苦労した縦走のヤブコギを忘れさせてくれる大岩からの眺めに満足すると、あらためて尾根に引き返し芦谷山山頂に向かった。山頂は「引き割り大岩」入り口の看板から西に10分ほどのところにある。縦走路では出会えなかった赤いテープや目印があり注意すれば迷うこともないだろう。
「引き割り大岩」から縦走路を振り返る。左奥は1135mのピーク、中央奥にかすかに望めるのは茂ノ森。手前に広がる広葉樹林は麓まで続いている。
こうして辿り着いた芦谷山山頂だが、あいにく展望はきかない。三角点の石標の傍で登頂した足跡をカメラにおさめ直ちに下山ルートを探す。しかし、北の芦谷集落に降りる道は確認できたが、南の西ノ谷に降りるルートが判然としない。地図では南に派生した尾根を下るのだが、南斜面の植林の中にはそれらしきものを見つけられなかった。
とりあえず南東に谷下りを試みながら踏み跡を捜すことにした。
芦谷山山頂。三角点の石標と簡単な看板がある。うっかりすると見逃してしまうほど。芦谷地区から登ってくる道は写真後方に有る。
谷を下りながら、いくつかそれらしい踏み跡にとりつくがすぐに途切れてしまう。
それでも20分あまり下ると谷の右岸(西側)に道を見つける。植林の中をわりあいしっかりと下っている。
下山途中で出会うかつての立派な石垣の上の水田も、今は薄暗い植林に。
石垣で積まれた棚田の脇を過ぎ、再び耕作放棄され雑草のはびこる田んぼの間を下ると、ヤブを抜けて林道に飛び出す。後は、茂ノ森への行きに通った林道を使って登山口に帰ることが出来る。山頂から登山口まで1時間10分。
登山口が近づくとゲンノショウコの花がいくつも咲いていた。
備考
縦走路には水場はありません!
登頂コースは、一般的には大豊町角茂谷地区芦谷集落を経由して登られると良いでしょう。しかしガイドブックによれば往路3時間、帰路2時間とあり、山頂直下は迷いやすいともある。いずれにしても手軽な山ではないようです。