「マレー半島を自転車で走りたい。旅の技術情報教えてください・・・」との問合せがありましたので、急遽このページを作成しました。
したがって見づらいとおもいますが、ご勘弁を。
時間があれば見やすいように体裁を整えます・・・。


私が自転車で旅行したときの情報を掲載しておきます。
自転車旅行の参考にしてください。

宿泊場所:荷物を減らすため、また体をゆっくり休めるため、宿や食事は現地で探すことにしていました。そのため野宿用品(テントやシェラフ、調理器具など)は持っていきませんでした。
小さな街では宿があるかどうかは運次第ですが、中くらいの街であれば何らかの宿があるようです。

持ち物
自転車旅行での荷物のうち、持っていくと便利だったものを下記に書いておきます。参考にしてください。
一部の物については写真が見れるようにリンクを張っておきました。

●サイクルヘルメット
熱帯地方の直射日光下で一日中走っていても日射病など”頭へのダメージ”がまったくありませんでした。
軽くて通気性もいいので快適です。帽子だとこんなことはないと思います。
絶対オススメです。 \7,000くらいで購入できるはずです。
【参考】私が使用したもの
OGK製:W-2R
http://www.cb-asahi.co.jp/parts/301_all.html

●予備のネジ類
ネジは結構ゆるむものです。特に荷台など力のかかる部分のネジはよく緩みました。たとえスプリングワッシャを使って緩まないような対策を施しても緩んでいました。ネジの脱落・紛失は走行にかなり影響しますので予備ネジを持っていってください。
ネジ1本なくなったために走行不能というのはとても”悲しい”ことです。

●地図
地図は必ず持っていってください。思っていたよりかなり頻繁に見ました。
現地では使い勝手の良い地図がみつかりません。(大きな書店に行っても日本のように品揃えが豊富 ということはありませんでした。日本で準備した方が無難です。
地図の選び方としては「区間ごとの距離(Km)が表記してあるもの」、「地形の高低が等高線または色などでわかるもの」を選んでください。

【参考】私が使用したもの
@タイ「lonely planet travel atlas Thailand」(ISBN: 0864422695)
Aマレーシア:「Periplus Travel Maps Malaysia Regional Maps "West Malaysia"」
Bシンガポール:「地球の歩き方 シンガポール編」

※@は英語の有名なガイドブック"lonley Planet"シリーズの1つです。地図帳形式で薄くて丈夫なのでとても重宝しました。(B4サイズ44ページ)。
ただしこれは2000年くらいにに絶版となり、今はは次のものになったようです。
「Lonely Planet Thailand, Vietnam, Laos & Cambodia Road Atlas (Travel Atlases)」(ISBN: 1864501022)
タイだけでなく周辺国の地図も追加されたようです。その分ページ数も増えたようです。(112ページ。)
実物を見たこと無いので使い勝手がよいか(区間距離や地形高低が書かれているか)わかりません・・・。

Aは1枚ものの地図です。
1枚ものの地図は使っているうちに折り目が破れてくるので、部分ごとにコピーして持っていくことをオススメします。
もし、日本でこれらを入手するにはネット通販が確実だとおもいます。紀伊国屋書店(新宿本店)や丸善(日本橋本店)ではこれらの在庫はみたことがありません。
私が時どき使用している米国の有名な書籍通販サイト BARNS&NOBLE http://www.bn.com にはこれらは検索できました。
@は "lonely planet travel atlas"、Aは "periplus travel maps" で検索。 Aは"West Malaysia"のほかに姉妹品として "East Malasia" や単に "Malaysia" などがありますので注意してください。

lonely-planet-map_thai lonely planet travel atlas Thailand map_w-malaysia Malasyaの地図。

●サイクルコンピュータ(いわゆる”距離・スピードメーター”)
旅の記録のための必需品です。自分の走行ペースをつかんだり、走行距離を知るのに便利です。というよりこれがないと精神的にかなりつらいかも・・・。
最低でも「積算距離」「走行距離」「走行速度」機能があるものを選んでください。
【参考】私が使用したもの
キャットアイ製:モデル:CC-CL200 (コードレス2) ノーマルタイプ
http://www.cb-asahi.co.jp/parts/307_all.html

