< MY JOB  ジャケットのドレーピング その@
 
 
 

一枚の布から始めるジャケットのドレーピングをご紹介します。
シルエットは、ウエストをやや絞り、二面で構成しています。
前身頃に二本の縦ダーツとアゴダーツを入れ、少ない縫い目でシェイプしました。
袖は、切り替えのない一枚袖。基本型として応用・変化の付けられる型です。
ドレーピングをする時は必ず、縦・横の地の目をきっちり通したシーチングを使用してください。
きれいにドレーピングが出来ても、パターンにした時、地の目のバランスが崩れ、仕上がりが変わってしまいます。

 
 
【1】



前中心に地の目線を入れます。
中心のN.P.  B.L.  H.L.. 三点を止めます
次にバストにゆとりを入れB.P.を止めます。
衿ぐりのゆとりとダーツ分を決めます。
S.P.をピンで抑えれば、全体のダーツの
分量が振り分けられます。

【2】



バスト下のダーツ位置と分量を決めます。
この時シルエットが決まるので、どんな形を
作りたいか明確なイメージが必要です。
脇ダーツの位置と側面の雰囲気を考慮し、
身幅の運動量も同時に取ります。

【3】



【2】を斜めから見た写真です。
肩・A.H.・後ろの不要なシーチングを
取り除き、形を整え始めます。
切り過ぎに十分注意が必要です!

【4】



【3】を横から見た写真です。
前から後肩くらいまで一枚の布で
つなげてドレーピングしています。
A.H.を形作り、後ろ側面のシルエットを
決めます。
今回 脇の切替はありません。
脇線を入れる場合、この段階で作ります。

【5】



前ダーツ分量を内側に折込み、
シルエットの確認をします。

【6】



前身頃を後ろから見た写真です。
脇(ウエスト)の浮き具合の確認をします。

【7】



後中心は体の形に添ったラインで決め、
左後中心を10cm幅くらいで縫い合わせ
前と同様に中心を止めます。
肩甲骨幅7cm位を基に上下に振り分け
上は衿ぐり・肩線・A.H.を決めます。
下は、前から続いている生地に乗せる
ように脇のシルエットを作ります。

【8】



【7】を横から見た写真
これは後ろウエストを縛り過ぎました。
【6】の写真をもう一度見てください。
ウエストのすき間が少ない気がします。
ピンを打ち変えるだけでは直りません。
【4】まで戻り、配分を見直す必要があります。

【9】



袖は、平面製図で一枚袖を作りました。
袖山にいせミシンを入れアイロンで整え
山から前後のバランスと振りをチェック
して付けていきます。
袖下は最後に袖を持ち上げて付けます。

【10】



袖付け後の側面写真です。
一枚袖なのでやや前振りに付けました。
袖付けは、後ろ肩先5cmをどう付けるかで
袖の振りが大体決まります。
袖が膨らむようにやさしく付けましょう。

 

【11】



背面完成写真です。
これに衿・ポケットなどデザインを加えます。
また、シーズンシルエットのベースに利用
するのに役立ちます。

 
 

完成したら印を付けます。印し付けに大切なことは、合印です。
特にB.L.・W.L.・H.L.の線上にあるポイントと線の始めと終わり、そして、袖付けの合印は重要です。
私はドレーピングの印し付けは細かく丁寧に心掛けています。
平らにした時、パターンの型になっているので後の作業が楽で速いです。

 
[ 2004年8月 潟Aミコファッションズ大野式立体裁断講習会レベルXの講習内容を参考に作成しました。 ]