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●以前掲載していた写真は割愛。サービスが悪くなるけど、文字だらけにしました。


二カ条−1


 二カ条は、手首を絞めて相手を崩すように見える型である。両手を掴まれて格闘の真似をするような組み手稽古をやると、意外に有効な場面がある。
 合気道を始めて半年ほど経った頃、二カ条に疑問を持った。手首を絞める二カ条が、私にはほとんど効かなかった。痛くても、崩れることはなかった。それでも魅力的な技があると感じられていたので続け、手首を絞めるだけじゃないと最初に教えられたのは、塩田剛三先生の「合気道修行」という著によってだった。第一章・理合、94〜95ページに次のような記述がある。
 −−それでも私は彼らを二ヶ条の技で崩します。これは痛いからではありません。こらえようとしてもこらえられない方向へ私が攻めているからなのです。
 痛くなくても相手が崩れる。そこに合気道の本質があります。−−
 この言葉によって私の稽古の方向性が決まった。
 二カ条について私が目標としているのは、塩田先生の指導風景を納めたDVDのワンシーンにある。
 先生がお弟子さんに二ヶ条を極め「私が座ると、彼も座る」と楽しそうに語る。そのシーンを何度も見ていると、先生は手首など絞めていないことがはっきり判る。


 この二カ条は、ターゲットを手首にせず、肩においている、と理解した。
 たまに真似してみるが、相手の肩にこちらの重さをズンとかけると、どういうわけか、受けの膝が折れてしまうことがある。すべて成功するとは言えず、巨体でパワフルな人には踏ん張られてしまうが、相手の肩後部に一気に力(もしくは重さか)を加えられれば、そうなることが多いようだ。
 気の早い方は「よし、試してみよう」と思うかも知れないが、焦らずゆっくりいきたい。
 まずは、手首を絞めずに、どうしたら肩に重さとか力を伝えられるのか、じっくり考えてからの方がいい。まず、そう簡単にはできない。というのは、この二カ条に要求される一カ条の状態を、自分の「腕で感じられないと」ムリなのだ。一カ条の項で書いた「状態の維持」が、ここでも重要になる。一カ条により相手の腕と、こちらの腕を一本の天秤棒のような状態にしないと、これは不可能。感覚ありきである。

 二カ条の仕手受けの腕の状態は、変わらない方がいいと思う。武術として考えれば、その方が「間合い」を仕手の意志で作りだせるからだ。さらに、反撃を抑止することも可能になる。
 写真を見れば、仕手の肘は下を向き、受けの肘は上に向いている。これはここで言っている一カ条である。中国拳法などで聞かれる沈肩墜肘という状態も近いだろうか。二カ条を絞めたとき、仕手の肘は墜ち、受けの肘は上がる。
 稽古の時、そう助言すると、受けの手の平が上を向くように回して肘を上げさせようとする人が多いが、そうではない。手の平を上に開かせると、手首も肘も緩む。回して上げさせるのではなく、前腕の骨によるテコ的な作用で相手の肘が上がる。この状態が感じられると、仕手受けがピンと張った一本のバネというか、ドームテントをピンと張らせている骨のようになることに気がつく。これに気がつくと、肩に力や重みを到達させられるようだ。
 今のところ力の作用は、相手の手首近く、あるいは前腕半ば辺りが支点、肩が作用点となるようなテコが初動では必要になると感じている。
 現時点ではっきり感じているのは、二カ条の基本は一カ条だと言う点。二カ条の崩しは、手首の絞めによる痛みによるのではなく、一カ条の状態を通じて、肩から膝に力を作用させるのではないかと感じる。

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