トップに戻る][6月の日記

03年7月

●なぜか頭も口も手もまともに動いてくれて、いやあこんなによく(ちゃんと)しゃべれた日はいつ以来か。●ジョアン・ジルベルトを招聘した功労者ディアハートの宮田茂樹さんに電話。その昔ムーンライダーズが『アマチュア・アカデミー』を出したころ、RCA(当時)のレーベルだったディアハートには何度かお邪魔した覚えがあるが、それ以来。お願いや相談ごとをあれこれ。ジョアンについては、突然のキャンセルなどの心配はまったくしていない、とのことでした。そういえば、オデオン盤の発売はまだビミョーらしい。(30日)

●ちょうど0時に駅を降りて歩き始めたら途中から土砂降りに。ほんの3、4分でびしょ濡れになってしまった。梅雨はまだ明けないのか。ウツな1日ではあった。●携帯電話って、新規契約する方が機種変更よりはるかに安い場合が多いっていうのが謎なんだけど、無駄な金を使ってまでドコモに固執する必要はないので、2年以上使った機種におさらばして(まだ契約解除してないけど)J-PHONEに変更(2800円)。ベッカムや中田につられたわけではあり…ます。カメラ付きにして携帯メールも使えるようにしたら、こりゃまあ確かに便利っつうか楽しいもんだろうなと実感。仕事してなきゃパソコン要らずだよね。でも、通信費は節約したいのでむやみに使う気はなかったりする。とか言いつつ、うんともすんとも言わないのもつまんないもんですな(^^; ドコモほど多くないと聞くスパム・メールは1通)。って、そもそも番号もアドレスも伝えてないんだが。●久しぶりに渋谷タワーで買い物。ミルトン・ナシメントのファースト『トラヴェシーア』(オーマガトキ)、ソウル・フラワー・ユニオン『シャローム・サラーム』(内ジャケのそらちゃん@ドーナル・ラニー&ヒデ坊が可愛い)、ついにDVD化なった森達也監督のドキュメンタリー映画『A』、「ラティーナ」を購入。やっと見ることが出来た『A』は、とにかく画期的。ちっとも楽しくななんかならないけど、興奮はした。とってもいろいろ考えさせられた。『A2』も買わねばなるまいて。(29日)

●はるばる竜ヶ崎市まで出かけて訪ねた評論家片山杜秀さんの新居は、こちらの想像を絶するすさまじい豪邸というかなんというか、いやでもあれは豪邸としか言いようがないな、とにかく凄かったんだけど、人様のお宅のことを事細かに喋り散らすわけにもいかないし。また1週間が始まった。(28日)

●今週まともに仕事ができなかった分をカヴァーすべく、半日iBookに向かう。BGMの選択に悩んだ末、今日は山内雄喜さん流れでハワイのサニー・チリングワースと、なぜかブッゲ・ヴェッセルトフト『ムーヴィング』(新譜も聴きたい)。3日間座ってばかりでケツが痛いっす。●にしても鹿島はどうしちゃったんでしょ。チームの核になる選手がいない感じ。代わって4位に上がってきたのがFC東京。14試合で得点14って、少ねえ!と思ったら、失点はたったの10。1敗しかしてない名古屋だって14なのに。(27日)

●昨日に続いてウダウダと惰眠をむさぼり、貴重な休日をむだに使ってしまった。我ながらなんでこんなに寝ていられるのやら。天気も悪くなかったというのに。●今朝はルー・リード来日公演の発売だったのに起きられなかったので、午後おそ〜くになってアクセスして2日目のチケットを購入。でもさすがに2階席しか残ってなくて。厚生年金の2階かあ。前に赤坂ブリッツでとんでもなく素晴らしい音響を聞かせてくれたPAスタッフの力量に期待しよう。しかし、ジョアンと合わせて来月のカードの引き落としが怖い。最近のチケット代のインフレぶりってすごくないすか? 国内のミュージシャンでもハコによっては8000円とか平気であるし。ブルーノートなんてほんと、行けやしません。それでもクラシックに比べればマシかあ。で、3年ぶりくらいに「ぴあ」のライヴ情報欄をちゃんとチェックしたら、またいくつか発見したのでライヴ欄さらに追加しました。●ジョアン・ジルベルトといえば、長らく契約上のゴタゴタとやらで廃盤になっていたオデオンでの最初のアルバムが3枚それぞれリマスター、SACDとのハイブリッド盤でCD化されるらしいです。人類の遺産みたいな名録音がこれでやっとまともな状態で聴けるようになる。めでたし。●なんかもう誰かが書いたシナリオみたいにジェフ市原がこけてくれて(エスパルスえらい!)、ジュビロとマリノスが勝利。マリノス首位浮上です! 最終節は絶不調のヴィッセル神戸!(26日)

