登る人も少ないのだろう、次第に登山道はスズタケが深くなり、朝露や蜘蛛の巣と格闘しながら、登山口から1時間50分後にようやく山頂の北側の鞍部に出た。国土地理院の地図だと登山道は遥か西の尾根に出ているが、ここで登るルートはまったく違うので注意して欲しい。
登る人も少ないのかスズタケのヤブが深くなる。
ここより山頂までは広葉樹の林で、山頂手前はツツジの豊富な急坂だが一気に登り切ればほぼ2時間で山頂に辿り着く。茂ノ森山頂は岩場で三角点もあるわけではなくうっかりすると通り過ぎてしまいそうである。
茂ノ森山頂。左のリョウブに掛かった看板がなければ通り過ぎてしまうほど。写真右下に登山道がある。
岩場の山頂を越えた林の中にザックを降ろした。
ここより登山道はまだ南東に延びており、確認はしていないが、ひょっとしたら林道「西又河野線」の上部に降りられるのかも知れない。もしそうなら、最短の登山コースに違いないが未確認である。
山頂で満開のリョウブの花。リョウブはその木肌の美しさから床柱として使われ、また、良質な木炭にもなる。
さて、山頂からの展望は北から西の一角が開けているだけだが、北には高ノ森やパラボラアンテナ群が特徴的な梶ケ森が望める。高ノ森の左肩越しには杖立山が見える。西にはこれまたアンテナが目立つ明神岳も確認できる。明神岳の更に右手奥には国見山も見えるはずだが、この日はガスに霞んでいた。
ところで、展望同様にアマチュア無線のロケーションも概して北が良く、中国地方の電波が良く届いてくる。事実、同行した浜田さんは小さなハンディ機で4エリア(中国地方)の無線局と交信していた。
茂ノ森山頂からの展望。手前になだらかな高ノ森、右奥にかすんでいるのは梶ケ森。
山頂で休んでいるとひらひらと蝶が遊びに来た。蝶に詳しい浜田さんによれば、ヒカゲチョウとのこと。二人で、かわいい被写体をしばらくカメラで追ってみた。
激しい恋の結果か?羽根が無惨なヒカゲチョウは、私のズボンにとまった。