Visiting Boy George's House

人生何が起こるかわからないとはよく言ったものです。2003年の4月の半ばに掲示板でSHAMさんが「Hi-Gate(DJユニット)の新作発表がボーイ・ジョージの家である。しかもそこに読者ご招待の懸賞がある。ジョージのライブつき、食事つき、写真撮影OK!応募しなくちゃ死ねない!」といったのがすべての始まりでした。このときは思いませんでした。まさかSHAMさん当たるなんて…そして私を連れて行ってくれるなんて…

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実は私は最後の最後までほんとに実施されるのか、ジョージがすねて企画がコケるんじゃないかと本気で心配していました。

だから、お迎えのタクシーが来たときは、「ほんとなんだ」と感激しました。いったん道に迷ったものの(なんとタクシーの運転手は行き先をちゃんと知らなかった!)どうにかこうにかジョージの家にたどり着きました。門にはスタッフの人が待ち構えていて、名前を確認すると中に入れてくれました。門の前までは来たことがあったけれど、まさかこの中に入れる日が来るなんて!!!ほんとに信じられませんでした。
通路を抜けると庭が広がってました。そんなに大きな感じではないのですが、木がたくさん植えてあり、小さな池も作られていました。かえでのような木も植えられていて、どこか日本をホウフツとさせる庭です。日本人の私には懐かしい感じがしました。庭の先に、そうです、ファンの間で有名なゴシックの屋敷がどぉ〜〜〜んとそびえていました。

玄関から中に入ると、広々としたホールになっています。去年のNHKの番組で使われたジョージの家の階段が目の前にありました。2階へ通じる階段の手すりにはジョージがステージで使った帽子の数々がかけられています。もうこれだけで私は感激で胸がいっぱいでした。
台所とダイニングを開放してお客さんを入れていたのですが、私が上着をスタッフの人にあずけていると、先に入っていたSHAMさんが出てきて一言。

「ジョージがいる」

ななな、何ですって〜〜〜〜!!!この時点で興奮は最高潮に達していました。確かにいました。正真正銘本物のボーイ・ジョージが。しかも入り口に。もはや感動と興奮と極度の緊張でいっぱいいっぱいの私に握手してくれて"Relax!"と一言。私はジョージが不機嫌だったらどうしようかとすっごく心配してたんですが、この一言で気が楽になりました。さすがにファンの人をたくさん入れていたせいか、ジョージはラブリーでした。この日のジョージのメイクは先日のカフェ・ド・パリのライブよりもやや抑え目にした感じでしょうか。やはりナチュラル系で、目の周りにはラメがいっぱい。首はやっぱり黒くするのが最近のお約束のようです。後ろの頭の部分まで黒くしてました。ジャケットは黒、中のTシャツも黒で絵がプリントされてました。黒のパンツのすそにはスパンコール。しかも右が赤で左が青と色違い。こんなの絶対オーダーメイドですね。じゃなければ、だれかがスパンコールをちくちく縫ったにちがいありません。スニーカーは白にオレンジのペイントや何かの飾りが付けられています。
ジョージは片手にシャンパンのグラスを持ち、おしゃべりをしていました。ほんとに、ごくごくフツーにまざっていました。

うっわー、ジョージがフツーにいるよーー。

ほんとに、友達の家にお呼ばれしたような感じでした。初めて来たのに初めてじゃないような感じでした。

食べ物はダイニングの重厚なテーブルの上に並べられていました。サンドイッチや薄切りのフランスパン、ナンを小さく焼いたようなもの(でもしょっぱかった)、細長いパン、ディップ、フルーツのイチゴとぶどうがうずたかく積み上げられていました。会場は薄暗くてよくわからなかったのですが、サンドイッチにはツナも入ってたように見えました。ベジタリアンメニューってわけではなさそうでした。私はというと、興奮のあまり食事がのどを通らずほとんど食べられませんでした。

ダイニングの内装はSHAMさんいわく「日本のインド料理屋のようだ。」しかし、さすがに有名人の家!壁や天井の凝っていること!キッチンの上が中2階になっていて、ダイニングから鉄の階段(しかもうねっている)で中2階に上がれる造りになっていました。中2階は手すりがあるだけで、暗いながらも中の様子が見えます。奥の机にはCDが山のように積まれていました。ボーイ・ジョージはインドに凝ってた時期があるので、この部屋の中にはインドの神様のような仏像が置かれていたりしました。そして、手すりには数々の写真。タブーのときのものが中心でした。中2階の部屋の壁にも、もう少し前の写真がかけられていました。


壁にはこんなゴージャスな装飾がありました。

手前は階段の手すりです。奥にジョージの写真がかかってます。

天井もゴージャス!!彫刻がいっぱい。

こんなキュートな照明がいくつも下がってました。

ちょっと暗いのですが、手すりのところにタブーの写真があります。

中2階への階段。ちょっとうねってます。


キッチンには風水のものと思しきオブジェがおいてありました。ジョージやっぱり占い好き。そして、台所の隅には絶対日本のファンからもらっただろう?って感じの人形が置かれていました。(しっかり撮影)


キッチン。お客さんを迎えるためか花がいっぱいでした。

おそらく風水のオブジェ。なんとてっぺんから水が沸く仕組みになってました。

ジョージの家のキッチンにはこんなかわいい人形がありました。

私のいただき物の人形も混ぜて撮影してみました。


腹ごしらえのあとは撮影会。みんなジョージの周りにたかるたかる…ほかのファンの人はジョージに話しかけていたようでしたが、私は恐れ多くて出来ませんでした。でも、しっかり一緒の写真は撮ってもらいました。私のひそかな野望として、ボーイ・ジョージと一緒に写真をとって私とどれくらい顔の大きさが違うか比べるというのがありました。今回思いっきり野望が果たせました。やっぱり、ジョージの方がちょっと大きかったです。でも彼は写真を撮るときちゃんとポーズを取ってじっとしてるんですよね。さすがプロ。

