三嶺 1994年5月3日他
三嶺は昭和51年頃「みうね」と正式呼称を定められたが、高知県では今なお「さんれい」の名で親しまれている。
日本200名山のひとつ三嶺はその山容と展望や抱える自然から高知県では特に人気の高い山である。
それだけに登山ルートも多種多様だが、ここでは徳島県の名頃(なごろ)からの最も最短のコースを辿ってみたい。
東祖谷山村(ひがしいややまそん)名頃で、439号線上に掲げられた「三嶺」の看板を頼りに林道を進むと(林道入り口に猪牧場がある)、大きな左カーブに広場と看板があり最初の登山口にさしかかる。
ここからのコースは後ほど紹介する林道終点からのコースと途中で合流するが、それまでの登山道は自然豊かで時間的余裕があるなら、静かな歩きを楽しめる。
目的の登山口はここからまだ暫く未舗装の林道を行き詰めた所にあり、駐車場が2ヶ所と木のベンチなどがある。
水場もあるので道中の水も補給できる。
日帰りの登山者や山小屋での泊りのパーティーなどで、登山口は1日中賑わっている。
登山口にある環境庁の案内板
登りはじめからややきつい坂が続くが、身体中に酸素が行き渡るまでゆくっりと歩くと良いだろう。
あからぎ(ヒメシャラ)やモミ、ブナなどの木々に野鳥が戯れる自然を満喫しながら30分足らずで小高いピーク(1517m)に出てすぐ下の登山道との合流点に飛び出す。
真新しい道標と鳥獣保護区の看板がある。
ダケモミの丘とも呼ばれるこの辺りは、ちょっとした広場になっており1回目の休憩にはうってつけの場所である。
登山道の合流点で、愛媛県の無線家たちとバッタリ出会って記念撮影
なお、水を忘れたむきにはこの合流点から少し上手に水場があるが、ただし、渇水期には涸れることがあるので注意されたい。
水場の付近からはひたすら登りになる。
夏場でも樹木のおかげで陽差しは苦にならないが息は上がってくる。
上の水場まで一気に登れないときは「まゆみ(檀)」の木のあたりで一息つくと良い。
たぬきのかんざし(まゆみの木)の脇で
登山道脇でひときわ眼を惹く「まゆみの木(たぬきのかんざし)」は推定樹齢300年といわれ夏に小さく可憐な花を咲かせる。秋に熟した果実は非常に美しい。(谷相山のページに果実の写真を紹介している)
登山道はここを過ぎると遮るものが少なくなり、日中なら陽差しもきつくなってくる。
登山道が笹原になると上の水場まであと少しである。
林の中を抜けると笹原になり、登山口が後方遥かになる。