< MY JOB  ジャケットのドレーピング そのA
 
                四面のジャケットのドレーピングをご紹介します。

               今回はMrs90のボディを使用しました。 

               前パネルラインを脇寄りに作っているのでバストダーツが入っています。

 
【1】

 

 

 基本は前回と同じです。

 前中心を留め、浮き分を分散させます。

 Mrs90のボディを使用していますので、

 胸が高くなる分ダーツ量が多くなります。

 衿ぐりのゆとりとダーツ分を決めます。

 S.P.を押さえ、ウエストポイントを決めた後、

 余った分量でバストダーツを作ります。

【2】

 

余分なシーチングを切り、型を整えます。

特にウエストの生地は取りましょう。

ただし切り過ぎに注意してください。

縫い代分残さないと脇パーツが付きません。

やり直しになってしまいます。

 

 

【3】

 

 前脇身頃を作ります。

 地の目をボディに真っ直ぐに当て、

 バスト ウエスト ミルドヒップ辺りでゆとりを

 入れながらピンで留めます。

 ウエストの絞りを見て余分な生地を切り、

 前身頃となじませながら、

 前パネル線に接ぎます。

【4】

 

後身頃は、背中心に添わせ生地をボディに

乗せます。肩甲骨辺りを横になじませ、

上と下に振り分けます。上は肩ダーツに

下はパネル線に入ります。切替線も

ダーツの一種と考えられます。

余分な生地を形作りながら切ります。

 

【5】

後脇身頃を前と同じ要領で作ります。

すでに前身頃が出来 ている為、

後脇身頃はゆるみ分・絞り位置などの

全体のバランスを見ながら作らなければ

いけないので、一番難しいです。

 

【6】

全体の形が決まったら縫い代を内側に返し、

再度全体のバランスの確認をします。

袖ぐりのゆとりもチェックします。

肩線がとがって浮いていたり、

前後のゆとりの分量が違っていると

袖がうまく付きません

【7】

 

後もきれいに整えるとすっきり見えます。

ドレーピングはちょっとしたピンの

打ち方で出来栄えが違います。

上の写真はウエストに

引っ張られたシワが出ていますが、

ピンを打ち変えて消えました。

2mm位出したと思います。

【8】

 

袖は製図した二枚袖を用意しました。

普通袖は形状を大きく変えないので

製図したものが付け易いです。

ただ、袖山は実物の素材によりイセの入る

分量が違います。そのことを考慮し

身頃とのつながりを見ながら付けます。

 

【9】

くせの無いシンプルな袖を付けました。

ミセス体型のボディを使用しているので

袖のかぶりを多くしています。

気持ちふっくら付けましたが、

いかがでしょうか?

 

 

 

          このページを作りながら工程を説明するのに写真が不足しているのに気づきました。

          脇身頃の作り方が理解しにくいと思います。ごめんなさい。

          普段の仕事ではこのように一枚の布から作ることはそうありません。

          平面で作ったパターンをボディで組み立てながらシルエット・デザインを確認しています。

          でも、全体のバランスを変えたい時、ドレーピングの力が必要です。 

          私は、ドレーピングをするようになって25年が過ぎました。それでもまだ続けたいと思っています。

          同じデザインでも一回目より二回目のほうが断然きれいに出来ています。百回作ったら凄いことになりそう!?

          ドレーピングは楽しいです!

 

[ 2006年8月 潟Aミコファッションズ大野式立体裁断講習会レベルXの講習内容を参考に作成しました。 ]