●そんなわけで、ようやく日記を数日分まとめてアップ。冷房の要らない気候で助かります。にしてもいったい夏はいつ来るんだあ?! ●例によってこのところCDはちゃんと聴けてないんだけど、ここで話題にしてなくて聴いてるCDっていうと、『スティーヴ・ハウ&マーティン・テイラー/マスターピース・ギターズ』(豪華な名器の響き。ぼくに猫に小判だけど)、『デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン/MUSICAL FROM CHAOS』(どっちかというとディスク2)、『アル・クーパー/スーパー・セッション』(初耳)、『エッセンシャル・フィッシュボーン』(「サンレス・サタデイ」とか今聴いてもゾクゾクする)ぐらい。あと、10年前に出たジャンゴ・ラインハルトの3枚組ベスト『ジャンゴ・スウィングス・ヌアージ1934〜1941』(やっぱ別格)。CDについてはエネルギー衰退気味です。●先日、ライヴ情報をだいぶ足しました。ROVOのライヴとかフェス以外にあったりしないですよね?(HPが頼りにならない)(25日)

●右の首から肩にかけての「そうぼう筋」とやらがガチガチに固まっちゃって、歩くのも不自由。午前中整形外科に行ってから出社。サエキけんぞうさんから電話。渋谷で翻訳者の小野木博子さんと打ち合わせのあと、プランクトンで夜まで。社に戻ってこまごまとした連絡など。松山晋也さんとも久しぶりにあれこれ電話で。金曜は休むことにする。(24日)

●3日分まとめてアップするつもりだったんだけど、この数日あちこちでやたら寒い思いをしたせいか体調崩したんで、今日は飲みの誘いも断って早退け、早寝。とにかく明日から仕切直しだ。なわけで何人かの方にはメールの返事が遅れますが、お許しを。(23日)

●ハワイアン・スラック・キー・ギター演奏家・ハワイ音楽のコレクター/専門家として大活躍されている山内雄喜さんのご自宅をHさんと板橋に訪ねて、打ち合わせ&楽しく雑談。山内さんは、つい先日も小錦のアルバムを一緒に作られたばかりだ。ハワイ音楽なんてまったくの門外漢だけど、山内さんの『プレイズ・ザ・スラック・キー・ギター』(リスペクト・レコード、1997年)は、リラックスしまくった、でも奥の深〜いサウンドがとにかく心地よくて、流しっぱなしにしているには最高です。●その足でサントリー小ホールへ。尺八奏者・藤原道山さんのコンサート。題して“魁。J-トラッド旋風”(^^;)。若い女性のお客さんが多い。前半は沢井忠夫「上弦の曲」など月にちなんだ尺八本来の曲を3曲、後半はクリヤ・マコト(p)にベースとドラムを入れたカルテットで、マル・ウォルドロン、ハンコック、トニーニョ・オルタなど、ジャズで5曲。アンコールもチャーリー・パーカーの「ドナ・リー」。そういうのを軽々と尺八で吹きこなしてしまう力量は大変なもののようだけど、後半はクリヤ・マコトに主導権を握られていて、藤原さんのほうがゲストみたいだった。ソロ楽器が尺八に置き換わっただけ、というところからどう独自の音楽を作り出していくのか。僕にはなじみがない分、前半の方が尺八も箏も三味線も響きそのものからして新鮮で、楽しめた。あるようなないようなテンポ感とか、不思議だよなあ。(22日)

