大座礼山

はじめに
私の大好きな「大座礼山」には登山者を圧倒するとても見事なブナの巨木たちが生きています。とても大好きなブナだけに、ここでは思い切ってブナの写真だけでも15枚アップしました。
そこで、通常の紹介ページ以外に
「大座礼山ブナの写真集」のページを追加しています。是非、あわせてご覧ください。(ブナの写真集は、このページと次のページの最後にリンクしています)

大座礼山のある高知県大川村は、今でこそ人口は700人程と過疎の村だが、かつては白滝銅山で栄えた村だった。銅山の閉鎖とダムの出現で多くの人々がこの村を後にした。
現在銅山跡地は自然王国白滝の里として村内外の人々が集うコミュニティーの場として活用されている。

水没した大川村役場
早明浦ダムに沈んだかつての村役場が、渇水期にその姿を現した。

県道6号線(高知伊予三島線)で、その白滝への入り口をやり過ごし、渓魚「あめご(あまごとも言う、ヤマメの近種)」の豊かな大北川をさらに北上すると「大川村村営あめご養殖場」がある。ここまで来ると車道は大北川から大きく離れ標高を稼ぎ出す。
悪路に辛抱しながら行けば愛媛県との県境「大田尾越し」の峠手前西側に大座礼山登山口はある。
県道と林道の分岐に広場があるので車を止めて少しだけ荒れた林道を行き、小さな谷川に出会ったところで林道を外れ山手に駆けのぼることになる。
やがて先ほどの谷川を右に徒渉してから、道は急なつづら折れになり、汗を拭きながら後ろを見ると東光森山の頂が次第に目線になってくるのがわかる。南にはロックフィルダムで有名な稲叢山(いなむらやま)が見える。

登りはじめの急な傾斜もここで終わり
登山道が水平道に変わる辺りでスパッツをなおすJF5NGL(杉村さん)。この日は小雨の中での山行きだった

私は毎回ようやく道が水平道に変わる辺りで1回目の休憩を摂っているが、ほんの少し行けばきれいな谷水の迸る水場があるので、夏の休憩はそこで摂ると良いだろう。(ここが最後の水場と思っておいて下さい)
息を入れたら快適な登山道を尾根まで目指すのだが、この山はシャクナゲの群生やアケボノツツジもあり、そう焦らずゆっくり散策したい。

快適な水平道
こんな零れ日の登山道に急ぎ足はもったいない!

歩き始めて1時間半もあれば井野川越(いのかわごえ)の分岐で、目指す大座礼山と反対側には井野川山の小ピークがのぞめる。
さて、ここからツツジの枝を引きつけながらの少しだけきつい登りだが、息が上がった頃にこの山の主役である巨大なブナの木に出会う。手(枝)を一杯に広げて暖かく迎えてくれるブナとの感動的な出会いは、実際に出会っていただければおわかり頂けることだろう。

山毛欅(ブナ)の巨木
登山道のど真ん中で待っていてくれたブナの大樹。

数こそ少ないが大座礼山のブナはどれも巨大で、その大きなブナの木と自然が描き出す景観は独特な原始の雰囲気をかもし出している。地図でも確認できる通り、頂上南側、標高1500mのこの辺りは等高線間隔も広くなだらかで、踏みしめる土は腐葉土をたっぷり含んでふかふかとしており、ブナをここまで大きくした大地の恵が伝わってくる。かつてここには二つの池も有ったらしい。

なお、登山道で最初に出会うブナの少し手前の笹原には、4年ほど前までこれまた立派なブナが立っていたのだが、残念なことに台風で倒伏してしまった。倒れたブナは登山道を遮っており、秋には木肌からキノコが生えてくる。しかしそのキノコは猛毒のツキヨタケなのでくれぐれも注意されたい!

毒キノコ「ツキヨタケ」をご存知無い方はぜひともこちらをどうぞ▼
ツキヨタケについて

「大座礼山ブナの写真集」