山の写真館

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第20回 2003年11月16日

今回は「ヤッコソウ」です


初冬を告げる可愛い花に逢いに出かけました。





ヤッコソウ"奴草"(Mitrastemon yamamotoi Makino)は、
その名の通り、大名行列の"やっこさん"に似ているところから、
1969年に牧野富太郎博士が命名したそうです。
日本特産で、沖縄や九州、そして四国のごく一部で見ることができます。

ヤッコソウは、シイの木の根っこに完全寄生する植物なので、
花と種子以外に生活する仕組みは要らないのだそうです。
だから、あの世界一巨大な花だけの植物「ラフレシア」と同じ仲間なのだそうです。





ところで、出現ほやほやのヤッコソウは、トンガリ帽子をかぶっています。(写真上)
帽子は雄しべの役目をし、開花するととれて、雌しべが顔を出します(写真下)。





そして、鱗片状の葉にたまった蜜を求めて訪れる虫たちによって受粉されるそうです。
試しになめてみたら、サルビアの蜜の味でした。
なお、絶滅危惧種なので大切にしてください。
もちろん宿主のシイの木さんも大切に、、、


ところで、、、この季節に野山でよく見かける寄生植物をもうひとつ。
ヤッコソウ同様に葉緑素を欠き、こちらはちょっとグロテスクな赤ですが、
なんと雌しべは黄色だそうです。
しかも、いまだに雌株しか確認されていないそうです!オスはどこに行ったのでしょう?
謎はますます深まりますが、、、
秋の夜長です、じっくり研究して、小春日和に探してみましょう(^^;)





<データ>
ヤッコソウ  2003年11月 白皇山(土佐清水市)
ツチトリモチ 2003年11月 今ノ山(土佐清水市/三原村)
デジタルカメラ:OLYMPUS−C2100UltraZoomにて撮影
*各画像は1600×1200ピクセルの元画像を加工後、リサイズ&圧縮しています。