カルチャー・クラブ東京公演(Zepp Tokyo)

カルチャー・クラブが16年ぶりにオリジナルメンバーでまさかの来日を果たし、東京と大阪でライブを行いました。6/21のZepp Tokyoの模様をレポートします。(MCの発言は筆者が聞き取ったものと、情報収集できたものが混ざっています。)

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スタンディングのフロアはいい感じでいっぱいの状態で、メンバーの登場を待ちます。時間になってジョンが登場、ドラムセットに座ると一気に会場は盛り上がります。ドラムを聴くだけでこれはChurch of the Poison Mindのイントロとわかります。さらに、マイキーやロイ、サポートのメンバーが入ってきて演奏に加わります。これだけでも会場は大騒ぎです。そこへジョージが歌いながら登場。

ジョーーージーーーーーッッ!!!

よく来た、よく来た、本当によく来てくれました。日本で16年ぶりのポイズン・マインドです。(あ、基本的に初めてのもの以外16年ぶりです。)感激。会場は最高潮。

Church of the Poison Mindに続いて、It's a Miracle, I'll Tumble 4 Ya, Move Awayとおなじみのダンサブルなナンバーが続きます。会場はノリノリです。そして、ジョージはよくしゃべります。ここは非英語圏だから、あんまりしゃべらないんじゃないかなという予想を覆してきました。「ぼくしゃべりたいんだよね。」「でも、日本語勉強しないといけないんだよね。」「君たち英語できないの?」「君たちも英語勉強してよね。」などと、ジョージなかなかチャレンジャーです。

ダンサブルな曲の後、ちょっと緩いEverything I Own。サビはみんなで歌いました。その後のBlack Moneyも素敵ですが、その後ジョージが衣装替えで下がっている間に演奏されるインストがまた素敵でうっとりします。

個人的に圧巻だったのはVictims。前半はロイのピアノとジョージの歌だけなので、本当に歌唱力が問われる歌ではないかと思いますが、これが素晴らしくてうっとり。会場の誰もが聞き惚れているようで、場内はジョージの歌と演奏が響き渡っていました。歌い終わって拍手喝さい、するとジョージが「みんなが静かに聴いてくれた。」そして日本語で急に「ナキソウ」と一言。どの会場でもおしゃべりしている人がいて、あんまり静かに聴いてもらえることがないようです。そりゃ聴きますって、あんなに素敵な歌を聴かせてくれるんですから。なんだかこっちまでジーンと泣きそうになってしまいました。

そしてDo You Really Want to Hurt Me?では、ジョージが「この曲から始まったんだ。この曲を30年以上前に書いて、ロンドンの真ん中から世界中の人に聞いてもらえた。30年経って聴いてもらえるなんて誰が知っていただろう?」なんてグッとくる話をしてから歌ってくれたので、本当に感慨深かったです。

本編のラストはMore Than Silence。アルバムTribes(仮)に収録予定のこの曲は日本ではリリースされていません。でも、みんなちゃんと予習しているんですね。びっくりするほどノリもいいし、反応もよかったです。この曲もいい曲だからぜひリリースしてほしいです。

アンコールで、着替えてきたジョージは黒いジャケットの下にピンクのプリントが入ったチュニックのようなシャツを着て、ピンクの帽子。前の方から「かわいいーーっ!!」の声が飛びまくり。でもジョージ、「かわいい」の意味が分からなかったみたいで「どういう意味?」って聞いていましたね。さらにジョージが「どこに行ってもカメラだらけなのに。」なんて言ってポーズを取り出すものだから、それを見たお客さんが我も我もとスマホやケータイやカメラを取り出して写す写す。おかげで、このとき以降に撮られた写真や映像が出回っているかと思います。

アンコールはRunaway Trainでスタート。さらにKarma Chameleon, Starmanと続きます。Starmanはデヴィッド・ボウイのカバーだけれど、Don't Mind If I Doのアルバムにも入れてるし、ライブでもよく歌ってますね。さらにThe War Songを新しいアレンジで歌ってくれたのが、新鮮でよかったです。最後はT-RexのカバーのGet It Onをメンバー紹介込みで披露して終了となりました。

16年ぶりに日本で行われたカルチャー・クラブのライブ。私、85年のRock in Japanの名古屋公演、2000年の東京、横浜を見ているのですが、今回の来日公演が一番素晴らしかったと思います。カルチャー・クラブは私が思っていた以上にすごいバンドでした。ジョージは声が低くなってましたが、深みや表現力が増しています。ジョンもロイもマイキーも百戦錬磨で安定しているし、サポートのメンバーによって曲に厚みが加わっています。あまりに刺激が強くて、何回も見れない…!とまで思いました。チケット代が高いなどなど、ライブ前に言われていたことを吹き飛ばした値千金の素晴らしいライブでした。

セットリスト
Church of the Poison Mind
It's a Miracle
I'll Tumble 4 Ya
Move Away
Everything I Own
Black Money
(幕間)
Victims
Time (Clock of the Heart)
Like I Used To
Different Man
Miss Me Blind
The Crying Game
Do You Really Want to Hurt Me?
More Than Silence
(アンコール)
Runaway Train
Karma Chameleon
Starman
The War Song
Get It On