●休日にしては珍しく早起きしたんだけど、午後になって昼寝しちゃって元の木阿弥。夕方から実家へ出かけて、建築中の弟の家を見る。その日の朝に取れたというとうもろこしや枝豆が最高。(21日)

●新宿高島屋のテアトルシネマスクエアで『トーク・トゥ・ハー』を観る。映画は今年3本目ぐらいだっけ? 客席の傾斜が急で天井が高く、とても気持ちよいハコ。スピーカーはJBLだそうで、音質も文句なし。アルモドバルの作品は、なんとなくキッチュというかえげつなさそうで敬遠気味だったんだけど、今回はカエターノ・ヴェローゾが出演してるのと、主演の女優さんが美しそうだったので初挑戦となった。「これはかくかくしかじかをテーマにしたものである」なんて安易に語りにくい手応えが残ったので、館内に展示されていた各種雑誌でのレヴューを読んでみたけど、どれもピンと来ず。愛の“不”可能性についての映画なのか、とも思いかけたが、話を反芻してみると、そういうことではないらしい。物語の展開を喋らないほうがいいと思うので、うまく言えないけど、とにかく映画好きにはお薦めします。美を越えることのないエロスをたたえつつ三様の美しさを見せるレオノール・ワトリングの肉体(の描き方)には惚れました。(20日)

●中途半端なままの仕事を山ほど抱えたまま3連休に突入。●第19回〈東京の夏〉音楽祭「〈ブラジルの宗教儀礼〉カンドンブレ〜アフロ・ブラジル音楽のルーツ」@草月ホールへ。会場は満杯。延々と同じビートのパーカッションが続くので、序盤は睡魔と戦うはめに。気持ちよかったけど、えー、いったいこれはなんだったのか、ちゃんと勉強しないとよくわかんない状態(^^;)。それでもタイトル通り、カエターノにしろカルリーニョス・ブラウンにしろ、近年のブラジルのミュージシャンたちの音楽にも、この宗教儀礼が色濃く反映されていることは確認できた。入り口で出くわしてそのまま一緒に見てたサラーム海上さん、もうすぐ初めての著書が双葉社から出るそうだ。(19日)
◎今日になってサラームさんの本、bk1にアップされました。『エキゾ音楽超特急』本体1500円。カヴァーデザインは「“ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー”のつもり」だそうです。(20日)

●CDを発売したばかりのカルマン・マキ&サラマンダーズ@吉祥寺スターパインズ・カフェ。ドラム:芳垣安洋、ベース:松永孝義、ギター:鬼怒無月、ヴァイオリン:勝井祐二というメンバーがつまらない演奏するはずはない。何度か体が持ち上がりそうな昂揚感を覚えながら、とても気持ちよく集中して聴けた。指先から発する暖かな陽光が同心円を描いて会場を包んでいくようなベースや、ギミックのない音がまっすぐに届くギター(勝井やマキじーっと見つめたまま演奏している、その視線が強力)をはじめ、一音一音すみずみまでゆるがせにしない4人がたたき出す自在で堅固なグルーヴの気持ちよさといったら! カルメン・マキの声は立ち上がりが鋭くて、いかにもハイトーンのシャウトが似合いそうなのは代わってないんだけど(最近コイルのライヴにゲスト出演してパープルとか歌ったらしい)、無駄な力を入れない歌いぶりが味わい深かった。やっぱROVOのライヴ見ないとなあ。●終演後は高円寺に移動して、志田歩と仕事の相談をしつつ飲み。明るくなるまで外で飲んだなんて、いつ以来か記憶にない。(18日)

●幸い大した筋肉痛もなくすっきりと出社。午後一から2時間、生産性のかけらもない会議に出たあと、打ち合わせ2件。印刷業界のデフレ化もすごいことになってます。●谷口ジローとのコンビでものした傑作漫画シリーズ『「坊ちゃん」の時代』全5巻の追補みたいなものと言っていいのか、関川夏央『二葉亭四迷の明治四十一年』がようやく文庫化されたので購入(文春)。最後まで読み通せた本が近年恐ろしく少ないんだけど、これは一気に読めそうな予感。●来月マリア・マルダーが横浜のモーション・ブルーでやるのね。聴きに行きたいけど平日に横浜はつらい。●ジョアン・ジルベルトのチケットが早くも届いた。東京国際が前から32列目、パシフィコ横浜が26列目。ぎりぎりセーフってとこ??(17日)

