水場から10分あまりで植林を抜ける。
足元にはヤブレガサの群落にフタリシズカが美しい。
木で土止めされた階段を登ると、あたりにはナラの木が目立つ。
間もなく稜線の分岐である。
ヤブレガサの群落にフタリシズカの花が咲く。
あえぎあえぎ急登をつめて、水場から約20分、ようやく稜線分岐に立つ。ここまで登山口から都合約45分。
登山道で唯一の展望所である稜線分岐からは、樹間越しに右手に敷ノ山(雪光山から南東に位置するなだらかな山で、登山者の間ではそう呼ばれるらしい)、正面に南の山々、左奥に工石山(前工石)などが木々の間に望める。息をととのえながら眺めるには最適の場所である。
稜線の分岐「右に雪光山640M、左に平家の滝」の看板がある。帰途は、ここを左へと向かうことになる。
稜線の分岐を出発すると道はなだらかな登りだが、足元には相変わらず滑りやすい石が多いので油断は出来ない。
山ツツジの赤い花の下を抜けて、両側に形の良いアカマツを過ぎると、道の左手にスギの植林が濃くなる。
やがて、山頂から派生した尾根を巻き込んで進む頃には、スギとヒノキの植林になり、まもなく尾根の分岐にたどり着く。ここまで先の稜線の分岐から約20分。
稜線の分岐からなだらかに登ってゆく。あたりの樹木には名札がかけられ、学習林としても親しまれている。
尾根の分岐は小岩のたもとに有り、まっすぐ進めば上吉原の集落に至るが、ここで指標通りに右手へと、尾根を伝えば山頂である。
山頂までは標高差50mほど。ヒノキの植林の中を緩やかに登って行けばよい。
山頂が近づくとカイナンサラサドウダンの花を見ながら、石段状の岩場を数歩で山頂である。
山頂までは尾根の分岐から10分足らず、登山口からは約1時間15分の行程である。
恵比寿さまや権現さま、妙見さまの向こうに「おつかれさま、雪光山山頂926M」の看板。中央下には三等三角点の石標が見える。
山頂には、恵比寿様、国見権現様、妙見様などが仲良く祀られている。
狭い頂だが、往時は奉納相撲が催されいくつもの出店が並んでいたとは驚かされる。