Live Review (NY公演)

9/27にカルチャークラブはUS公演初日のNY公演を行いました。ラッキーにも見る機会に恵まれましたので、こちらのレビューを載せておきます。ビデオもテープも用意してないので、多少の記憶違いはあると思いますが、雰囲気を楽しんでいただけると幸いです。
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本編
曲目
番外編


本編

カルチャークラブが登場したのは、Ruby Horseというバンドと、ズィー・アシャのソロステージの後、夜9:15ごろであった。舞台の袖でボーイ・ジョージが"Shooting the rainbows from the sky..."などとSee Thruや他にもStrange Voo Dooのさわりを歌ってみせる。それだけで会場は興奮のるつぼとなった。ジョージが"New York!"と叫んで登場する。晴れてコンサートの幕が開かれた。この日のジョージの衣装は黒のジャケットに黒のパンツ。黒のジャケットには前に4つ、後ろに2つも顔(ジョージの顔?)がプリントされている怪しさ爆発の代物だった。帽子は白地に赤の水玉入りの派手なものを目深にかぶっていた。このため顔が見づらかったが、時折下から照らしだされた顔は結構ナチュラルメイクだった。右手の薬指には指輪が光っていた。(A Kiss Across The Oceanを思いだしてしまった。)靴は見えなかったので判別不能。ただ彼の場合は、舞台ではスニーカーがお約束らしい。マイキーはテンガロンハットをかぶっていたのが印象的だった。ロイやジョンの衣装は記憶がない…ごめん。ただTシャツとパンツという組み合わせだったと思う。
ステージの上に台が作られ、そこにドラムセットが2つ並べられた。バックボーカルは台の手前、向かって右に陣取り、マイキーもその近くに立っていた。ロイは左にいた。他のギター(ジョン・テーミス)や、キーボード(チャズ・コッシ)の人も台の手前にいた。壁はれんががむきだしで、はしごが立てかけられたままになっていた。

1曲目はSee Thru。US用にとアレンジにも工夫が加えられた気合の入ったものとみられる。(と言いつつ私にはDon't Mind If I Doに入っているものとの違いがよくわからなかった。ごめん。)2曲目はStrange Voo Doo。実は、コンサート序盤は演奏がいまいちで、ジョージの声も伸びが今ひとつだった。横浜公演で聞いたStrange Voo Dooの気持ちよさがなくて残念だった。この曲の後のMC中にも客席から「クラシックス!」の声がかかる。皆昔のナンバーが聞きたいらしい。それでもめげずジョージは「お気に入りの」と言ってCold Shoulderを歌った。私もこの歌はクールでいけてると思う。

新しいところから3曲続いたところで歌ったのがEverything I Own。ちょっと意外だった。ジョージのソロでイギリスでは1位を取っている曲だが、USでの受けはどうなのだろうと思った。が、すごーく反応がよかった。ジョージがマイクを向けると"I would give everything I own!"みんなが合唱。私もうろ覚えながら一緒に歌う。以前、ソロでこの歌をひとりで歌ってるジョージを見たことがある。バンドもなしでスタジオでたった1人で歌っていた。私はカルチャークラブのボーイ・ジョージばかり見ていたので、この時は彼がとても寂しく見えたのだった。みんなで囲まれて歌ってる彼の方がジョージらしくてずっと良いなーと思ったのだった。

このあたりから私の記憶の中で曲の順番がだんだん怪しくなってくる。が、それに反してバンドの具合いが上向きになってくる。Sign Languageの後、ついにクラシック1発目としてBlack Moneyが入る。ズィーとジョージの掛け合い。日本公演のときはズィーがこの曲を締めていたが今回は、ジョージが締めくくった。カルチャークラブの曲はジョージに締めて欲しいなぁと思っていたので、この終わり方に私は勝手に合格を出していたのだった。
そして、今回はTimeも歌ってくれた。私はカルチャークラブのライブはこれで通算4回目だが、おそらくライブでは初めて聞いたと思う。この曲も驚くほど人気が高く、会場は大合唱となった。

さて気が付くと舞台はジョージ、ズィー、ロイの3人だけになっていた。ロイはキーボードの前に座っている。この取り合わせはもしかして…と思っていると、ジョージの口からも"Mum"とか"Child"とかの単語が聞こえてくる。そして一言、"That's The Way!" やっぱりそうこなくては!ロイの情感豊かなピアノ伴奏に合わせてジョージが歌う。私にとってもお気に入りの1曲。そして、この曲でもついてもジョージとズィーの掛け合いが入る。実は、カルチャークラブの前座でズィーが3曲ほど披露したときのMCで彼女は「緊張してるの」と言って、最前列のお客さんに手を握らせてたりしてたのだ。ジョージはそれを知ってか知らずか、ズィーをサポートして盛り上げていた。(少なくとも私にはそう見えた。思わず、「ジョージってば優しい!」とめちゃくちゃひいき目な感想を持ってしまった。)そしてこの曲はズィーのソロで締めとなった。

