標高1861mの西黒森山頂からの展望は素晴らしい。
すぐ西側には、標高のほとんど同じ瓶ヶ森が対峙しており、山頂に立つ登山者も肉眼で確認できる。
南西には岩黒山や筒上山・手箱山が独特の山容で居並び、南の眼下には吉野川がその遥かには土佐の山なみが幾重にも折り重なり空に溶け込んでいる。
北には瀬戸内の島々が、東には東黒森・伊豫富士・寒風山そして美しい山姿の笹ヶ峰が望める。
写真右のピークが西に対峙する瓶ヶ森。山腹に白く見えるのは村道瓶ヶ森線。
この山では幾度となく(年によっては4回も)アマチュア無線の運用を行っているが電波の通りは非常に良いと思われる。
西方面は当然ながら、反対の中部・関東以北では特に日本海側が良く、コンディションさえ良ければ秋田・青森などの固定局とも交信が可能である。
ただ、夏場は天候が急変しやすく、吉野川を駆け上がってくる水蒸気は瞬く間に大きく厚い雲を作り、上昇気流であっという間に山全体を包んでしまう。
当然、雷も発生しやすく、水気をたっぷり含んだガスはそこにある物すべてをぐっしょりと湿らせてしまう。
人のわがままな思惑とは別に、自然が息づいていることを今更ながらに思い知らされる。
テントの向こうには伊豫富士などの山なみが見える。アンテナは北東を向いている。
余談になるが、この山で初めて2mSSBの本格的運用を行ったのはJA5REV(関さん)ほか高知2mSSB愛好会黎明時代の強者たち数名であった。
当時は白猪谷経由で機材を持ち上げ、苦労して設営したものの運用当日は荒天。
数局交信したのみでアンテナは強風で倒壊した。爾来何年もの間この山で運用する者は現れなかったが、そこにも自然の容易ならざる驚異を禁じ得ない。
備考
時期によって登山道には思った以上のアザミが発生し、半ズボンでは難儀するだろう。
登山口や登山道に水場は無い(村道沿いでは伊豫富士の近くなどに谷水がある)