稜線に出てから20分あまりも歩いただろうか林を抜けると突然、目の前に黒滝山が飛び込んできた。ここで最後の下りになり後はひたすら登りきれば山頂である。
ここから見る北斜面の黒滝山は伐採の後が痛々しく一種異様だが、おかげでさえぎるものが無く、高度を稼ぐごとに素晴らしい展望が展開する。山頂に向かい左手には塩塚高原や、後方には野鹿池山の風景が素晴らしい。
北斜面の伐採後に植えられたヒノキの若木林には造林小屋が見える。そのすぐ上(山頂から北に延びた尾根伝い)には巨岩がひときわ眼を惹く。ガイドブックに寄ればこの岩が「黒滝」と呼ばれるゆえんらしいが定かではない。


ここを登りきれば山頂。伐採後のヒノキの若木林の上に、わずかに残った自然が愛おしい。

ところどころ白いキクの花びらや、リンドウに励まされ、ややきつい登りを辛抱してゆけば20分ほどで山頂に辿り着くことが出来る。
稜線に出てからほぼ40分で山頂に着いた。


黒滝山山頂。灌木が刈り払われ南を中心とした展望は良い。

黒滝山山頂には木の標があり、三等三角点は木標から約4m奥(東)にある。
山頂は狭く、南方面以外は灌木でさえぎられている。ここでは山頂少し手前の岩場が好展望所で、特に南と西の展望が良い。
奥大田川の源流部に鋭く切れ込む岩場から南を見ると正面に梶ヶ森が座している。そのまま左に目を凝らしてゆけば、京柱峠が確認できる。また、西には野鹿池山が左後方には白髪山の流麗な姿も望まれる。後方には土佐郡の名だたる山々が指呼できる。


山頂近くの岩場から西には野鹿池山が目の前(中央最高峰「左=西峰、右=東峰」)。そのすぐ手前は1217mのピーク。手前に小高いのは縦走してきた1112mのピーク。

さて、山頂からさらに東に尾根を辿れば5分程度で雑木林が切れて、東を中心に180度の展望が広がる。
眼前には国見山が雄々しく聳え、後方に剣山系、右へと辿れば、三嶺とその周辺の山々が美しい。
なお、すぐ目の前には登山中に眼を惹かれた巨岩があり、時間が有れば近くまで行ってみると良いだろう。


山頂の東から「黒滝」と呼ばれる巨岩(中央の円筒形)を眺める。