橡尾峠から15分ほどで橡尾山山頂に到着した。
山頂は稜線の登山道脇にあり、展望は良くないが、三等三角点のまわりはタタミ3畳分ほどのスペースがある。
まわりは木々に遮られやや薄暗い。しかし、夏の日には陽差しが遮られ過ごしやすい。ここで昼食を摂ることにした。

橡尾山山頂
 足もとの三角点と記念撮影。四方はご覧のように樹木で遮られ、展望はまったくきかない。

さて、カガマシ山の項でふれた事件はこの時に起こった。
浜田さんが、昼食に持ってきていたカップ焼きそばを、食べる寸前にふりまいたのだ。
腐葉土で見事にトッピングされた焼きそばは、見ようによっては美味しそうだったが、さすがにあきらめて林の生き物にふるまったようだ。おかげで彼は麓で早朝に仕入れたおむすびだけの昼食になったが、もし、そのおむすびさえも調達できていなかったらと思うと、今更ながら身の細る思いがする。そうでなくても、彼も私も細身なのだから。

ブナ
 山頂の近くには枝振りの良いブナが2本空を覆っている。

昼食のあと辺りを散策。山頂から東に笹ヶ峰へと延びる縦走路にはアセビの大木が見事で、道は思ったより踏まれているようだった。
山頂の近くのブナを背景に記念写真を撮ったあと下山する。
山頂から15分ほどで先ほどの橡尾峠まで降りると、女性がひとり峠まで登ってきており、しきりにメモを取っていた。

下山道
 橡尾峠から登山口への急坂を下る。


これから山頂に向かおうとする女性とすれ違い、私たちは橡尾峠を北に、もと来た愛媛県側の登山口に向かって下山した。
広葉樹林におおわれた急坂を一気に、峠から25分でシャクナゲ遊歩道との分岐まで下降し、登山口にはその後10分ほどで帰り着いた。
下山途中ではサカハチョウやテングチョウが私たちを慰めてくれた。

テングチョウ
 木の枝で羽根を休めるサカハチョウ。

備考
シャクナゲ遊歩道への分岐から直登して橡尾山を目指すと途中に水場は無いが、シャクナゲ群生地を経由するなら谷川の水が補給できる。詳しくはカガマシ山の紹介をご覧ください。