●リンダ&テディ・トンプソン@横浜サムズアップ。ぼくがもっとも愛するミュージシャンのひとり、リチャード・トンプソンがかつてデュオを組んでいた相棒であり、元夫人でもあるシンガーがリンダで、テディはその2人の息子。はじめにテディが30分ほど一人で歌う。うーん、正直声も曲も線が細いっていうか、これっていうポイントがないかもなあ。アルバムもあまり印象に残っていないんだけど、どうなんでしょう? 休憩を挟んでリンダの登場。たまたま座っていたのが楽屋口のすぐ前で、なんとリンダが僕の背中を軽く叩きながらステージへ(^^)。腰回りはちょっと堂々としちゃったけど、美しさは変わらず。「Down
Where The Drunkards Roll」でスタートする。いやあ、この声だよ、この声。生で聴ける日が来ようとはなあ、と感無量。17年ぶりのアルバム『FASHIONABLY
LATE』(2002)からの曲を中心に、新曲などもまじえつつ、もちろん名曲「I Want to See The Bright
Light Tonight」(「一緒に歌ってね」)や、嬉しいことに意外や「Wall Of Death」も歌ってくれた。今日が初日だったわけだけど、終始リラックスしながら心のこもった歌を丁寧に聴かせてくれたリンダ。アンコールの「Dimming
Of The Day」が胸に沁み入りまくりました。やっぱりそうはいない素晴らしい歌い手です。日本ツアー、楽しんでくれますように。●サムズアップは初体験。入ってるビルは寂しげだけど(相鉄ムービル)どこからも見やすくて手頃な広さ。リーズナブルな食事もできて気に入りました。(30日)
●じつに信じがたいゴールが最後の最後の3分ほどのあいだに立て続けに決まって、もう興奮しまくり。いまだにちょっと信じられないんだけど、いやほんとうにサッカーってのはなにが起こるかわかりません。●話はもちろんJリーグのセカンド・ステージ最終節のこと。実質的に優勝の可能性を残す3チームのうち、磐田と横浜がぶつかり合い(@横浜)、もう1チーム鹿島がナビスコ杯優勝の浦和とアウェイで対戦、という願ってもない組み合わせとなった。磐田は勝てば優勝、鹿島は勝っても磐田が負けないと優勝できず、横浜は磐田に勝ってなおかつ鹿島が負けか引き分けで優勝、という状況。●で、マリノスは開始早々2分にいきなり失点。ラインが下がっちゃって中盤でいいようにボール持たれてる。そんなんじゃダメだろ〜、とか心配してたら15分にはGKが退場処分。しかも鹿島は前半で2点をリードしてるじゃないの。この時点で見てるこっちは半ば投げやり状態で、テンションも下がる下がる。でも10人になって気が引き締まったのか、内容がだんだん良くなってくる。磐田が一人多いようには見えないし、チャンスらしい形がときどき作れるようになった。こりゃ同点にさえ追いつけば、と再び力み始めた後半5分、ようやく同点に。でも小さい画面内画面ではPKを失敗する浦和エメルソンの姿が……。優勝はやっぱり磐田か、やだなあ、なんてまたがっかりモード。そこから浦和が3トップ体制にして1点を返したのがすでに76分。横浜は同点のままロスタイムに突入。キーパーが蹴ったロングボールが磐田のゴール前でぽ〜んと跳ねる。DFの山西が追いかけるがなにを勘違いしたのか、もう一度バウンドさせてしまって、ジャンプ力ではピカイチの久保が頭で先に当てるとそのままボールはゴール右上隅に。頭を抱える服部、名波……。逆転!! よっしゃあ! と思いがけない決勝点に、この時点で優勝は鹿島なんだけど、とにかく大騒ぎ。いや勝っちゃうよ、こりゃ。ふと気づくと小さな画面でもボールがネットを揺らしている。ん? 喜んでるのはエメルソンでないの。えっ、浦和が同点に追いついたわけ? こっちもロスタイム? うそ!……そりゃありえんだろ〜? 