さて、山頂からは南から東にかけての展望が特に素晴らしく、目の前には敷ノ山の全貌が望め、その向こうには仁淀川沿いの街並みが見える。
伊野町から高知市にかけての市街地や、晴れていさえすれば青い太平洋の水平線までもが確認できるはずだが、あいにくこの日は梅雨の湿った空気にかすんでしまっていた。


山頂から正面に敷ノ山、植林の山を林道が走る。左の枯れ木越しに手水の集落、水をたたえた水田が光っている。高知市の水瓶、鏡川の保水力はこんなところに息づいている。

一方、東には水墨画のような山々が屏風のように続いている。
今では大きく育った山頂の木々を越して、土佐山村の県民の森「工石山」やアンテナを冠した三辻山などが指呼できる。


中央奥に三辻山、その右手は工石山(前工石)。

さて、山頂からはぜひ北の岩場へと足を延ばして欲しい。
「おつかれさま雪光山」の看板の裏手に踏み跡が見つかるので、そこを1分も下ると岩場に出る。ここからは山頂では望めなかった北の展望が見事である。
オーバーハングした岩の上に立てば、その高度感に足のすくむ思いだが、ここでは季節ごとに素晴らしい景色が広がる。


山頂から西の岩場で北を望む。手前で岸野さんが立つ岩場は足元で大きくえぐれ、凄まじい高度感がある。

標高1000mにもみたない山だが、6月はじめはまだ少し肌寒い。
昼食を済ませて、汗のひいた身体が冷えきらないうちに山頂を後にすることにした。