●30分フル出場はきつすぎだったけど、満足感はこれまでで一番。要するに走れる体力(筋肉じゃなくてほとんど心肺機能の問題)さえありゃ、草サッカーは楽しめるってことですね。例によってな〜んにもできなかったんだけど(なんであんなに敵にばっかりパスしちゃうかねぇ)、そんな中でも自分としてはあれこれ新たな発見つうか成果もあり(3ミクロンぐらい?)、いやあ楽しかった! 今日は審判役にOB社員が来てくれたので、かろうじて最年長を免れたし。なんたってM君は14歳下、O君は10下、I君だって5下、H君がやっと3(かな?)下なんだからさ。そこんとこよろしく(大笑)。ともあれ、いつも相手をしてくれるB社イレブンはじめ、みなさんに感謝。●昼は労組の集まり、午後は書籍の企画会議。エンジニアリングをテーマにした面白い企画がものになりそう。●おおっ、なんてこった、14日の林賢&知子のライヴを忘れたよ……。来週予定されていたリンダ・トンプソンのライヴは、残念きわまりないことにリンダが日本で体調を崩しキャンセルになったそうです。その代わり息子テディが無料で(!)演奏するとのこと。もちろん行きます。来週末のフジ・ロックは2日目だけ見に行く方向で思案中。(16日)

●せっかく夏の服を買い足したのに、なんなんだこの涼しさは。農作物がやばいんじゃないの? ●集会40分、団交100分。ぜんぜん原稿に集中できない。夜は新宿タワーの篠原さんを訪ねてあれこれと相談にのっていただく。サニー・アデの代々木とか、横浜WOMADとか、ほぼ同じような音楽体験を経てきているようなので、話が早い。●帰りしなにCDを物色。ちょっと試しにトロージャン・ボックスの「ルーツ」編(3枚で2290円)、ジェイムズ・カーのセカンド『A MAN NEEDS A WOMAN』(輸入盤)、それにとうとう買ってしまった……ツェッペリンの紙ジャケ。とりあえず1枚と思い、悩んだ末にアナログを持っていない7作目『プレゼンス』を。●「日本映画100年史」(集英社新書)で簡潔に本質を衝く言葉の選び方に驚嘆した四方田犬彦。彼の「ハイスクール1968」を読みたくて、「新潮」という雑誌を初めて購入。ひとことで言って「うらやましい」。生まれた年がたった7年違うだけなのに、(個人差は棚上げするけど)この落差はなんなんだ。ぼくにも、アポロ着陸や安田講堂攻防戦や浅間山荘事件やよど号事件の記憶はうっすらとあるけど、しょせんテレビ画面を通してのこと。たとえば、そのころ渋谷や新宿という街でなにが起きていたのか、なんてかけらも知ることはできなかった。活字やスクリーンや漫画や舞台と、当時とその後とでメディア自体はさして変わらないのに、なぜかあのころの体験はダイレクトなもののように映る。そのあとのどんな世代にとっての7年よりもこの違いは大きいだろうな。ぼくより7歳(9歳でも13歳でも)下の人と話したって、文化体験の違いは固有名詞の差でしかない。(14日)

●久々に日光を浴びた気が。暑かった〜。●いきなりオーディオに目覚めたと思ったら、SP、CD、アンプとぜんぶをリンの製品で揃えてしまった石田昌隆さんちにちょこっとお邪魔。初めて歩いて行ったら15分で着いた。そうそうリンってこういう音だよな、っていう音してました。SPのセッティング(距離、スペーサー)とか部屋の後ろ側の壁の反射対策とか、やることやればまだまだそうとう良い音になっていくと思います。●お借りした写真を自宅に置いてから、一路横浜へ向かう。珍しく相棒とJ1第12節マリノス×パープルサンガ戦。ほのかに磯の香りがする風が心地よくて、ついついビールもすすむ。内容的にはほとんど見るべきものはなかったけど、とにかくこれで生観戦の不敗記録が伸びたぞ、と。(12日)