実は今回、せっかくお呼ばれするんだから、何か持っていこうと私はチューリップを買って持って行きました。Hi-Gateの二人とボーイ・ジョージの分と3つ買いました。Hi-Gateの二人にあげたらとても喜んでくれて、背の高いJudge Julesが「ぼくの奥さんが花を飾るのは好きなんだ。花代が節約できる」(SHAMさん訳)と、お茶目なことを言ってくれました。この二人、フレンドリーな上に着ている洋服には日本語がプリントされてました。小柄なPaul Mastersonのトレーナーの両袖には「思惑を抱」(しかも惑の口がない…)という中途半端な日本語、Judge Julesはウルトラマンと書かれたTシャツ。しかも、「ウルトラマン」と書かれた下には7が大きくプリントされてました。ウルトラマンなのか、ウルトラセブンなのか。謎です。私とSHAMさんでプリントされた日本語の説明をしてあげました。

さて、ジョージにはいつ花を渡そうかなーと思っているうちに、ライブが始まってしまいました。玄関ホールのスペースを使ってマイクスタンドを置いてのライブです。ジョージとギターのケヴァンが玄関脇の暖炉を背にしてライブ演奏する形になりました。1曲目はタブーでも使っていて、Hi-GateのCDにも収録されたOut of Fashion。この日のジョージも1曲目からいい感じで歌ってくれました。2曲目はPovertyだったと思います。ジョージはなんと紙を見ながら歌ってました。歌詞を覚えてないのか、ジョージ?とはいえ、珍しい光景だったから思わず一枚取りました。さらに私が知らない曲を1曲うたったあと、最後にはスターマンを歌ってくれました。で、私がどこにいたかというと実は一番前で聞いてました。最初は前にカメラの人がいたのですが、あんまり私が小さいので気の毒に思ったのかどいてくれたようです。3歩くらい先でジョージ歌ってました。みんなでスターマンを一緒に歌ったときは、「もう殺されてもいい」と思ったほど感激しました。(ちなみに後ろにいたSHAMさん、こんなにとち狂って踊ってた私をはじめて見たそうです。)


暖炉前にて熱唱するジョージ。ちなみに赤い
光はろうそくです。

ちょっと珍しい?ショット。カンペのジョージ。
紙を見ながら歌ってました。

偶然こんな表情が取れてしまいました。
許して。
Hi-Gateの二人。Judge Jules(左)、Paul Masterson(右)
左に写ってるのはジョージの手。


その狂乱のライブのあと、もうここしかチャンスはないと思った私、ジョージにチューリップを渡しに行きました。ジョージに花を渡すと彼は日本語で「ありがとう」って、言ってくれました。私は「どういたしまして。You're welcome.」と返しておきました。ジョージ、いい人モードでよかった〜〜〜。ここで彼がビッチだったらどうしようって真剣に心配してました。

いよいよ大詰めというところでお土産のCDが配られました。これにはサインが入ってませんでした。CDを受け取った人はジョージやHi-Gateのところに持っていって直接サインをしてもらってました。私もしっかりもらってきました。自分の目の前でサインをもらえるのはやっぱり感激でした。しかし、実は私このときのために自分のボックスセットやTeke It Like A Manまで持参していたのです。こいつにサインをもらわないとあきらめきれない。バッグから引っ張り出してペンを片手にジョージに頼みました。「サインちょうだい」って。これで、私のぼろぼろのTake It…も価値が上がったに違いありません。売りませんけど。で、ボックスセットにサインしてもらうときになったら、ここにサインしてもらおうってあらかじめ紙を挟んだ場所が見当たらなくなってしまいました。「えーと、真ん中のページ。紙があるの。」って感じのことを説明して、ジョージとページを探してしまいました。ものすごく長い時間に感じました。途中で、ジョンのアップの写真が出てきたときには「あ、見せてはいけないものを見せてしまった!!」と一人心の中であわてました。でも、どうにかサインをして欲しい場所が出てきたのでそのページの余白の部分にサインしてもらいました。

この時点で11時を回っていました。ほかのお客さんも帰っていたようなので、私とSHAMさんも帰ることにしました。SHAMさんがまだ階段で座ってる人たちを見て、「あいつらできあがってるな〜。」彼らは勝手知ったるジョージの家だったのでしょうか?それとも、初めて来て飲みまくった挙句出来上がったんでしょうか(大胆な…)?なんて酔っ払いの姿を背にして私たちはジョージの家をあとにしました。

ほんとにうそみたいな出来事でした。カルチャー・クラブが日本に来たときも生きててよかったと思いましたが、この日の出来事も間違いなく生きててよかったと言える出来事でした。

(おまけ)
実は、ジョージの花束にはカードも仕込んで渡したんです。でも、このカードにはジョージへの愛の言葉のほかに似顔絵を描こうなんて思ったのが運のつき。描けば描くほど深みにはまり、ボーイ・ジョージとは似ても似つかないひどいものが出来上がってしまいました。あまりの出来に捨てたかったくらいなんですが、なんだかもったいなくて結局渡してしまいました。ジョージ、あの花束の中のカードに気づいたでしょうか。あのひどい似顔絵を見てご立腹にならないことを切に祈ります。


2006/12/11追加:このときジョージからもらったサイン。


Hi-GateのCD(ジョージのOut of Fashion入り)


Box Setについている写真集

Take It Like A Man(右はジョージが使ったペン)