人の顔も覚えらんなくなんのかねー」

「…それよりさ、チャック閉めるときって、そのおじーちゃん、アナタにされるままの状態だったの?」

「…? そだけど? あぁ、もしかしたらモノ取られるんぢゃないかって、ちょっと焦ったかもね」

「モノってーっ! モノには違いないけど…きゃはは、モノってー」

「…? え? なに? そこ、笑うトコ?」

「? チャック閉めたって…ズボンのファスナーのことでしょ?」

ぎゃー!

リュックのチャックの話ですやん。じーさまの社会の窓が全開だからって、『お閉めしましょう』なんつって声かける人がおりますかいなっ。いや、そもそも、赤の他人に閉めさせたりせんでしょ、ソコは。按配わかんなくて、挟むこともあるし…モノを。

あぁ、このモノのことを『モノ』だと思ってわろたのか、チミは。

「チャックて言ったら、ズボンのチャックのことしか頭になくてさー。りえぴさんだったら、開いてるって教えそうだしー。ついでに閉めてあげたりもしそうだしー」

お散歩友達のIさんには、とても親切な女にうつっているらしい。

ズボンのチャックに関しては、スルーですよ。見てみぬフリですよ。

常時半チャックの義父@すんづろさん曰く、

「半分開けてるほうが、開けるのに時間かかんないから、すぐ用足しできるし。閉めるときも半分の時間しかかからないからね」

そう、お年寄りにとっては、それぞれ拘りとゆーものがある場所なのですもの…。

1月28日

BJだけを連れて近所を歩いていたら、帰宅途中の小学生女子二人が走り寄ってきました。

「びーぢぇーっ! びーぢぇーっ!」

二人のうちの一人は、BJによく声をかけてくれる顔見知りのA子ちゃん。

BJは早速A子ちゃんの足元へ行き、頭を撫でろと催促しとります。

もう一人の女の子は、犬に興味はあるものの、どう接したらいいのか分からないようで、A子ちゃんより一歩下がったところで座り込んでBJの頭を撫でている彼女と、呆けた顔でオカマ座りしているBJの様子を窺っとりました。

しばらくすると、彼女がこう尋ねました。

「その犬、何てゆー犬種なの?」と。

妻が「一応フレンチブルだ」と答えようと口を開きかけたとき、それを遮るようにA子ちゃんが大きな声で…

「びーぢぇーだよ!」

ええとー。

犬種ですよね。

鼻高で細面。フレンチブルドッグらしくないBJだから、いつも「フレンチブルドッグです!」と胸を張って答えられずにいる妻なのですが…。

BJの犬種は「びーぢぇー」。

まぁ、いっか…。

 

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