山頂を越した東の尾根での展望は見飽きることがない。
黒滝山は大豊町奥大田の最奥にありながら、峰を越せば眼下に徳島県大歩危の集落がある。ここにも様々な営みがあり、この山なみと吉野川は隣県を確かに結んでいることをあらためて確認させてくれる。


左に国見山、山肌で輝くのは大歩危の集落、尾根の向こうは西祖谷山村。剣山系も一望。

山頂近くの岩場で展望を楽しみながら、田口さんの奥さんが用意してくれていた暖かいコーヒーを口に運ぶ。素晴らしい眺めの中でのコーヒーは格別である。汗がひいて少し肌寒くなった身体に温かい飲み物が心地よい。
しかし、西に落ちていく陽を惜しみながらも、秋の日暮れは早い。コーヒーを飲み干し下山を開始した。



紅葉には少し早い稜線を下山する。

下山はもと来た道を引き返し、30分ほどで先に紹介した稜線上の分岐を通過するので、下から歩いた場合はここを南に下れば近道になるようである(実際に歩いて確認はしていません!)。
忠実に引き返すなら、更に10分足らずで稜線上の送電鉄塔に近づき、尾根手前の指標まで帰り着く。
ここから20分足らず下ると1番最初に小休止した鉄塔近くの分岐に下り立つ。
なお、ここから左下に植林の中のジグザグ道を少し下れば、尾根を巻いてトラバースし、更に下れば奥大田の支流の沢の音に近づき、15分ほどで沢沿いの登山道になる。下から登った場合、この辺りが最適な水場になる。
こちらは一般に使われている登山道で非常に手入れ良く整備されている。


下の登山口からはこんな奥大田渓谷の自然を右手に登ることが出来る。

木の橋や鉄の橋を渡り、カエデやモミジの混ざる沢沿いの明るい植林を下ってゆけば、20分もたたずに下の登山道に下り立つことが出来る。


下の登山口の入り口あたり。両手を伸ばして歩けるほどに広い。

備考

登山口は標識が無くわかりづらいかも知れないが、下の登山道は橋のすぐ傍で、谷沿いに延びている。この辺りでこのような歩道はただ1本なのでそれらしく分かると思う。
また、上の登山道は林道終点、または送電鉄塔を頼りにすればすぐに見つかるだろう。