このあとは昔のナンバーが中心に展開される。カルチャークラブがブレイクしたきっかけとなったDo You Really Want To Hurt Me?でもやっぱりみんなで大合唱。当初はタイトルをIt's Americaと付けようとしたというIt's A Mirecleも、USツアーだからというわけではないだろうが、しっかり歌っていた。私も歌えるところはいっしょに歌って、さらに踊ってしまうので、暑いの暑くないの…

コンサートの中盤にメンバー紹介。ジョージが1人ずつ紹介していく。カルチャークラブのメンバー中ロイを先に紹介すると、パーカッションのリッチー・スティーブンスやギタリスト(ジョン・テーミス)や、キーボードのチャズ・コッシを紹介。次に"Diva one, Mary Pearce!. Diva two, Kevan Frost! Diva three, Zee Asha!"とバックボーカルを紹介。(Divaは歌姫という意味なのだが、ジョージの場合は何と呼べばよいのだろう。歌男か、歌王子と呼ぶべきか…うーん。でも、ケヴァンって男だよな。)そしてマイキーがコールされると会場は大きな拍手。そして最後にジョージがジョンを紹介した時も大きな拍手が起こった。以前ジョンにはブーイングが飛んだという話もあったので心配したのだが、特にそんなこともなくほっとした。

それから私のお気に入りの1曲Church Of The Poison Mindも歌ってくれた。ただ、この曲はアレンジを変えていた。もともとイントロ部分のハーモニカが印象的な曲なのだが、なんとこの部分をカットした形にしたのだ。あの部分が大好きな私としてはちょっとえ゛ーーーーーっっ!の展開となった。ハーモニカをカットした代わりにアコースティックギターが入っていたかと思う。
新しい曲からはStarmanとConfidence Trickの2曲がさらに追加された。Starman…しまった!また歌詞を覚えてくるのを忘れてしまった。日本公演で歌えなくて後悔したのに、私は何と学習能力をがないのだろう。悔しいのでうろ覚えの歌詞でを歌ってやった。この曲については、日本での方が反応がよかった気がする。と言いつつ歌うことに必死だったので、私の記憶はそうあてにならないのだが。Confidence Trickは私にとって、それほどお気に入りの曲というわけではなかったのだが、実はこれがすごくよかった。コンサートの序盤では演奏の音がいまいちだったり、ジョージの声の伸びもあまり良くなかったが、この辺りでは調子が上がってきていて、良い声を聞かせてくれた。ボーイ・ジョージってこんなに迫力のある歌い方ができる歌手だったのねと感心させられる。ファンとしては、こんな歌い方をされるとハートをわしづかみにされた気分になる。思わず、「素敵!」とを連発していた。
この勢いでVictimsに入る。本当は立って聞きたかったのだが、ふと後ろを見ると皆座っていたので、立つのは断念。先のConfidence Trickで骨抜きにされているので、もうこの曲でもステキ以外の言葉が出てこない。今回も3月の日本公演同様歌詞の一部が変えられて歌われていた。"The victims we know them so well"が"The victims I know much to win"になっていた。USのファンにも彼らの成長を知らせたいということだろうか。そして1つ驚いたことだがこの曲でドラムをたたいていたのが、ジョンではなかったのだ。メンバー紹介にも書いたとおり、他にもうひとりドラマーはいたのだ。この人がVictimsのドラムを担当していた。見てると、この人が2枚のシンバルを両手で「ドドドドド…」と叩くことをしていたのでアレンジの都合だと思うが…いやアレンジの都合だということにしておこう。
ここで本編は終了となり、メンバーは舞台を去った。

この後のアンコールではMiss Me BlindとKarma Chameleonの2曲が披露された。ジョージがMiss Me Blindを告げた瞬間、私は「しまったー!肝心のもの忘れてたーーー!」と、思わず一人反省してしまった。この曲の聞きどころはロイのギターソロ。(ジョージもStorytellersのライブの中でそう言っている。)この日もロイのギターは冴えまくりで、超クールな演奏を聴かせてくれた。ここでも「キャー素敵ぃぃぃ!」と叫んだのは言うまでもない。
そしてジョージが曲のさわりを「アマ、アマ、アマ、アマ」と歌ってみせると、会場は一層の盛り上がりをみせ、その勢いのままKarma Chameleonへとなだれ込んだ。会場は総立ち、サビはみんなで大合唱。さすがに全英&全米ナンバーワンは伊達ではない。17年も前の曲なのに、その輝きは全く衰えを知らないのであった。私もこの曲はほぼ完ぺきにマスターしているので、ネイティブに混ざって歌いまくりの踊りまくり。お客さんがこれだけ喜んでくれるのだからカルチャークラブとしても絶対外せないだろう。(外した日にゃー、ブーイングの嵐だろう。)
歌いながら見ていると、何とステージに上る女性が。ええーーーっっ!と思って見ていると、ジョージはなんと彼女たちにキスしているではないか!3,4人はいただろうか。思わず「いーな!」と叫んでしまった。さすがに警備の人が来てステージから降ろしていたが。A Kiss Across The Oceanのビデオのようにはいかないようだ。それでも、そんな彼女たちにボーイ・ジョージをはじめ、誰も驚く様子もなく、ある意味すごくスマートに対応していて、全くパニックにはならなかった。さすがに百戦錬磨のプロといったところか。そしてこの日最高の盛り上がりを見せたところで、コンサートは幕切れとなった。"Thank you!"の言葉を残して。

