山の写真館

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第17回 2003年7月19日

今回は「ヒメユリ(姫百合)」です


昔はどこにでも見られたのに最近はあまり見かけない。
と思ったら、どおりで全国的な絶滅危惧種にあげられている。
それでも何気ない裏山でひょっこり見かけたりするから、
高知の自然もまんざらすてたもんじゃない。





しかし、自生地が減少しているのは事実で、
カルストの「姫百合平」も名ばかりになっているらしく、
あるところでは採取から守るために花時に花を摘んでさえいるという。
つまり、この花が消えゆく原因は"さもしい盗掘者"なのである。
美しく生まれたばかりに、あまりにも悲しい現実である。





ところで、ヒメユリの英名は「star lily」という。
夏燃えるように咲くヒメユリと出会うと、私はあの沖縄で戦争に散った少女たちのことを想う。
もちろん、「ひめゆり学徒隊」の"ヒメユリ"は、この花と直接関係はない。
沖縄県立第一高等女学校の校友会誌"乙姫"と、沖縄県女子師範学校の校友会誌"白百合"とをあわせて、
"姫百合"と名づけられたものである。
しかし、ヒメユリと聞くと私はやはり「ひめゆり学徒隊」を想い出す。
高知でこの花が咲き始める頃、沖縄で次々と散っていった彼女たち。
そこに何かの縁(えにし)を感じずにはいられないから。

ヒメユリの花のひとつひとつは彼女たちの星なのかもしれない。


<データ>
2003年7月初旬 高知県中部
デジタルカメラ:OLYMPUS−C2100UltraZoomにてマクロ撮影
*各画像は1600×1200ピクセルの元画像を加工後、リサイズ&圧縮しています。