●キャリア(荷台)
荷物を背負って走ると体に負担がかかるので、荷台に載せましょう。私のMTBは通常時は荷台をつけていないので、自転車旅行時には装備しました。自分の自転車に合うものを。
【参考】私が使っていたもの
ミノウラ製:リアキャリア MT-5000R
http://www.cb-asahi.co.jp/parts/309_all.html
※荷台が2つに分割できるので、行き帰りのとき邪魔にならずに便利でした。

●サイドバッグ
キャリア(荷台)につけるためのバッグです。
【参考】私が使っていたもの
オーストリッチ製:S-7 (レインカバー付)
http://www.cb-asahi.co.jp/parts/311_all.html

●輪行袋(サイクルバッグ)
自転車を運ぶためのバッグです。ショルダーベルトなどがついているので持ち運びに便利です。
前後のタイヤをはずすして入れます。日本国内ではこの袋に自転車を入れないと列車にのれません。
素材自体はかなり丈夫なので少々のことでは破れたりしません。ただあくまでもソフトバッグなので、強い衝撃によって自転車が壊れるかもしれません。飛行機に預けるときには”未完全包装品”扱いとなり、「壊れても賠償を求めません」というい紙に署名を求められます。
付属の”エンド金具”を必ず装着してください。タイヤをはずした自転車は、横からの圧力に対しかなり弱いのでこれをつけることでフレームの変形を防止する役目があります。
リア・ディレーラ(後ろギヤの小さな歯車の部分)は弱い部分なので、ダンボールを適当な大きさに切って、カバーをするようにしてください。
ペダルもはずしておいた方がよいかもしれません。(ペダルの片方は”逆ネジ”なので注意)
【参考】私が使用したもの
オーストリッチ製:MTB輪行袋 (定価 \14,500-)
http://www.cb-asahi.co.jp/html/turing.html

cycle-bugMTBを輪行袋に入れたところ。

●チューブ
自分のタイヤにあったチューブを1〜2本持っていきましょう。
パンク時はチューブごと取替え、宿についてからパンク修理しましょう。パンク修理の練習しておきましょう。
また、最近ではパンク修理具として昔ながらのゴムをゴムのりで接着するのではなく、単に貼り付けるだけの”パッチ”があるのでこれを使用すると便利かもしれません。
【参考】
http://www.cb-asahi.co.jp/parts/223_all.htmll
パナレーサー製:パンク修理キット、イージーパッチキット

●バックミラー
右側のパックミラーがあれば便利です。
路肩にはときどきタイヤが破裂した残骸や、ぺっちゃんこになった動物の屍があったりします。また橋では路肩が狭くなっています。このときには車道に入らないといけないのですが、後ろを振り向いて確認するのはけっこうつらいものがあります。重たい荷物を積んでいるので、バランスもとりにくいし・・・。
こんな時ミラーがあれば便利です。
私は近くのディスカウントショップでみつけた安いバックミラー(¥300くらい)を持っていきました。

●カメラ&三脚
旅の記録の必需品です。
35mmフィルムは現地でも入手可能です。ただし日本の量販店のほうが安いかもしれません。予備電池もお忘れなく。
APSフィルムはあるかどうかわかりません。
カメラを持っていくのであれば三脚は絶対に忘れずに・・・。
コンパクトカメラであれば、脚がクネクネ曲がるミニ三脚がオススメ。
【参考】私が使用したもの。
ケンコー製:ミニ三脚「オクトパス」(写真は下記参照。)
http://www.naxnet.or.jp/~dejicame/store/cargo.cgi?Category=tripod
※大きなカメラ屋さんで購入できます。

●コンタクトレンズしているのなら・・・。
もしコンタクトレンズしているのであればサングラスなどを持っていくことをオススメします。(またはメガネの着用を。)
交通量が多いので砂ぼこりが入って、気分良く走行できません。
ただし色の濃いサングラスでは日焼け(ムラ焼け)のため目の周りがパンダのようになるので注意。

●食事、飲み物、トイレ
これらはまったく問題ありません。沿道にはかなりの数(1〜2Kmごと)の大型ガソリンスタンド(24H営業)があります。ほとんどのガソリンスタンドには食堂、コンビニ、トイレがあります。(高速道路のパーキングエリアのような感じです。)