先に試合を終えた横浜では岡田監督はじめ選手たちがスクリーンに流れる埼玉スタジアムの映像に見入っている。どうも経過を知らなかったようだ。そのまま鹿島は引き分け。茫然とする秋田、小笠原……。優勝はなんとなんと横浜Fマリノス! 2ステージ制覇の完全優勝を成し遂げてしまった。こぶしを突き上げて走り出す岡田、泣きじゃくる榎本(GK)、男泣きの松田。●3月の開幕戦を静岡で見届けて以来8ヶ月。30試合目にこんなすばらしい結末を迎えようとは。感動だなあ。●その興奮を抱えたまま、夜はひょいと舞い込んできた仕事の打ち合わせで表参道へ。こういう仕事ならいくらでもやりますよ、ってなもんで、仕上がりが楽しみ。(29日)
●そうそう、映画をみたんだった。今年3本目? ジョン・キューザック(『ハイ・フィデリティー』)、レイ・リオッタ(『フィールド・オブ・ドリームス』!)、レベッカ・デモーネイほか出演、ジェイムズ・マンゴールド監督(知らない)の『アイデンティティー』。「そして誰もいなくなった」タイプの殺人ミステリー(と思わせて始まる)をほぼ1軒のモーテルだけで描くサスペンスもので、あっと驚くどんでん返しが……ってやつなんだけど、よく出来てました。見終わってからポスターやらキャッチコピーやらを見直して感心。ぼくは納得です。派手な俳優使ってないのが成功してるし、なんつったって90分と短いのが最高!(笑)。ただし、パンフでネタばれしてるのはイカンでしょう(たまにあるんだよね)。そこを読む前に観たから良かったものの。●佐野洋子「神も仏もありませぬ」(筑摩書房)、光文社新書「ナンバ走り〜子武術の動きを実践する」を購入。音楽書で買わなきゃいけないの溜まってるんだが。(26日)
●あまり、というかおよそ生産的ではないことで1日ドタバタしてしまった。う〜〜〜。「円盤」での佐々木敦×田口史人のトーク・ライヴにも顔出せず。●宮部みゆきの新刊『誰か……』は、ホッと心をなごませてくれる日本語や人情が随所に登場する、いかにも彼女らしい読み物。ミステリーとかサスペンスといった言葉は似つかわしくない。(25日)
●23日から24日にかけてのROVOのライヴがまたまた凄かったらしくて悔しいが、テニスの練習を控えていては行けなかった。のに、そのテニスがキャンセルに……。しょうがないので自宅でCDでも聴こうってんで、『FLAGE』などを音量大きめで聴き直す。音の肌触りがツルンとして物足りないかもと思っていたのは聞き込みが足りなかっただけで、『TONIC
2001』のいかにもライヴ録音らしい生々しいサウンドと比べても、やはり非常に優れたレコーディング作品であることを再確認。(24日)
●ホーメイ・フェスティヴァルをとりやめ、下北沢まで志田歩の歌を聴きにいく。素直に、きれいに声が出ていたと思う。いつ来てもそこかしこに知らない店ができていて、飽きない街ではある。●久しぶりに紙ジャケ探検隊のサイトを覗くと、ここでもやっぱりCCCD論議が。『NAKED』が、そのアホらしさを広めてくれたらいいと思う。(23日)
●13年ぶりという萩原健一のライヴ@渋谷公会堂。LPはずいぶんよく聴いていたものの、ライヴは今日が初めて。当時を知る友人は満足していたけど、どうにもバンドの力量が物足りず演奏が平板。ゲストで出てきた井上尭之のギターがすばらしくて、ますます差がついちゃった。ステージに登場するなり膝ついてお辞儀(っつうかほとんど土下座)しちゃうショーケンは、じつにスター!でした。声はさすがにちと厳しかったけどね。コンスタントな活動を再開した、というわけではないようで残念。しかしこの歳になってテンプターズのヒット・ナンバーを生で聴く日が来ようとは。●会社の試聴室で、ビートルズ『LET
