讃美歌354 (かいぬしわが主よ)

8. 七人の睡眠者の洞窟

1. 七人の睡眠者

Meinardus,Otto F.A.,"St.Paul in Ephesus ,"p.121.より転載

  キリスト教においてよく知られた中世の聖地の巡礼の一つであるエフェソの七人 の睡眠者の広い洞窟が、ピオン山の麓にあります。エフェソ

の七人の睡眠者の言い伝えによりま すと、三世紀に、宮殿の若い七人の王子−アキリデス、ディオメデス、ディオゲネス、プロバ タス、ステフ

ァナス、サムバティウス、キリアカス−がキリスト教の信仰に入りました。皇帝 デキウスの激しい迫害にあいまして、彼らは公衆の面前で、偶

像に犠牲を捧げるように命令さ れました。けれども、それを拒絶しまして、近くの山の麓にある洞窟に逃げ込みまして、そこ で眠ってしまったの

です。悪者がその洞窟を閉じてしまいまして、七人の王子は、約二百年の 間、眠る羽目になりました。そのことを描いた図が、写真1 にでてい

ます。四四六年になりまして、テオドシゥス二世の治世になって、若い王子たちは眠りから目覚めました。王子た ちを埋めていました壁が、

粉々になりました。それで外に出られるようになりました。それで そのうちの一人が使いにだされ、一番近い村に食べ物を買いにやらせられた

のです。代金を支 払うときになり、そのお金が昔のものであることが分かったのです。店の主は二百年前の人が 買い物にきていることを知り

まして、奇跡の起こったことに気付きました。そこでテオドシゥ ス皇帝自身が、そのことを確かめようとしてエフェソに出かけました。ところがそ

の到着を待た ずに若い王子たちは亡くなってしまいました。そこでテオドシゥスは、若者が逃げ込んだその場所を大事にするために、そこに大

規模なバシリカを建設するように命じました。その洞窟の 入り口には、マリアに伴ってエフェソにきたと伝承は伝えていますマグダラのマリアの

墓があります。