讃美歌519(わがきみイエスよ)

7. 難破

 嵐は続きました。乗っている者たちは、ますます不安になりました。ところが 、クレタを船出しましてから十四日目の夜に、船乗りたちはどこ

か陸地に近づいているように 感じました。それで水深を測りましたところ、約三十六メートルでした。もう少し進んでから 測りますと、二十七メー

トルになっており、陸地に近づいていることが分かったのです。けれ ども、暗礁に乗り上げるようなことにでもなりますと、船が駄目になるだけで

なく、乗ってい る者も助かりません。そこで、船乗りたちは船尾から錨を四つ投げ込みまして、浅瀬に船が乗 り上げないようにいたしました。

  ところが、船首から錨を降ろすような格好をしまして、何人かの船乗りちが、 船と乗客とをほったらかしにしまして、自分たちだけで助かろうと

して逃げ出そうとしました 。彼らは小舟を降ろしました。そのことに気付きましたパウロは百人隊長と兵士たちに、彼ら の行動を知らせたので

す。それで、その行動は未然に止められました。使徒の慎重な進言と兵 士たちの機敏な行動とにより、すべての人の命を救ったのです。リー

ダーシップをとりました パウロは、夜が明けた頃、皆に語りかけました。ルカによる福音書二十一章十八節にでて います「あなたがたの頭から

髪の毛一本もなくなることはありません」という主イエスの言葉 を引用しまして、安心させました。彼ら食事をするように勧めまして、皆の前で

パンを取り、 神さまに感謝を捧げました。このルカの言葉の様子ですと、聖餐のきまり文句を思いださせま すが、多分普通の神さまへの感謝

の言葉で始まります食事がなされたのでしょう。 

 食事が終わりましてから、塩水で駄目になりました残っていた小麦を、海に投 げ捨てました。朝になりましてから、どこの陸地かわかりませ

んでしたが、小さな湾を見つけ まして、船をそこに乗り入れようとしました。それで、錨を切り離しまして舵の綱を解き、船 首の帆をあげまして

砂浜に向かって進みました。ところが、間もなく浅瀬にぶっつかりまして 、そこに船が乗り上げてしまい座礁しました。強い風に打たれまして、

船は壊れ始めました。 国事囚の命を守る責任のある兵士たちは、囚人たちが逃げてしまうことを怖れまして、彼らを 殺そうとしました。しかし、

百人隊長はパウロを助けたいと思っておりましたので、この計画 を思い留まらせたのです。ということは、パウロのお陰でもって囚人たちの命

が救われたとい うことを意味します。このようにして、全員無事に上陸することができました。六一一月 半ば終わりの頃のことでありました。

ルタ島

1. マルタへ

2. ヴァレッタの街1

3.ヴァレッタの街2

4.ヴァレッタの街3

 わたしたちは、そんな危険な目にもちろん遭ってはおりません。ギリシアのア テネから、空路マルタに向かいました。写真1 はそのときの写

真です。 写真2、3、4 はヴァレッタの街です。