IT BE NAKED』のCDとCCCDをちらっと聴き比べ。もう、ぜ〜んぜん違います。2〜3小節聴くだけではっきり分かる。音場感や定位はもちろん、楽器とかヴォーカルの響き方も違ってて、まるで別の録音かミックスを聴いているよう。CCCDのほうが締まりがなくてだらんとした音。CDの音を「オリジナル」と考えると、じゃあCCCDのサウンドはいったいなんなわけ? 「音楽創造のサイクルの維持」なんてゴタク並べてるけど、このCCCDの音はいったい誰が「創造」したわけ? 誰の作品? こんな、音楽をバカにしまくった愚行は早晩消えてなくなると信じたい。(21日)
●友人が本多横丁でやっているカジュアルなフレンチ・レストランで、英語・英文学方面の編集者と大学の先生と、3人で食事。日頃接することの少ない世界の話をあれこれ聞けて、楽しかった。料理も店も気に入ってもらえたようだ。日本酒もそうだけど、ワインも美味しいちゃんとしたのだと、悪酔いしないみたいだな、どうも。(20日)
●午前中は団交。10数分で終わった。営業と打ち合わせして、午後は企画会議。むたいないちゃもん付けられてボツりかけてる企画のリターン・マッチ(笑)。●カメルーン相手に戦った日本代表。パスとかの呼吸がびみょう〜〜にズレてて、惜しいシーンは多かったけど最後まで鮮やかな攻撃が見られなかった。ペナルティ・エリア内でやけにのんびりもたついてるように見えたのもそれも、相手が速すぎるせいなのか? かえすがえすも(久保ではなく)田中達也が見たかった。浦和は彼を東アジア選手権に出場させるために、セカンド・ステージを諦めるべし(爆)。(19日)
●何年ぶりになるのか、学生時代からのおつきあいが続いているママさんたちと軽く飲み。就職して間もないころ、仕事と離れたところでも人間関係を作ったほうがいいよ、と佐々木賢さんだったかな、してくれたアドバイスをしみじみ実感した。その佐々木さんとも来週は10数年ぶりにお会いすることになりそう。(18日)
●ガラス越しの日射しはポカポカでも、気温はだいぶ下がってきた。南の空にくっきり浮かぶオリオン座を眺めながら帰宅。●渚十吾さんの『エコー・マウンテン・レコード・ブック』の見本が上がる。ほぼイメージ通りの造本、装丁になって嬉しい。回りからも「きれい」「かわいい」という声。といって売れるとはかぎらない。油断は禁物。年内はあと27日校了予定の『ヒップホップ人名事典』(河地依子さんと白石裕一朗さんのお二人による書き下ろし)で打ち止め。●夏川りみの「涙そうそう」を初めてCDでちゃんと聴いた。心なしか音が硬めなのが気になるけど(テイチクのコンピ盤)、まったく飽きのこない絶妙なメロディと、登場したときから「スタンダード」みたいな声に聴き惚れました。(17日)
●まるで初夏のような、とまで言ってはおおげさかもしれんが、なんなんだこの好天と暖かさは。天気予報もほんと当たらんのう。●サンフレッチェ広島が一足早く昇格を決めたJ2、あとは最終節で川崎フロンターレではなくアルビレックス新潟が決めてくれるのを祈るのみ。問題はJ1だ。残り2節というところで首位にはいつのまにかジュビロ磐田が浮上してきたんだが、勝ち点差3以内に8チームがひしめくというとんでもない大混戦で、いったい何チームに優勝の可能性があるのかすら、よくわからない。計算上は次節にも磐田の優勝が決まる可能性もあるようだが(ここを参照)、いくらなんでもそう都合良く事が運ぶとは思えず、最後までもつれこむこと必至。マリノスはというと、3差の7位で磐田との直接対決を残している。とはいえやたら退場者出すし、U−20日本代表に戦力取られるしで、あと2試合をベスト・メンバーで戦うのは無理っぽい。最後の試合に駆けつけたくなりますように。●負ける高橋尚子を初めて見た東京国際女子マラソン。彼女の姿を追う沿道の人々の笑顔につい目が行ってしまった。(16日)
