12.スタンスの変化について
(99.12.24)

はじめに申し上げておくが、今回は競馬全体に対してではなく、自分
の予想、馬券についての書き物なので、提言めいたものを読みたいと
思っておいでの方は特に読まれる必要はありません。あしからず。

ジャパンCの後から、自分のスタンスを変えている。この競馬雑感の
1.馬券を買おうで触れているように、基本的に馬券は全レース買う
というのがスタンスだった。それが生活や命をかけて競馬に携わって
いる人々への礼儀と考えているからだ。しかし、あまり際限なく馬券
を買い続ける自分に嫌気がさしたこともあり、前もって購入金額を発
表することによって、自分への歯止めをかけようと思ったのである。

買うレースを限定して馬券を買う。これは、馬券で儲けようと思えば
当然の選択だ。儲けようとまでは思わずとも、負けの金額は抑えられ
るだろう。しかし、正直に告白すると、必ずしもあの発表のレースだ
けで終わっているわけではない。

自分の予想を信頼して買って下さっている方々には非常に申し訳ない
が、あれはあくまでも自分なりに自信のあるレース、面白いと思える
レースの抜粋である。「他のレースを買っているのなら、今までと同
じではないか」といわれるだろうが、それは違う。発表したレース以
上の金額は絶対に購入しないし、あくまで遊びの範囲内の投資に済ま
せている。言い訳に聞こえるかもしれないが、これは全レース買うと
いうスタンスを変えたわけではない、ということをご理解いただく上
で、説明したかったことなのだ。

ただ、そうした関係者の方々に対する礼儀として、毎レース買うとい
うこともあるが、やはり馬券を買えば、レースを見る目の真剣さが違
ってくる。食い入るようにレースを見るし、その内容も記憶にきちん
と残ってくるのだ。ところが、その考えを正直に反省せねばならない
と感じることがあった。

毎週、火曜日の夜(だったと思う)にグリーンチャンネルで放映され
ている番組で先日、ケイシュウニュースの能勢TMが発した言葉が耳
に残っている。能勢さんという方は、この番組で何度も見ているが、
決してベテランという年齢ではないのに、非常に競馬に対する造詣が
深く、興味深い発言が多い。その能勢さんが出演する番組の1つの企
画で「スランプの脱出法」というものをやっていた。そこで能勢さん
が言うには「とにかく買わないこと」。これは言わずとも分かるだろ
うが、その後に付け加えた言葉が重い。「一般の方は、やはり馬券を
買ってレースを見ないとダメでしょう。ボクらと違って」といった感
じのものだった。ニュアンスがうまく伝わらないが、要は「プロなら
馬券を買わなくてもレースを真剣に見ることができる」という内容の
ものだったのだ。

なるほど、常に競馬の現場を取材する身であれば、当然のことだ。お
のれの身を恥じ入るよりほかにない。決して不真面目なつもりはない
のだが、今の自分は馬券を買った時の方が記憶に残るのは確か。少し
ずつ現場の空気に溶け込んで来ているつもりの自分だが、慢心を戒め
る意味でも、ありがたい言葉だった。今回は特にためになったが、グ
リーンチャンネルをお持ちの方は、ぜひともご覧いただきたい番組で
あるので、この場でおすすめしておきたい。

で、話は戻るが、他のレースに手を出すことはあっても、推奨レース
で他の買い目を買うことはないし、最終レースでヤケを起こすことも
なくなった。自分なりの折り合いをつけられるようになったと思う。
そんなわけで、あまり笑えるような話は報告できないかもしれないが
今まで以上にマジメに競馬を見ていきたいし、予想も当てたいと思っ
ているので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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