岩躑躅山山頂は尾根筋に三角点の石標が有るだけという、いたってシンプルな場所である。地籍調査用ポールや嶺北ネイチャーハントの看板がなければうっかり通り過ぎてしまうほどである。
しかも、西は人工林で視界はきかず、ただ刈り払われた東の一角だけが開けている状態である。

山頂です
 山頂のスペースは猫の額ほどしかない。

しかし、その一角からの眺めは素晴らしい。
眼下に四国の水瓶「早明浦ダム湖」が膨大な水を蓄え、吉野川の下流へは左右から嶺北の尾根が流れ込む。
やや霞んではいたものの、梶ヶ森のパラボラ鉄塔や物部山系までも望むことができた。

東の展望
 山頂から早明浦ダム湖の方角を見る。鎌滝山、きびす山などが眼前に座している。

さて、この程度の眺望ならと思われるむきもあるかもしれない。だが、この眺めはこの山でしか得ることの出来ないことも事実ではある。
ただ、山には頂に立って素晴らしい山と、眺めて素晴らしい山があるというのなら、岩躑躅山は後者であろうか。

備考
今回の山行きでは忠実に登山コースを辿らなかったため、友人のコースタイムを参考としました。
登山口から車道を少し上方、送電鉄塔下付近には小規模ながら趣のある滝がある。
名もない滝だが冬には氷結して美しいと地元の人には知られている。

岩躑躅山登山口付近の滝

今回の山行きでは、2人の無線仲間に随分お世話になりました。
地元中村地区出身で土佐町在住の中沢さん、岩躑躅山に毎日作業に出かける岡林さん、おふた方にこの場をお借りして深くお礼申しあげます。