山頂からの帰途には縦走路を使用する。山頂から東へと、明らかな踏み跡をたどる。
切り株などがごつごつに切り払われた稜線の道は、ややもすれば足元をとられるが、慎重に山頂から7分ほど歩いた岩場での、展望は素晴らしい。ここからは、特に御在所山が見事である。
中央向こうは、林道松尾峠付近。林道は白い蛇のように蛇行しているのが分かる。
稜線上の「柿原山林界」の石標を辿り、急坂を下って、美しい笹の中をゆくと、左手下方にゴロゴロの辺りが見えてくる。辿って来たコースの一部が一目瞭然である。
山頂東面のササ原。実際に歩いてこそ価値が分かる。
やせ尾根を過ぎて下り、1070mの鞍部(コル)を過ぎると、やがて道は背丈の倍はあろうかというスズタケの林になる。そんな林の中からも振り返ると、鉢ケ森の山容がやさしく見える。
山頂から25分あまり、尾根伝いのスズタケの中の道は、
山界の石標があるところで、突然行く手を遮られるが、よく見ると左手に直角にエスケープルートがある、この道をとんとんと2分程度下ると、往路での十字路の分岐に下り立つ。
あとは来た道を引き返し、分岐から15分、山頂から都合45分もあれば登山口に帰り着くことができる。
十字路近くの尾根から山頂を仰ぎ見る。
備考
登山道に水場はありません。
登山口近くの林道松尾峠にある無線中継所は現在廃墟となり異様な雰囲気だが、峠の東の山中にはこのような建物が散在している。かつてここで働いていた人たちを偲びながら、そんな廃墟を訪ね歩くとまた違った発見もある。いずれ、そのうちにご紹介したいと思います。