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<そのV>
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ボディーによる体型の違いをブラウス原型を着装して見比べました。
そのパターンをデータ化し、3サイズのパターンを重ね書きしたものが下のパターン図です。
本来パターンは、バストラインを基準にするものですが、作成時、基準を袖下線にしました。
その関係でこのパターンも袖下から中心にかけて横軸を基準にパターンを置いています。
各サイズの変化が分かりやすいようサイズ別に色分けしました。
≪赤線・・・レギュラーサイズ 青線・・・エルサイズ 黒線・・・クイーンサイズ≫
各サイズ変更は単純に横幅をグレーディングして、ドレーピングで変えています。
袖下から上の長さやダーツ分量の違いを見比べてください。
細かい?はありますが、パッと見て、違いが分かる程度に出来たと思います。
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各サイズのパターン寸法は下記の通りです。
バスト ウエスト ヒップ
レギュラー 95cm 82cm 100cm
エル 108cm 98cm 114cm
クイーン 122cm 109cm 128cm
前身頃はほぼ平行に幅が出ています。衿ぐりは体の厚み分上に上がったと理解していただければいいと思います。
個人的な考えですが、大きいサイズだからといって、衿天巾を広くするのは好きでありません。首は体ほど太くならないので必要寸法をキープし、若く見せるようにしています。
しかし、衿下がりは、肩の厚みが多くなるので結果として多いです。
前脇身頃は、ダーツ量がどれだけ多くなるかがポイントです。
バストより上の切替線が左に倒れていればダーツ量が増えていることになります。赤線より青線・黒線が多く傾いているのでダーツ量が増えていることがわかります。
この企画で知りたかったことはこの線の傾き加減です。グレーディングではこういう線の動きはしないです。この縦・横の数値差を覚えてしまうと、いろいろ変化させるのに役立ちます。
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後身頃は前身頃と同じように平行に幅を出しています。
体の厚み分があるので衿ぐりの高さは変わります。
衿ぐりで注意したいのは、その深さです。大きなサイズは、首筋に肉が付くので深くなります。
この深さがないと後ろに抜けてしまいます。また、後天巾は前天巾より広くしました。そうしないとやはり衿ぐりがきついです。
後脇身頃の肩ダーツは3本の線が緩やかに倒れています。これはダーツ分量が多くなっている為です。クイーンサイズはもう少しダーツ量が多い(右に倒れている)ほうがパターンの形が自然でした。
3本の脇線は、前身頃はほぼ均等に間隔が空いていますが、後身頃はちょっとおかしいです。青線と黒線の間隔が狭いです。前身頃の胸幅でかなり分量が取られているのでしょうか。
クイーンサイズを作っている時、アームホールに小さなダーツを取りたいと思いました。取らずに形作りをしたので、前胸巾を広くする必要がありました。パターンのバランスを見ると、後背巾を出し、前ダーツ処理を再考したほうがいいみたいです。
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衿の操作は、単純です。前後の衿ぐり寸法を測り、展開前の基本パターンとの差寸を平行に切り開きました。
袖も同じく基本パターンとの差寸を切り開きました。
肩の厚みは袖山の高さに開き、体の厚みは、袖巾で展開しています。その分量は、目測と作りたい袖の形をイメージして展開しています。必要な袖巾はありますが、作りたい袖の形でいいと思います。
エルサイズとクイーンサイズの袖の形状はかなり違っています。クイーンの袖は写真とパターンを見て、袖山を下げ、幅を出したほうがよかったみたいです。
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<そのT> レギュラー・エル・クイーン各サイズのボディーの紹介
<そのU> それら3体の同じ条件のトワル作成
<そのV> その3体のパターンをデータ化して重ねて違いを見る
このようにストーリーを持たせたコーナーを作ってみました。
体型の違うボディーに同じ条件の服を作ることは大変でした。
同じように作っても同じにはなりません。それを考えるとグレーディングは凄いことです。
思いのままの寸法で大きくも小さくも出来てしまう訳ですから。
それで着易いかという疑問があります。これまで何度となくお話しましたが、大きなサイズは、
高さと厚みが必要です。そして、ちょっとしたところにゆとりを加えたり、切替線のバランスを
変えるなど手を加えたいポイントが数箇所あります。
作業は断然コンピュータが速いです。その作業の中に少し手間を掛けられたらいいと思います。
各サイズの違いが分かりましたので、気分すっきり!!!です。
皆様は参考になりましたでしょうか。・・・ 完 2009.5.9
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<MY JOB> INDEX へ戻ります。

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