4.馬券が当たる時、ハズれる時
(99.01.25)

 

タイトルからすると、いかにもしょっちゅう馬券が当たっているように
聞こえるかもしれないが、まあ普段から書いているように、儲かること
の方が少ない。これは例えこの職業に就いている人たちでも普通だ。
と思う。少し自信はないが。だが、やはりこの職にいればこそ、たまには
「仕事やっててよかった」と思うような馬券にありつけることもあるのだ。

2.取材記者の1週間」で書いたことだが、特にいま、週刊誌で働く自分に
とっては、基本的に翌週のことを取材するのがメーンであって、その週の
情報にありつくことは、それほどない。だが、1週前ならではの本音という
ものに触れることができるのも強みだ。

GTレースともなれば、1週前から多くのマスコミが押し寄せるが、GU、
GVとなると、1週前は意外に人気馬でも取材は少なく、けっこうじっくりと
話が聞けたりする。そうした際に、その馬のことだけではなく、厩舎の他の
馬のことが聞けることが多いのだ。翌週のメーンは普通の手応えでも、
その週の500万の馬の話がポロリと出たりする。こういう時の会話からくる
馬券は、信頼度が高い。

もちろん、だからといってメーンの情報がおろそかなわけではない。自分の
昨年の会心の予想に某GTがある。ある厩舎がそこそこ人気の2頭を出す
のだが、1頭は休み明け、1頭は前哨戦で好走。普通は後者が聞きたい
ところだろう。しかし、1週前で大人気というわけでもない馬だけに、助手さん
にゆっくり話を聞いたところ「まあコーヒーでも飲めよ。2頭か?まあ、読者の
立場になってみれば、休み明けの馬がどうなのかを知りたいんじゃないか?」
と意外にも休み明けの馬を推してきたのである。話のほとんどがこちらに
なって、仕上がりの自信がうかがえた。その馬は勝ちはしなかったものの、
見事2着。実際のレースの週にも好感触だったようだが、やはり前哨戦で
好走した馬に質問が集中したようで、その2着馬は7番人気でしかなかった。

あ、なんかすごく自慢してしまいました。ま、当たる時はこういうものです。
しかし、ハズれる時はむごいもの。1週前ならでは、という感じでじっくりと
話を聞き、その結果は「まだ太いよ」とか「ちょっと苦しい」とかいうことがまま
ある。昨秋はこれが2連発した。要は、1週前の段階からレースまでに、
著しく良化するパターンである。こうなると手におえない。周りの仲のいい人に
まで「あの馬いらねえよ」とやっちまうからである。昨年の暮れは本当に多くの
人に怨まれたっけ。でも許して下さい。ボクもだいぶ痛い目に遭っているんで。

学生時代やこの世界に出たてのころは、自分の記憶で当てる馬券が多かった。
もちろん、それは今でも重宝している。デビュー前に調教で動いていた馬が、
ダートを使ってきた時とか、しばらく前に重馬場で強い勝ち方をした馬が久々に
重馬場で走る時とか、である。しかし、現場に慣れてきた今では、情報によって
馬券を買うことが増えてきた。負けることも少なくないが、以前より収支は良化
しているのだから、悪くはなかろう。

もともとこのHPを始めた理由のひとつには、自分の予想をもっと表に出したい
という希望があった。新聞や雑誌の短い行数では、説明し切れない部分が多い。
しかも、平場などではシルシもないし、取材を反映させる場所がないからである。
まあ、そのまま買ってもらって怨まれるのも怖いのだが、何らかの参考に役立てば
という気持ちがあるのだ。そうそう当たるものではないけれど、こんな自分でも
当たる時は当たるので、たまにはあの長い日記も読んで下さいまし。

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