●蒸す。ひたすら蒸す。深夜だというのに汗だくで帰宅。●労組の集会とか企画会議とか。それだけじゃないんだけど、気分はすっかり、握ったこぶしから親指を下に突き出す感じになっちゃって……後略。(11日)

●あいかわらず仕事は遅々として進まず。梅雨寒というのか、気温の上がらない日が続く。●ドイツはボンのベートーヴェン管弦楽団で首席オーボエ奏者を務める山本啓太が、この夏に帰国してコンサートを開くという案内が来た。といっても知ってる人はいないと思うけど、ぼくの母方の従兄弟。歳は10ぐらい下だったかな。高校を出てからドイツに渡って、そのまま向こうで働き口を見つけたので、お互い大人になってからはほとんど顔を会わせてないんだけど、前に一度だけ同じように帰国したときにアンサンブルを聴いた。7月の分は「ライヴ」コーナーにアップしたので、興味のある方は見てください。バッハやヴィヴァルディのほかにコレッリ、ゼレンカ、ファッシュ、ベーデッカーなんていう作曲家の名前が並んでいます。●ライヴといえばもひとつ、中川五郎さんからも案内メールが。今月21日(月)渋谷ツインズ・ヨシハシで18時30分からだそうです。五郎さんの公式サイトもオープン。●大塚英志の『少女たちの「かわいい」天皇』(角川文庫)と、北中正和さんの日記で知ったミュリエル・ジョリヴェ『移民と現代フランス』(集英社新書)を購入。●なんかすっごいストレスたまってる気がする。温泉なんて5年くらい行ってないし、今年の夏はせめて東京を何日間か離れたい。(10日)

●軽く晩飯を済ませたあと、編集を担当した「飲めや歌えやイスタンブール」の著者斎藤完さんが講演を終えたばかりの日本・トルコ協会へ。めでたく本もよく売れて、軽くお疲れさん会(ぼくはなんにもしてない)。で、ご一緒したのが、NHKの「トップ・ランナー」に出演したこともある尺八奏者の藤原道山さん。お名前すら知らず思いっきり斎藤さんに呆れられたけど(お二人とも東京芸大邦楽科のご出身)、えらい美青年ぶりにびっくりしました。今月22日、サントリー小ホールでのコンサートを聴かせていただくことになった。生の尺八って聴いたことがないし、楽しみです。●大汗かいて帰宅したら、NHKでその「トップ・ランナー」の再放送をやっていた。この人の名前も知らなかったのだけど、バレエ・ダンサー首藤康之の回。友人のNさんに話しぶりや表情の変わり方が似てて、いやあ無茶苦茶チャーミングな人ですねえ。つい最後まで見てしまった。生の踊り、見てみたい。●『どれもこれも「自分以外はみんなバカ」と言っている。自分だけがよくわかっていて、その他大勢は無知で愚かで、だから世の中うまくいかないのだ、と言わんばかりの態度がむんむんしている』−−朝日の夕刊で吉岡忍がこう書いていた。まったくなあ、そういう物言いや心の持ちようは、はしたないんだ、まちがってるんだって、どこかで感じているからこそ、言ってる自分がどこか不愉快だったりするんだろうな。もっと自覚しないとイカンぞな、もし。(9日)

●昨日寒い思いをしたのに懲りて、長袖と半袖のTシャツを重ねて出勤。1日中椅子に座りっぱなしだった。●友人が写真家・藤原新也のサイトを教えてくれた。今年3月25日付けの「talk」と、「メメント・モリ」と題されたコーナーにいたく感じるものがあり、「東京漂流」ぐらいしか知らないこの人の表現にあらためて興味をかき立てられた。写真集なんてふだんは手に取ることすら珍しいんだけど、「千年少女」と「花音女」はぜひ見てみようと思う。(8日)

●七夕。午前中は団交に出席。午後はガク・デザインの阿部さんと打ち合わせのあと、新宿でエンジニアの藤井暁さんと長話。といってもこちらはひたすら驚いたり感心したりしながらひたすらお話を楽しんでいただけ。冷房ですっかり冷やされて喫茶店を出たら、外がまたぐっと涼しくなっていた。●先月バップから発売になった『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』のDVD、アイリッシュ・トラッドやアメリカのルーツ音楽に関心のある向きはやっぱり必見ですね。曲間に挿入されるアイルランドの風景映像が、ありがちなんだけど陳腐に見えないよう工夫されている。英語のオリジナル・フル・ヴァージョンを見る根性がなかったので、嬉しい日本盤だった。(7日)

