杖立山へはここで紹介する久寿軒ルートがポピュラーで、笠松や峠の地蔵など見どころを辿ることができる。
しかし最近、北側の町道和田庵谷線上に嶺北ネイチャーハントの看板が立ったことにより、北面ルートに挑戦される方もおいでになるかも知れませんから、簡単な北面からのルート案内も記載しておきます。

<<<北面からのルートは以下をクリックしてください>>>
>>北側からのルート紹介

杖立山  1999年3月13日

私は自慢ではないが朝は弱い方である。それでも山行きの朝は不思議に目が覚める。例え午前4時の待ち合わせでも遅れたことはなかった。しかし、この日はどうしたものか一向に目が覚めなかった。
結局30分以上も待たせたのに文句ひとつ言わなかった山(と無線)友達の浜田さんに、この山の案内を書く前にどうしても一言お詫びしておきたい。

さて、待ちくたびれただろう浜田さんと、JR土讃線北川駅(きたがわえき:鉄橋上に駅がある)から国道32号線を東に逸れ登山口に向かった。
この日私達は久寿軒地区から上方の林道を使用した。一般には、久寿軒(くすのき)小学校脇を登り、東に行き詰める車道の方がわかり良いだろう。
伊与木の集落で車道は終わり、民家のすぐ脇に登山口はある。
駐車スペースは狭く、乗用車なら2〜3台が精一杯なので、土地の人の迷惑にならないよう気をつけたい。

杖立山登山口
 左脇に民家がある。駐車スペースは極端に狭い。

植林の中の、よく手入れされた登山道を行けば、身体が山道にようやく慣れ始めた頃「笠松(カサマツ)」に出会う。
樹齢300年はあろうかと思う老松が空を覆うほどに大きく笠のように枝を広げている。
縦横に延びる枝の張り具合には、毎度ながら自然の巧みさに敬意を払わずにおられない。
この笠松と杖立峠には送り狼の伝説がある。(文末の備考を参照)

カサマツ
 自生の松としては非常に見事な枝振りである。幸いなことに、今のところ周りの木々もこの松の生育を妨げてはいないようである。

再び登山道は植林になるが、登るにつれてアセビが目立ってくる。
ところどころでミツマタが可愛い黄色い花を咲かせている。
登山道で初めて出会う送電鉄塔の脇を巻くと間もなく杖立峠に出る。

峠では地蔵が私達を待っていた。
風雪に耐えながら峠に鎮座して、あなたにとって私達は何番目の旅人だったろうか。

杖立峠
 杖立峠。画面向かって左(南)が久寿軒、右(北)が庵谷(いおのたに)地区。向こう植林の中(西)へと杖立山への登山道は続く。