●飲料水
生水を飲むのは避けてください。基本的には現地の人も飲みません。
水はガソリンスタンドなどで確実に購入できます。
タイでは、乳白色の容器に入った1リットル入りの水が安く手に入ります。
マレーシアでは、1.5リットルペットボトルが主流です。

自転車にペットボトルを載せるための「ペットボトルゲージ」があると便利です。
【参考】私が使用したもの
ミノウラ製:ペットボトルゲージ「AB1500」 1.5Lペットボトル用
http://www.cb-asahi.co.jp/parts/324_all.html より"ボトルゲージ”を選んでください。

●スポーツドリンクの粉末
スポーツドリンク(ポカリスエットなど)の粉末が数袋あると便利です。これは脱水症状(夏バテ)になったときに水で溶かしてガブ飲みしてください。
私は脱水症状気味になったら、スポーツドリンクの粉を通常より薄めて(1リットル用の粉を1.5〜2リットルの水で薄めて)飲んでいました。

●走行状況
-タイ:車優先なので注意してください。トレーラ・タンクローリ・バス等の大型車交通量がかなり多く、しかも猛スピードで走っているので多少うるさいかもしれません。ただ路肩が1車線分くらいあるので安全に走れます。
-マレーシア:路肩は狭いです。(日本と同じくらい)。私が走った東海岸は通行量が少ないのでそんなに危険は感じませんでした。
しかし、旅行中に出会ったマレーシア西海岸を走ったサイクリストの話では、「交通量が多く路肩が狭いため精神的にかなりまいった・・・」と話していました。

-タイ・マレーシア・シンガポールとも日本と同じ左側通行なので違和感ありません。

-辛かった区間:私が走ったところで辛かったところは基本的にはありません。自転車を押して登るような道はありませんでした。ただ、向かい風のときは、かなり大変です。

大きな故障:走行中の大きな故障はありませんでした。

初回、飛行機に預けるとき、タイヤにクイックレリース(タイヤ中心の軸)を差したままだったので、思いっきり曲がっていました。現地で出会ったスイス人サイクリストにバンコクのMTB屋さんにつれて行ってもらい、部品を入手できたので何とか問題は解決しましたが・・・。
mtb_shop_bkk
バンコクのMTB屋さんの場所。
この地図はバンコクの地図です。中央より少し上が”民主記念塔”。左端が”王宮”です。
私が行ったMTB屋さんは、中央より少し右下にある" CHAROEN KRUNG "通り沿いで、"WORACHAK"通り近くでした。何件か自転車屋さんがあり、MTBを扱っているお店があります。
なお、土曜の午後や日曜は休む店が多いようです。

パンクは1回だけでしたが、自転車にパンクは付きものなので故障とはいえません・・・。
飛行機に載せる時はタイヤの空気を抜いておきましょう・・・。気圧の変化で破裂する恐れがあります。

-舗装:舗装はかなりしっかりしています。

-キロポスト:タイ・マレーシアともに1Kmごとに”キロポスト”が設置してあり、次の大きな街までの距離が書かれています。走行の目安にしてください。(タイではタイ語でかかれていますが、地図と照らしあわしてみるとどの町までの距離かがわかるはずです。)
k-post_thaiタイのキロポスト k-post_malayマレーシアのキロポスト

-みんなの声援:タイ・マレーシアでは自転車で走っている私をみつけたほとんどの人が"Hello"と声をかけてきます。車の人はクラクションを鳴らしてきます。
わざわざ家の外まで出てきて、100mくらい通りリ過ぎた私に対し大声で"Hello"と声かけたりもしてきます。
日本にはこのような文化はないので驚きでした。手を振るなどの反応するととても喜ばれます。

-夜間走行:現地に行けばわかると思いますが、外灯がないので日没後は真っ暗です。懐中電灯だけで走行するのは危険です。大型車もガンガン走ってますし。

-スコール:ときどきスコールがやってきます。(15:00以降が多い)。日本でいう”バケツをひっくり返したような集中豪雨”なので走行は無理です。自動車でもまともに走れません。ガソリンスタンドなどで雨宿りしましょう。タイでは数Kmごとに屋根付きの立派なバス停があるのでそこでも雨宿りできます。
スコール雲は急に現れます。日本のように西から雲が流れてくるのではないので雲行きは読めません・・・。
bus-stop_thaiタイのバス停。休憩や雨宿りには最適。

