<エルサイズ編>

 

No.L-1

エルサイズボディーのご紹介

このボディーは15BRに肉付けし、普段の
依頼作成に使用しているものです。
   バスト・・・102cm
   ウエスト・・84cm
    ヒップ・・・104cm  

基本の15BRボディーのサイズは
   バスト・・・96cm
   ウエスト・・78cm
   ヒップ ・・・103cm

バストの高さとお腹・腰回りに多く肉付け
しています。写真撮りして気が付いたの
ですが、バストポイントの高さが左右で
若干違っていました。右半身が若々しく
きれいに出来ています。
自作なのでお許しを!          

<15-1>

プリンセスライン切替・2枚袖パターンです。袖下はやや高めでイセ分量も少ないです。大きいサイズでも若く見せたいもの。どこで変化をつけるかがポイントです。バストポイントを上げ肩幅を気持ち狭くし、袖下を高めに設定することで処理してます。動き辛くなってしまうと困るので,見極めが難しいサイズです。

 





左は普段使っている腕の写真です。
レギュラーサイズと形が違うのはご愛嬌??
上腕部の肉付きがたまらなく好きです。
これも市販のものに肉付けしました。

<15-1腕入り>

パッと見はそう問題なさそうです。
前袖付けのちょっとした引き込みと後袖付けでたぶり少々。袖下をほどいて馴染ませれば前後ともすっきりしそうです。でも、もしかすると、前袖幅が狭く、後袖のカーブが強く引き込まれているのかも知れません。以外に大きい修正になりそうです。ここで気になることは、腕が入ると肩がきつくなること。肩傾斜を2,3mm緩めたほうがいいようです。
 

<15-2>

パネル切替・二枚袖です。
<15-1>と比べ袖下は低め、イセは多く入っています。かっちりしたジャケット用に作りました。写真を見て気になるところは、前丈というかバストの高さの不足。前袖ぐりの膨らみが気になります。ダーツ処理を少ししたほうがいいみたいです。ついでにバストポイントを上げたいとか、前ウエストをもう少し絞りたいとも思います。カッコよく見せる為に数ミリ単位であちこち出して削って・・・。線を磨くという感じでしょうか。
 

<15-2腕入り>

やはりバストの高さ不足が中央の写真から分かります。バストに向かってのシワがかなり目立ちます。上記の修正と肩の厚みを出す必要があります。
 

 
 

ほとんどの場合ジャケットには裄綿を入れます。その厚み・膨らみ分を渡りに入れなければピリつきやツレの原因にもなります。これは、イセが多いのですが、 たぶんこの位で大丈夫でしょう。

 

前身頃を修正すれば問題なく出来そうです。それにしても、エルサイズは袖の渡りが広いです。風船のようにふっくら丸いです。

 

袖付けと身頃のはまりがいいです。肩ダーツが効いています。このダーツ分量は多いです。ダーツ9cmの長さに対して2.4cm 位入っています。
 

 
 

 エルサイズのパターンを引ける人はそう多くないと思います。
  グレーディングをすればいい訳ですから、その必要もないと考えるのが当然のことでしょう。
  それできれいな着やすい商品が出来るかというと疑問です。そういう私もエルサイズのパターンを始めた
  のは10年前位からです。企業に勤めていた時のこと。レギュラーとエルを同じデザインで作るという
  社命でしたから仕方なくという気持ちでした。訳も分からず引いていました。
  そして、独立してからは、エルサイズのパターン依頼も増え、自分なりに考え、定義づけをし、
  自信を持てるようになったのは最近のことです。

パターン操作を一言で言ってしまえば、縦・横を出すことです。特に縦の長さを出すこと。
  これは、単純にグレーディングでは出せません。必要なところに必要な分量を。そうしないと形が崩れて
  しまいます。大きな体型は、体の厚みも増すため、バストダーツと肩ダーツの分量が多いです。
  その処理と袖の渡りを意識すれば、パターン作成もレギュラーサイズとそう変わらないと思います。

2008.5.25