●ふだんより3時間早起きして荒川の河川敷で草サッカー。集まりが悪く、当方4人が先方に混ぜてもらうかっこう。最近は右サイドのディフェンスに定着(?)しつつあるんだけど、センターバック氏が「下がれ」「中に絞れ」「外をケアしろ」「クリア!」と細々指示してくれるのがありがたいことこの上なく、気分だけは本格サッカー。息が上がったとか言ってサボってられる状況じゃないので(回りが上手すぎ、速すぎ)死ぬほどへばりました。サイド抜かれちゃうとつらいっつうか情けないっつうか。20+20+15分フル出場はたぶん最長記録。通したパスの数、奪ったボールの数もたぶん最高(いやそういう問題じゃないんだが^^;)。3度の食事をちゃんと腹すかして食べられました。●ジョナサンで一服したあと出社して再校をチェックしたり企画書を練り直したり。レコfanの店内で『LET
IT BE NAKED』に聞き耳たてながら、バッファロー・ドーターの『シャイキック』、ディランのハイブリッド再発版『ANOTHER
SIDE OF BOB DYLAN』、佐井好子『萬花鏡+密航』などを購入して、「レコード・コレクターズ」誌を読みながら帰宅。ジョン・レノンのDVD買うしかないかも。サタデイ・ナイト・ライヴも見たいのお。●ふくらはぎが、か・な・り痛い……。(15日)
●今日も気持ちのいい天気でした。こんな日にクーラーつけたくなるなんて人は不幸ですな。●四谷のジャズ喫茶「いーぐる」のマスター、後藤雅洋さんは、数々の著作でご存じの方も多いと思いますが、音楽之友社のウェブサイトで連載「ジャズ喫茶が生んだ名盤たち」が始まりました。長年のジャズ喫茶経営の体験のなかから、ひと味違った名盤の楽しみを語ってもらいます。担当者入魂のデザインともどもお楽しみください。●ここ数日久方ぶりにむくむくとCD購入欲が湧いてきて困る。あんまり我慢しててもからだに悪いので(^^;)、ダニエル・ラノア、デヴィッド・シルヴィアン、ミシェル・ンデゲオチェロの新譜などをAmazonに注文。問題のビートルズ『LET
IT BE NAKED』もとりあえずショッピングカートに。●あ、今日はおふくろさんの誕生日だった。ちょっと遅れちゃったけどおめでとう! ってこんなとこからゴメン。(14日)
DVDもバーデン・パウエルとかジョニ・ミッチェルとかユッスー・ンドゥールとか、見たいものが溜まりつつある。●佐々木敦さんの雑誌「FADER」Vol.8を購入。字が小さい! 目次に日本語がない! 80ページで1000円。久しぶりに手に取ったMac雑誌は理解できない気配の記述だらけになっていた。●Amazonからソーラス(俊英シェイマス・イーガンが率いる、アメリカのアイリッシュ系グループ)の新譜(えーと、5枚目だっけ?)『ANOTHER
DAY』(Shanachie)が届く。が、そんなには期待しないで聴くつもりなのであった。(13日)
●気持ちよく晴れた。けど1日会社であれやこれやの原稿読み。●政治の話題は、なにをどう書いても、歯がゆかったり空しかったりなんか恥ずかしかったりするからあんまり書かないんだけど、そういうこと言ってるからダメなんじゃないか、という思いもあって、やっぱ書こ。●別に大したことじゃないんだけど、今回の選挙で分かったのは、たとえば、日本の有権者の4割近くは、自衛隊がイラクに派遣されようがされまいが、されるとしたらどんな目的でどんな政治的な役割を背負ってどういう手続きを経てどんな国民的合意をもとに行くことになるのか、とか、そんなことに対してどうしたいのか意思表示をしなかった、つまりどうとでもしてくれ、と思ってるんだな、と思われても構わない人たちなわけだ。それってつまり国家というもののありかたが自分の日々の生活となにか関係のある実体として受け止められてない、ってこと? だとしたら、これはやっぱりものすごく不健全なわけで。アメリカの覇権主義に盲従するのではなく、世界の平和は国連主導で維持した方がいい、つまりそのほうが日本にとってメリットが大きい、と考える僕には、ひょっとして「迷惑」ですらあるかもしれない。意思表示ぐらいしてくれよ、と思うんだけど。●なんて、でも無いものねだりもはなはだしいわけで、そういうことになっちゃうわけだよ、どうも政治の話は。僕の立ち位置の問題ってのがあるにしても。って、なに言ってんだか分かりにくくなっちゃったな。●とかなんとか苦労して書いても、や〜っぱりなんか居心地悪いのはなぜなんでしょ?(12日)
