標高と共にややきつい登りとなり、やがて穴内(あなない)からの道と合流する。
ここを右手にとればJR穴内駅に下り立つことも出来るが、余程な時間を要する。
山頂へはこの良く整備されて歩きやすい道を左手にとって、水平にぐんぐん行けば杖立山山頂への分岐に辿り着く。
山頂へは指標通りに右手の小道を登れば10分足らずで到着する。


穴内からの道はほぼ水平に杖立峠を目指している。途中には送電線巡視路の分岐などがあるが気にせず真っ直ぐ行く。

帰路は往路を引き返すのが一般的だが、車の回送が出来るなら、あるいは先の林道分岐から歩いてきたのであれば、西庵谷の渓谷沿いに下山するのも良い。ただし、これから紹介する下山コースは初心者の方には迷いやすいと思われるカ所もあるので、注意して欲しい。
さて、山頂をあとにして(三角点への案内などは久寿軒ルートを参照)、穴内からの道に合流した後は、さらに先を目指して杖立峠に向かう。途中では南遥かに高知市や太平洋が眺められる。
辿り着いた杖立峠には地蔵が静かに座しており、脇には送電鉄塔が聳えている。


あいにくの天候だが沸き立つガスの彼方には高知市が認められる。

帰途にはこの送電鉄塔の北側を庵谷に下るルートを使用する。
鉄塔から急坂を5分ほど下ると、この山の見どころのひとつでもあるマルバノキの群落の中に突入する。
全国的にも珍しいマルバノキの群落はこの一帯の県有林の中にある。紅葉と花の見頃は10月下旬頃。

マルバノキの群落を抜けると間もなく清らかな渓谷沿いの下りとなる。


落ち葉の漂う渓谷は四季ごとに美しい。

沢沿いに少し行くと流れの対岸に巨大な岩が出現する。
ここで渓谷を横切り巨岩の脇を抜けると、道は流れの左岸を下るようになる。
美しい渓谷を右手に、左手山腹には時々桜の巨木やホウノキの大木を見ながら下ってゆき、左手に見つかる脇道を行くと、先に紹介した林道に出ることができる。
しかし、送電鉄塔巡視路や前述の分岐から歩いた場合には、この林道を延々と歩ききらないと帰り着くことは出来ないので、
充分に余裕を持った計画を立てて欲しい。


大きな岩場に張り付く植物たちを眺めながら下山する。

備考
下山で紹介した西庵谷の渓谷沿いを、林道大杉大田口線から登るコースもある。
その場合は、ここで紹介した看板の立つ幹線道路との分岐をやり過ごし、林道大杉大田口線を更に東へと行き、最初の橋を渡るとすぐに右手にある建物の脇を折り返すように登山道にとりつく。

しかし、最近は使われる人も少ないようで、カヤやぶもあり道は荒れて快適な登山とは言い難いが、渓谷と交わってからの登りには趣がある。

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