奥の院からは、左斜面の急な岩場を下る。ロープが下げられているので、しっかり握りしめながら、3点支持で慎重に下る。
モミの大木を経て再び尾根に出てからアップダウンを繰り返し、ブナやカエデに和みながら、ほどなく高板山の山頂に着く。ここまで登山口から1時間足らず。
なお、山頂の手前では左に迂回路もあるが、忠実にヤセ尾根の岩場を行くと面白い。


高板山山頂。中央の三角点は木々に囲まれている。

高板山の山頂は木々に遮られ展望は良くない。ここは、この山の名所でもある四国王目岩を目指し、山頂では小休止程度におさめる。

山頂から岩場の連続を突き進むと、10分足らずで登山道に聳え立つ四国王目岩に着く。


登山道に聳える四国王目岩。岩上には石像が祀られている。

登山道に聳える四国王目岩(シコク岩とも言う)には容易には登れない。下から見れば比較的簡単に登れそうなのだが、降りるときには細心の注意が要る。安易には登らない方がよいだろう。
四国王目岩のたもとからでも、そう展望は悪くはないし、後ほど紹介する展望所からは、北の展望は充分楽しめるので、ここは無理をしないで欲しい。
なお、岩上に登りたい方は、突き当たりから、または裏手に回って立木から移るなどすればとりつきやすいだろう。


四国王目岩から北には三嶺山系が望める。

さて、四国王目岩から、秋らしい鹿の鳴き声を聞きつつ、ほんの少し行くと展望の良い岩場に出る。登山道はこの展望所の手前で左(北側)の山肌にエスケープするが、ぜひ、この岩場で北の展望を楽しんでいただきたい。
四国王目岩付近の展望に劣らず、上記の画像と同様の風景を眺めることが出来る。

天狗塚や三嶺などの展望をたっぷり楽しんだ後は、展望所の岩場の左を巻いて再び尾根を行くと、奇妙な枝振りのゴヨウツツジ(シロヤシオ)に守られるかのように祠が安置されている。
尾根で生きる自然を崇拝するようにおかれたお堂は、高板山大観音堂(若宮様)と、ガイドブックに紹介されている。


祠の背後にゴヨウツツジの古木。