縦走路
 遮るものがない一面の笹原はいつ歩いてもすがすがしい。

軽快に笹原を行くと、あっという間に西峯青年会の建てた看板に辿り着いた。
ここは広くなだらかな笹原である。
東方面にはまだまだずっと土佐矢筈山まで縦走路は延びているが、本日の運用場所はここに決定をする。

西峯青年会看板
 西峯青年会の「小桧曽山」立て看板がある場所は、山渓のガイドブックで紹介された「小桧曽山」山頂である。先ほどの頂上とは別峯なので注意されたい。

東方面に土佐矢筈山や天狗塚や三嶺山塊が横たわるので予想したとおり関東方面のロケーションはまるで良くない。
それでも時間は充分あるのでアンテナを北東に向けて運用を続けていると、8エリア(北海道)が聞こえてきた。
Eスポ(突発性電離層による電波伝搬)ではないが、安定して強く入感(受信)している。
早速、久しぶりの北海道と交信を成立させたが、その後はあまり運用成果がなかった。



 濡れたズボンを乾かしながらアマチュア無線を運用する。アンテナは北東を向いている。

インスタントラーメンで早めの昼食を摂った後、半乾きのズボンをはいて下山準備を始める。
夏の午後は上昇気流に乗り沸き立つガスですぐに曇ってくる。
もと来た笹原を引き返す頃には梶ヶ森はもう見えなくなっていた。
下山は県境の境界を辿るように尾根伝いのルートをとったが、さきの分岐まではひどい笹の薮こぎだった。
最前、往路は「原始林経由」で登頂したと記したが、私達にすればこちらの方がよっぽど原始林だった。

備考 京柱峠ではホースから豊富な水が溢れているが、登山道には水場は無い

蛇足
この山は1998年秋の高校総体(インターハイ)の登山競技会場になった。
このときは大豊町西峰小中学校でキャンプを張った後、笹越えの峠を経て小桧曽山から土佐矢筈山へと縦走を行っている。
笹越えの峠は小桧曽山から尾根伝いに4キロほど南下した処にある。標高は1200mほど。
ちなみに、この競技大会のおかげで笹越えから小桧曽山への縦走路は笹が刈り払われ立派な登山道が出現した。

やまとの部屋