See ThruからKarma Chameleonまで16曲。あっという間の1時間半であった。気がつくと3月の日本公演で歌っていたI"ll Tumble 4 Ya, Move Away, Black Comedy, I Just Wanna Be Loved, The Crying Game, Mirrorなどが外されていた。外された曲も聴いてみたいものばかり。誰かのライブレビューに1時間半というのがボーイ・ジョージのメイクの限界なのではと書いてあった。確かに彼は汗かきなのか、今回も白いタオルで汗をふきながらの熱演であった。もっと彼にたくさん歌ってもらうためにも、化粧品メーカーに汗でも落ちない化粧品を作ってもらうしかないかもしれない。


曲目(順不同)

  1. See Thru
  2. Strange Voo Doo
  3. Cold Shoulder
  4. Everything I Own
  5. Sign Language
  6. Black Money
  7. Time
  8. That's The Way
  9. Do You Really Want To Hurt Me?
  10. Church Of The Poison Mind
  11. It's A Miracle
  12. Starman
  13. Confidence Trick
  14. Victims
    (Encore)
  15. Miss Me Blind
  16. Karma Chameleon

番外編

コンサート会場編
Beacon Thetreは古い劇場だった。2,800人ほどのキャパなので、NHKホールよりやや小ぶりというところ。入り口の電光掲示板にCULTURE CLUB 8PMと大きく出ていて、見たときには感激した。ロビーではポップコーンや飲み物も売られていた。それからAct Against AIDSのUS版って感じの署名もやっていて、コンドームを配ってたりした。日本だとコンサート開始後はそんなに出入り自由ではないが、今回私が見たコンサートは、出入りがめちゃくちゃ自由だった。前座がRuby Horseというバンド(私はこのバンドに関しての知識なし)とズィー・アシャだったが、自分が見たくないものは見ないでロビーにたむろしてる人がいっぱいいた。おかげで前座の間、私の席の周りはガラガラでこのままカルチャークラブに突入したらどうしよう…ってマジで心配した。結局カルチャークラブが始まるころには、ほぼ満席で私の心配は杞憂に終わったのだが。それからコンサート中に風船がぷかぷかと宙を舞っていた。よく見ると形がちょっと変…そう、配ったコンドームを膨らませたものだった。世の中にはどこにでもそんな奴がいるようだ。(このコンドーム風船はKarma Chameleonを歌うジョージのところにも飛んでいき、ジョージはお茶目にもはじき返していた。)お客さんは、ジョージのコピーという人はあまりいなかった。(注:0ではない。)ただ、キャラクターグッズを身につけた人は結構いた。ドラッグクイーンのお姉さん(お兄さん?)も見かけた。日本人のお客さんとおぼしき人はあまり見なかったのだが、私の3列前にいた日本人女性が2人で熱狂的に踊ってたのが印象的だった。周りのアメリカ人も圧倒されてたようだった。写真撮影や録音は禁止されてるようだったが、チェックもなく、私の隣にいた異常にガタイのでかい兄ちゃんはカメラでバシバシ取っていた。私も思わず「ちくしょう!MD持ってきて録音したかった!」と邪(よこしま)な後悔をした。

買い物編
コンサートといえば、コンサートグッズの販売はお約束。今回もいろいろ売られていた。日本に来たときは、私の財布のヒモはかなり硬くてパンフくらいしか買わなかったが、今回はいろいろ買ってしまった。私が買ったものは以下の通り。
パンフレット (10ドル) 日本より安い。中身は前回の日本公演のものを少し改訂したもの。
Tシャツ (25ドル) Don't Mind If I Doのジャケットをプリントしたもの。他に数パターンあった。
ビデオ (25ドル) ジョージのソロのビデオ。日本公演では売られていなかった。
他にラミネートカード10ドル、キーホルダー、CD−ROMなどが売られていた。
コンサート終了後外に出たらボーイ・ジョージの若いころのポスターを2ドルで売る兄ちゃん達がいた。これはバッタ屋くさかった。