2002年7月ロンドン公演 (at Royal Albert Hall)

2002年7月7日、日本では七夕の日、ロンドンのロイヤルアルバートホールで今年2度目のカルチャー・クラブのコンサートが行われました。とってもゴージャスで、歴史ある建物の中で一体何が行われたのか…いろいろ思い出して書き出してみます。

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ナイツブリッジからハイドパークの南に沿って15分ほど歩くと、その丸くて大きなれんが造りの建物は姿をあらわしました。ちょっと雨に洗われてたけど、カルチャー・クラブのポスターもあって段々雰囲気は盛り上がってきます。外にはカメラクルーがいてインタビューを受けてる人もいました。さらにちょっと小太りなボーイ・ジョージのコピー(小太りなのがなんといってもミソ)に、タブーですっかり知名度を上げたリー・バウリー(果たして彼はコピー?それとも役者?)、ドレッドのおねーちゃんまでいて、お祭り気分はいやがうえにも盛り上がってまいります。先に到着していたgodfieldさんからの情報によると、何でもこの日はタブーは休演日だったそうで、舞台の役者さんがこちらのホールに集結してるとのこと。

私は遅くに到着したので、大急ぎでチケットを交換。もらった席がアリーナなのはわかったものの、勝手の分からないホールを駆けずり回って大変でした。アリーナについたときには前座のバンド(リバプールと同じ人)が始まってました。時間厳守は大事ですね。でも、前から6番目くらいでみんなの顔がわかってしまうという、(当てにしていなかったのですが)ネットで買ったにしてはすごくいい席でした。

前座が終わると20分の休憩の後にズィー・アシャがノリのよいナンバーを3曲ほど聞かせてくれました。最後の1曲はコンテストでイイ線まで行ってたんですが、コンテスト参加条件に合わなくて失格になったと言ういわくつきのものだったそうです。ズィーの登場でも盛り上がってたのですが、御大の登場で、会場はそりゃもう大騒ぎ!私の横はなぜか空席だったのですが、ちゃっかり者の二人組みがどこからともなくやってきて陣取りました。(お前らほんとにチケット持ってたんかい?!)
まず初めに流れてきたのは、「正統派」の、つまりレコード録音されたとおりのDo You Really Want To Hurt Me?でした。コンサートではいつもちょっと低めの歌いだしなのに「?」と思ってるとそこに出てきたのは、80年代のドレッドヘアのボーイ・ジョージに扮したユアン・モートン。さっそくタブーのメンバーによるファンサービスでした。(でも個人的にはボーイ・ジョージのDo You Really Want To Hurt Me?の方が好きかな。)
これが終わると、どこから湧いて出たんだ!トゲトゲヘアに白黒の市松模様にピンクの縁取りのついたドレスを来たボーイ・ジョージがユアン・モートンと一緒に立ってました。私は一瞬誰だか分かりませんでした。ジョージと分かった瞬間、「ジョージ、あんた面白いよ…」とつぶやいてました。

カルチャー・クラブの1曲目はリバプールと同じBlack Comedy。そしてその勢いでI'll Tumble 4 Yaになだれ込みます。この順番は2000年の来日公演でも同じでした。実はこの2曲ともNY公演で外されてしまっていたので、私としては寂しかったんです。だから取り上げてくれたことは大感激&大感謝です。のっけからきゃーーー!!!と大騒ぎでした。次に軽いノリのIt's a Miracle. そして全英で1位を取ったEverything I Own。ジョージも客席にマイクを向けて来るからここは歌いたくなるのが人情でしょう。続くのがI Just Wannna Be Loved。再結成後の曲が時々混じるのですが、イギリスのファンが熱いのでしょうか、クラシックナンバーに比べてもあまりテンションが落ちないなーと結構感心しました。