●世田谷のデザイナーNさん宅にお邪魔して、すんばらしいオーディオを体験させていただく。SPウィルソン・オーディオのシステム5(ユニットは6に入れ替わっていたり)+ソニーのスーパー・トゥイーターにチェロのモノラル・アンプ×2、同パレット・プリっていうだけで知ってる人には想像つくと思うんだけど、アナログもすごくて、と言いつつプレイヤーの機種名が出てこないんだが、カートリッジがベンツ・マイクロってな具合。SPケーブルを編み直してあったり、アナログ・プレイヤーの外装を塗り直してあったり、いちいち手がかかっていて、とことん納得いくまで追い込む情熱には敬服するばかり。ミルトン・ナシメント、イッツ・イマテリアルからベンジャミン・ブリテンまでジャンル無用、あれこれ夢中で耳を傾けているうちにあっという間に時間が経ってしまった。持参したCDもちょこちょこかけてもらったが、カエターノの『リーブロ』あたり「こんな録音だったのか!」と愕然。ここまでオーディオの質が高いと、音楽がくっきりはっきり見えて、音楽そのものに集中できるのが素晴らしい。我が家の音を聴く気しなくなるのが悲しいんだけど。(6日)

●ようやく再開したJリーグのファースト・ステージ。国立競技場に7人の大所帯で押しかけ、清水エスパルス×横浜Fマリノスを観戦。マリノス側の席に着いたのに、まわりはオレンジ一色ですっかり気分はアウェイ。そのうえ隣のガキどもが邪魔くさくて、こちらでもささやかな戦いが(^^;)。前半はマリノスが、良くも悪くも最近の日本代表のようなサッカーを見せてくれて素晴らしかった。後半は危なっかしかったけど、とにかく1−0で勝利。どうだガキども、正義は勝つのだ(笑)。にしてもエスパルスは良くないなあ。ゴール裏から大ブーイング浴びてた。(5日)

●う〜、昨日はちいとばかし飲みすぎたあるよ。たまにはこういう仕事を離れた飲み(といっても同世代の近い業界の人間ばっか)もないとね。●イラク戦争のさなかに全米ツアーをキャンセルしたユッスー・ンドゥールが、8月の「東京JAZZ」に出演するそうだ。たしか3年ぶりの来日だから、すごく嬉しいんだけど、味の素スタジアムじゃなあ。喜びも半減以下。とくべつ興味を引く出演者も他にいないから、NHKの放映で我慢だな。音も良いわけないし。アリーナだと9000円もするし。●音楽ライター/イラストレーターの切石智子さんが急逝されたそうだ(小野島大さんの日記から)。いずれお目にかかる機会を作りたいと思っていたのに……。お顔も知らぬままに終わってしまうとは、残念無念。ご冥福をお祈りします。(4日)

●ひゃあ。あっというまに1年の半分が終わってしまった。こんな調子で人生終わっちゃった日にゃあたまらん。●ステレオサウンド別冊「ビートサウンド」。簡単に言っちゃうとロック・ファンのためのオーディオ誌なわけですが、こういうの読みたかったもんで、複雑な気分で購入。執筆陣に特別な新鮮みはないし、かなりゆるゆるの記事もあるんだけど、初っぱなから和田博巳と鈴木慶一さん、ピーター・バラカンさんの3人がKEFとモニターオーディオのSP試聴してる。オーディオ誌で見かけることの少ない我がPMCのスピーカーもフィーチャーされてるし、素人向けのプロ・トゥールズ解説とか、お名前だけは僕でも知っているマスタリング・エンジニアの小鐵徹氏インタヴューはあるし。とりあえず、ジョー・ヘンリーとスサーナ・バカのCDは買おうっと、という気になりました。クレイグ・ストリートがプロデュースしてたのね。●週末はウィンブルドンの決勝か。(1日)