●夕刊の1面トップに「原発の後処理19兆円」の見出し。なにを今さら。後始末のコストも入れたら原発の方が割高だなんてことは20年以上前から指摘されてたじゃないすか。これで1キロワットあたりのコストは業界試算でも7円43銭。それって「6円40銭」(天然ガス火力)とか「6円50銭」(石炭火力)と比べて「同等水準」なわけ? 10%以上も違うのに? ほとんど詐欺だよな、これ。にしても今になって公表した真意は? ●M&IカンパニーのAさんから、沖縄は石垣島白保出身のシンガー新良幸人(あら・ゆきと)の新作CD『月虹』をいただいた。「月ぬ美しゃ(ツキヌカイシャ)」「安里屋節(アサドヤブシ)」「あがろーざ」「月ぬ真昼間(ツキヌマピロウマ)」などの八重山民謡をほぼ三線だけで歌う。今月19日発売。(11日)
●一度でいいから根本的に今とは違う政治のあり方、国のあり方を試してみたいもんです。試すことすら無理なのか。そんな余裕ないって? うーん……じゅうぶんあると思うんだけど。●ソウル・フラワー・ユニオンを見に行くはずが、日付が変わる頃にはなぜか高円寺で藤田正さんと泡盛飲んでました。感動的な話を聞いた。ぜったいに、マスコミに載ることはありえない話。本にしたいなあ。●必要があってこれまでのこの日記を見返したんだけど、隠したり誤魔化したりしてるつもりでも、そういう部分がけっこうくっきり出ている。ま、そういうもん、ですな。(10日)
●「モノづくりは無数の判断の積み重ねだ。もし、つくり手が自らの判断力に自信を失ったら、一体何がつくれるだろう。その判断を自分でなく外部に求めるのが、たとえばマーケティング調査を先行させる商品企画である」p197●「少しでも多く売ろうとなると、いちばん安易なところにチューニングしていくしかないじゃないですか。しかしそれは、確実に目的を見失いますよね」p201●「彼らの仕事が持つ魅力の源泉は、働く中でつくり手本人が感じている喜びや快感にある。またその仕事の感覚は「いつか」ではなく、いまこの瞬間に向けられている。彼らは仕事において「今この瞬間の自分」を疎外しない。自分がほかでもない自分であることで、その仕事が価値を持つことをよく知っている。このように行われる仕事は快楽として、本人だけでなく、他人をも疎外しないように思う」p221●「仕事を通じて、自分を証明する必要はない。というか、それはしてはいけないことだ。最大の敵は、常に自意識である。個性的であろうとするよりも、ただ無我夢中でやるほうが、結果として個性的な仕事が生まれる。仕事とは自分を誇示する手段ではなく、自分と他人に対するギフト(贈与)であり、それが結果としてお互いを満たす。これは理想論だろうか」p264●以上、ふたたび西村佳哲「自分の仕事をつくる」晶文社刊より。(9日)
「●今日もまた気温が下がらない。紅葉にはどんな影響が? ●7月に初来日は果したものの体調不良で公演できずに帰ってしまったリンダ・トンプソンの再来日が決定していた。スケジュールがますます立て込んで来ちゃったけど、行かないわけには。詳細はこちらで。●コンサートでは、ヤン・ガルバレクの来日もうれしい。会場がすみだトリフォニーというのも、音響面で期待大。帰りが遠いのは我慢しよう。ってチケットまだ買ってないけど。●ソニーが年末に発売するPSX。「DIME」の紹介記事を読むと、どうやら録画のレート設定がプリセットのみらしい。ちょっと痛いかも。早く詳細が知りたい。あ、銀座のソニービルで展示中か。それはいいけど早く発売日を決めてくれ。(7日)