ここで、ジョージは着替えで一時中座。代わりにタブーで主人公ビリーのお母さん役を勤めている方が1曲披露してくれました。

着替えから戻ったジョージは黒のジャケットにTシャツという割とお約束の衣装。帽子はリバプールのときと同じデビルマン、もしくはサリーちゃんのパパの顔がプリントされたもの。この日はボーイ・ジョージのマブダチのフィリップ・サロンも会場に来ていて、みんなに担ぎ出されていました。着替えたジョージはズィーとの掛け合いでThat's The Way。この日もロイのピアノは情感がこもり、やっぱり素敵。そして、確かこの曲の後だったかな、ジョージとズィーがキスして終わったのでした。(これはリバプールでも同じ演出でした。)続いてもズィーとの掛け合いでBlack Money。
この後はCold ShoulderやSign Language、Strange Voodooと言った新しめの曲が続く。Cold Shoulderでは少し疲れが出てしまって、思わず座ってしまったのですが、じっくり聞くとこの曲も味があっていいなーとしみじみ。でも、Strange Voodooは横浜で聞いたものの方が出来が良かったかも。
そしてステージはハイライトへと向かいます。ノリのいいMove Awayでお客さんをつかむと、Church Of The Poison Mindに一気に流れます。本来Church Of The Poison Mindのイントロはハーモニカとドラムでなだれ込みたいとこだったので、ちょっと残念だったのですが、ジョン・テーミスがギターでいい感じのイントロにしてくれたので救われました。間奏部分ではしっかりハーモニカが入ったので、あのたまらない疾走感は味わえました。そしてジョージとズィーの掛け合いはここでも健在でした。
最高に盛り上がった状態でかかるのは、最近ではお約束と化したMiss Me Blind。これが終わるとみんな一回下がっちゃうのよね、という寂しさとロイのギターパートが聞けるぅー♪という相反する感情がごっちゃになって、それでもやっぱりきゃーーーっっ!と興奮。会場もまさにディスコ状態(この表現古い?)。上半身裸で踊っているにーちゃんはいるわ、私の前の通路にはモヒカンのあんちゃんやドレッドの(多分)おねーちゃんが踊り狂ってるわ(セキュリティーはどうなってるんだーー!154cmのあたしからはステージが見えないじゃないか!)いやすごかったです。もちろんロイのギターもかっこよかったですし、マイキーもステージでは笑顔。こうして、全員一度舞台から去ったのでした。

当然、これで終わるはずもなくお客は手をたたき、足を踏み鳴らして彼らの再登場を待ちます。これに応えて照明が再点灯。メンバーがステージに立ちます。拍手喝采で迎えられた彼らがまず選んだ曲はVictims。ロイのピアノとジョージのボーカルに陶酔しながら、ドラムセットに目をやるとまたジョンがいない。リバプールのときは間に合ったけどジョンは無事に戻ってくるだろうか、やきもきしてるとまた今回も彼はドラムソロの直前でこそ〜っとやって来たのでした。とりあえずやれやれ。(後で分かったのですが、ジョージはこのバラードの途中でとんだ野次に対してFワードでやり返したとか。…この点日本のお客さんは絶対スイートよね。)
アンコール2曲目、これもお約束になってきたStarman。照明も星を思わせるものに切り替えて後ろからメンバーを照らし出します。あのミラーボールではなかった。これは既にご存知のとおり、日本でも最近本家のデヴィッド・ボウイ・バージョンが車のCMに使われてるので結構知名度が上がった曲です。ボーイ・ジョージのヴォーカルはデヴィッド・ボウイのそれとはまたちがった魅力で観客を魅了します。深みのあるあまい声がいいんですよね、これが…そしてまたこの曲もサビはお客さんと一緒になって大合唱。(また歌詞を覚えてなかった、学習能力のない私…)
そして、Karma Chameleon。いやーみんな壊れる壊れる。私は私で興奮しまくりの歌いまくり。ジョージ自身この歌には、複雑な思いもあるんじゃないかなーなどとも思うんですが、コンサートの時には絶対に歌ってくれるんですよね。この歌でもジョージはお客さんにサビの部分でマイクを向けて歌わせます。私はマイクを向けられなくても勝手に歌ってます。(周りのお客さんごめんなさい。)
いつもはこれで、お開きになるのですが、この日はこれだけではなかったんです。タブーに出演しているメンバーがステージにステージに勢ぞろいするとBow Down Misterの大合唱。もちろんボーイ・ジョージも一緒にです。この曲はボーイ・ジョージのソロナンバーなので、カルチャー・クラブのほかのメンバーはどこに行ったんだろうか…と気にしてると、舞台の向かって右で演奏しているマイキーが見えてほっとしました。
ステージはこれで大団円。もっともっと見たいと言うお客さんを残してみんな舞台を去っていきました。20th Anniversaryと銘打ってましたが、会場のすごさといい、お客さんのすごさといい、出演メンバーといい、まさにお祭りでした。カルチャー・クラブが生まれて育った国でコンサートが見られて本当によかったです。

おまけ:私がホールに到着したときにいたカメラクルーはDVD製作のためのメンバーだったそうです。英語サイトによれば、秋からクリスマスのころにリリースされるとのこと。これが中止になった日には、大変なこと(一体どんなことだ?)になりそうなので絶対にリリースしてくださいね。