鎌滝山 2000年5月6日(2002年9月29日一部改訂)
国道439号線から、四国三郎吉野川を堰き止める「早明浦ダム」に行き、その堰堤を横断し、左岸に渡って遡上してすぐに林道大淵線へと乗り入れる。
全線舗装された林道を3Kあまり、行き詰めた大淵(おおぶち)の集落に下の登山口はある。
下方に早明浦ダム湖が見える行き止まりの広場に駐車させていただくが、民家の車庫や倉庫などがあり駐車をためらうような場所である。地域住民の方の通行などを妨げないとしたら、マイカーは3台程度の駐車が精一杯かもしれない。後で紹介するが、いずれ上の登山口がポピュラーになれば、このような場所に駐車するケースも少なくはなるだろう。
実際2000年12月23日に、この山に登られた高知市の山本さんによれば、『林道の登山口(上の登山口<後述>)に嶺北ネーチャーハントの新しい看板ができていました。それから、その林道の下は現在伐採や道路工事で歩きづらく初めてだとちょっと迷ってしまう様に思います。今後は上の登山口から登るほうがよいかもしれないと感じました。』とのレポートもいただいていますので、できるだけ上の登山口からのアプローチをおすすめします。
さて、大淵集落の登山口の標高は約625m。山頂までは標高差490mである。
嶺北ネイチャーハントの標識に従い、登山口からハウスの脇をすり抜け、左手の植林に向かい緩やかに上ってゆく。登山道脇のハウスではサクランボが花を終え、かわいい実を結び、手前のハウスではトマトの植え付け準備がすすんでいる。山肌に張りつくような集落にも四季の営みがみてとれる。
大淵集落にある下の登山口。右隅の指標通り小道を登り、右上に見えるハウスの脇から左上に正面の植林へと向かう。
サクランボのハウスの上を歩き、小さな谷を渡ると、登山口の少し下方から延びてきた作業道(未舗装の急傾斜)に出る。
この後は、しばらくこの作業道を上ることになる。
幅員3mほどの作業道にはイタドリやタラが多い。目の前ではアサギマダラが舞っている。
途中左手の山肌には細い流れがあり、枯れていなければ水を補給できる。これから行く登山道には水場がないのでここで補給しておきたい。
なお、あいにくここの水が枯れており、なおかつ充分な水を持ち合わせていないときは、ここより上で、滝に向かえば補給することもできなくはない。
作業道からの別れには指標がある。
登山口から10分あまり、標高約735mで、作業道の左手に指標が見つかる。ここから登山道は折り返すように暗い植林の中を登る。
杉の植林を行く登山道ではクロモジがめだつ。足元にはところどころスミレが花を咲かせ、ホウチャクソウも花をつけている。マムシ草も花時でよく目立つ。
作業道の分岐から10分、登山口から20分あまりで、汗見川(あせみがわ)の集落「屋所(やところ)」から延びてきた道との分岐になる。分岐には石の指標がある。
屋所の集落から林道を詰め、終点から歩いてくるとこの分岐で合流することになるが、屋所からの登山道は林道が荒れていることもあり、現在はほとんど使われていない。
中央が石の指標、右ヤトコロとしるされている。ここは左にとる。
屋所との分岐を過ぎて左手を見上げると林道が確認できる。檜の若木林を抜け、屋所の分岐から5分で立派な林道に出る。
この林道は「古味(こみ)」地区(大淵集落の西に位置する集落で、上吉野川橋の上流、左岸にある)からつい最近延びてきた林道で、この時点では、林道はこれよりすぐ東(右手)で行き止まりになっていた。来年(2001年)には先の大淵集落の作業道と連絡される予定らしい。
この林道は未舗装だが、広くてきれいだし、ここまでの登山道にさして見所もないので、いずれこの林道上が登山起点になる日もそう遠くはないだろう。付近には2ケ所待避所があり駐車スペースもある。
林道山手には赤や黄色のテープがあり、小さな登山道の札もあるので、古味地区からこの林道を使用して来られた方でも登山口は容易にわかるだろう。
ここにもやがて嶺北ネイチャーハントの親切な看板が立つことを願っている。
(前述の山本さんのレポートによれば、しっかり案内板が設置されたようです)
この林道は「大河内線」で、早明浦ダム湖上流の上吉野川橋を左岸に渡り、国道17号線を1.7kmほどで最初に現れる林道です。
(林道入り口を行き過ぎてしまうとすぐに古味の集落入り口になり、バス停があります。)
林道大河内線を約4kmほどで登山口ですが、2002年9月現在、林道入り口から約2.5kmほどの地点で豪雨被害による崩壊があり通行できません。
ただし崩壊地点から徒歩30分も歩けば登山口に着きます。
ところで、この林道を来た場合、最初に丸いポールに登山道と書かれた道標に出会い、右路肩側には「大淵へ下る」と書かれた場所に出会います。
しかし、この場所で鎌滝山へ向かう登山道を見出すことは困難です。かつては急斜面ながら尾根沿いに道があったのですが現在は廃道になっています。
ここは嶺北ネイチャーハントなどの看板がある登山口から登ることをおすすめします。(2002年9月29日追記)
古味の集落から延びてきた林道。左手に見える小道が登山道。
なお、水の補給がどうしても必要な方はこの林道を東に行けば谷で補給できるが、谷に出るまでの道は鬱蒼としている。さらに、補給する場合は生活水の源であることを忘れないで細心の注意を払って欲しい。やはり、水は忘れないで持参しておいていただきたい。
余談だが、屋所にそそぐ谷には滝があり、ロッククライミングも行われている。その近くにはかつて通夜堂があったようだが、現在は跡形もない。