●自転車用品
MTBなどの特殊な部品は現地では入手不可と考えてください。大きな街にはMTBを扱っているお店があると思いますが、探すのは難しいと思います。基本的な工具、部品はもっていきましょう。ただし、工具・部品類は重たいものなので厳選しましょう。
道路状況がよいので、事故などしない限り自転車が壊れることはないでしょう・・・。あったとしてもネジが緩んで脱落するくらいでしょう。
一番リスクがあるのは、飛行機に載せる時です。いつもヒヤヒヤしています。

●列車・バスに自転車を載せる場合
私のように仕事の関係で日程が決まっている人、また、途中で何らかの障害が発生した場合、途中で引き返す必要があると思います。列車やバスに自転車を載せる情報を書いておきます。

タイの列車:タイの長距離列車には必ず貨物車が1両連結されています。ここに自転車を載せることが出来ます。もちろん別料金が必要です。重さと距離で運賃が決まります。スンガイコロク−バンコク間で150バーツくらいだったと思います。
この貨物車には大きな荷物やバイクなどがかなりの数積み込まれてきます。途中駅から乗る場合、貨物車がいっぱいで載せられないことがあります。(私はホア・ヒンで経験した。列車8本(8時間くらい)待って、深夜やっと載せることができました。
mtb-train_thai自転車を列車に載せる時は計量しましょう・・・。

タイのバス:
エアコン長距離バスでは、タイヤをはずせば床下の荷物室に入れることが出来ます。別料金とられるかどうかは運転手次第です。(手荷物として扱うか、別荷物として扱うか・・・。)
ノンエアコン中距離バス:屋根に荷台がついてあればそこに載せることができます。これも別料金とられるかどうかは運転手次第です。

マレーシア:自転車持込不可です。輪行バッグに入れればOKかも・・・(不明)。長距離バスの床下ならOKかも・・・(不)。

●飛行機
エコノミークラスの場合、20Kgまでは無料です。これを超えると基本的には超過料金をとられます。
受付係の裁量次第ですが、2〜3Kgくらいの超過であればどうにかなるかもしれません。5Kg以上くらいならおそらく超過料金を請求されるでしょう・・・。その場合3〜4万円くらいだったと思います。(格安航空券(人間)より高くなるかも・・・)
私の場合、機内持込荷物がウェストポーチ1つだったので、6Kg超過(3〜4万円)のところを2Kg超過にしてもらいまいした。それでも\9,000の超過料金とられました。)
ビジネスクラスだと30Kgまで無料だったので、場合によってはそっちの方が安くなるかも・・・。要調査です。

●バンコクからの脱出ルート map_bkk
上部が”民主記念塔”や”王宮”、”カオサン・ロード”がある地区。
そこから南南西に走り、チャオプラヤ川に架かるプラ・ブッダ・ヨートファー橋を渡り、さらに南南西にまっすぐ伸びる大通りを南下する。
しばらく走ると自然に約90度曲がり、南東に向かう。(地図でいうと右下方面に向かう)
すぐに鋭角に曲がる交差点があるのでそこを曲がり南西方面に向かう通りに入る(TOONBURI-PAKTHO.Rd:別名 RAMAU.Rd)。(地図でいうと左下の角に延びる道路。)この道が南部へ続く道路です。

”バンコクからの脱出方法(南部への道)”。 カオサン・ロード近くにある”民主記念塔”からます。  参考までにこの地図は、バンコクで容易に入手可能な「バンコクのバス路線図」からの引用です。
bus-map_bkk



●最後に・・・
旅先ではいろいろな人たちに出会います。
差し入れでお菓子やフルーツをくれたり、ピクニックに来ていた人がお弁当を分けてくれたり・・・。
同じような旅をしているサイクリストたちにも出会いました。
沿道の多くの人たちも声をかけてくれるし・・・。

体力は必要ですが、いろいろなものを得る旅ができるでしょう・・・。

では、気をつけて。 いってらっしゃ〜い!!!


Copyright (C) 2002 YASU All rights reserved.
e-mail to YASU