さて、帰途には、先に触れた「中野峰」へも登ってみた。
中野峰へは林道を引き返し、赤い鉄柱(H鋼)の立つ場所まで戻る。鶴松森登山口から赤い鉄柱の立つ場所までは10分足らず、林道上からは中野峰の山頂が見えるので、登山コースや山頂の様子などはおおかたの予想ができる。


おどけて林道を歩く浜田さんの正面に見えるのが、これから向かう中野峰。


赤い鉄柱の脇から中野峰を目指すが、登山口の案内はないので、適当な場所から尾根へと踏み入れる。


赤い鉄柱のゲートのもとから中野峰への登山道に踏み込む。(右の鉄柱のそばを薄暗い植林へと向かう)

尾根にとりつけば明瞭な踏み跡を辿り、標高差約50mを一気に約8分で中野峰山頂に到着する。山頂には、4畳あまりの広さに4等三角点の石標と2つの山名板があるのみ。標高は1015.9m。
北はヒノキの植林、南は雑木林に囲まれ展望はきかない。


中野峰の山頂で三角点の石標をカメラに収める。

写真だけ撮り、すぐに山頂を後にする。
下山は東へと尾根を辿るが、やがてヤブとなり、一旦左手の植林に回避し、再び尾根にとりつけば立派な踏み跡と出会うも、すぐにまたヤブになる。仕方なく植林をまいて行くが、ヤブは次第に深くなり、ついには尾根の北を並行して走る林道へとエスケープした。この間約20分。

林道に下りてからは、往路を引き返し、南眼下に姫野々の集落などをのんびりと眺めながら歩いても、出発した地点に帰り着くには20分もあれば充分だった。
天狗高原から追いかけてきた雷雲は、結局、私たちに追いつくことは出来なかった。


備考

水場がありません、充分な飲料水を持参してください。
ここで紹介するアプローチ上では一部災害復旧工事が行われています、工期は2000年9月15日までの予定です。


今回の山歩きで出会ったササユリ(フクリンササユリ)。
ササユリ(笹百合)とはその葉の形から名付けられ、高知県のものは葉に白い縁取りがあるフクリンササユリである。高知県では県中西部で比較的よく見られるが、生息地の環境変化と乱獲などの影響により絶滅危惧種にあげられている。ササユリは栽培が非常に難しいので、決して採取して育てようなどとは思わないでください。



中野峰の尾根筋にて、ひっそりとたたずむハナイカダ。
ハナイカダ(花筏)は別名ヨメノナミダ(嫁の涙)とも呼ばれ、雌雄異株で、葉の表面に花をつける(写真は雌花の蕾)。果実は黒く熟すと甘く、若葉は山菜として利用する地方もあるようだ。


ここで「黒森(984m)」を少しだけ紹介しておきます。

黒森登山口へは、先のアンテナ鉄塔から、更に東へと車道を進む。アンテナ塔から約1.3K行くと、左手に広いカヤ原があり、北には鳥形山が望めるところで、側溝を横断して黒森の上方へと延びるつきならしの作業道に出会う。


矢印の場所が登山道の入り口。

作業道からは、およそ10m先で左手の赤いテープを目印に小道へと這い上がる。