杖立峠は、往時には盛んに人や物資の行き来もあったらしいが、今は嘘のように静かである。
なお、この峠から庵谷(いおのたに)地区に降りる往還の道にはマルバノキの全国的にも珍しい群落があり、大豊町の天然記念物に指定されている。
マルバノキは、秋に花と紅葉が一度に楽しめる珍しい花木である。

 
 赤く色づき始めたマルバノキ(左)と、海星(ひとで)のような星型の花(右)

峠のすぐ東には送電鉄塔があり、鉄塔のたもとから東の眺めは魅力的である。ここで息を整えると良い。

杖立峠の鉄塔脇にて
 杖立峠の送電鉄塔あたりから向こうには梶ヶ森への縦走路が延びているのを確認できる。

さて、峠と別れて杖立山をめざし少し行くと杖立山への道は往還道から左手に逸れる。
分岐には目印があるので見失わないように気をつけたい。
ぐいぐいと進めば嶺北ネイチャーハントの看板があるピークはほど近い。植生が変わったことがそれを教えてくれる。ピークの直下では気の早いアセビが白い花を着けていた。

ピークは間もなく
 植生が変わった。空が開けてきてピークが近いことがうかがえる。この右手上方すぐが嶺北ネイチャーハントのピークである。

嶺北ネイチャーハントの看板が建つピークはちょっとした岩場で、南や西の展望が特に素晴らしい。
北も岩場から背を伸ばせば大森山や佐々連尾山の尾根が見えた。

ネイチャーハントの山頂です
 岩場の上は狭いが展望は良い。後方は杖立山三角点。