●昼間は暑いくらいの陽気で11月とは思えない。●今月は少しゆっくりしたい、と思っているのを見透かしたかのように、夜の会合話が立て続けに決まり、けっきょく忙しい月になりそう。どれも楽しみだからいいんだけど。●ていうか来年はじめの数冊のスケジュールがけっこうタイトなことが判明。ゆっくりしてる場合じゃなさそう。考えないようにしてきたツケか……。●青山ブックセンターのKさんからTel。渚十吾さんの新刊をコーナー展開してくれるとのこと。ありがたいかぎり。●通販のタムボリンのカタログが届く。ここんとこ買ってもさっぱり聞けないので購買欲が落ちてるんだけど、スウェーデンのトラッドに良さそうなのがいくつかあるし、アイルランド勢の新譜もけっこう充実してるしで、久しぶりに注文することになりそう。●新譜といえばビクターからカナダ北東部のケルト文化圏ケープ・ブレトンの音楽作品を立て続けにリリースされている。美しい女性フィドラー、ナタリー・マクマスターの第6作『ブループリント』(はナッシュヴィル録音)と第5作『イン・マイ・ハンズ』、10代(!)4人という超若手バンド、ザ・コッターズ、それにドラムやベースも含むケルティック・ロック・バンドのスロンチャ・ヴァー(のみ11月発売)という3組4枚。いきなりどうしてカナダのケルトなのかよく分かりませんが、ケープ・ブレトンといえばフィドルのジミヘン、アシュレイ・マックアイザックの最新作もユニバーサルから出たし、とにかくトラッド方面をメジャーのレコード会社が出してくれるのは歓迎したい。スロンチャ・ヴァーはカナダ系の銀行が主催するチャリティ・ライヴを12月4日(木)におこなうそうだ。場所はカナダ大使館、料金は3000円(全額赤い羽根に寄付)とのこと。興味ある方はご連絡ください。ちなみに僕はまったく音は知りませんが、行くつもりです。●ニュース・ステーションでショーケンがハープを吹きつつ例の裏声で1曲バリバリのロックンロールを歌っていた。ミッキー吉野のキーボードがいいなあ。ライヴへの期待がつのります。(6日)
●渚十吾さんの単行本が校了して、年内は残り1冊。手を付けられずにいた原稿を少しずつ読み始める。日が落ちた頃になって雨が降ったら、とたんに気温が下がった。●5ヶ月ぶりに再開された村井康司さんの日記を読んで思いだし、「文藝」別冊の「色川武大vs阿佐田哲也」を購入。先日深夜のNHKで色川孝子さん(奥さん)のドキュメントを見たところだった。ふたつの名前で書いた原稿の文字がそれぞれまったく違うのを初めて見て驚愕。「狂人日記」を読み直したくなった。ところでこのムック、元「ユリイカ」の須川君が編集人だったけど、彼は河出書房に入ったの?>ご存じの方。●昨晩、仕事の話をあれこれ聞いたY君の勤め先、日立製作所が「来年から定期昇給を全廃」するそうな。100%能力給に移行、というのは大きな変化だが、それを望む社員も少なくないだろうとは思う。●土曜から行方不明だった定期入れが無事出てきた(自宅から^^;)。キャッシュカードの再発行はともかく、二ヶ月分の定期代はちょっと洒落にならなかったからホッ。●そんなこんなで気ぜわしく、今週のチャンピオンズ・リーグは再放送で見ることになった。迷った末に選んだのはセルビア・モンテネグロでのパルティザン×レアル・マドリード。この前の対戦から比べるとパルティザンの踏ん張りが目立つ見応え充分の試合だった。カシージャス(レアルのゴールキ−パー)が当たりまくってました。●来週の選挙はやっぱり民主党に入れることになるのかなあ、っていう程度でさっぱり盛り上がってはこないんだけど、昨日発表された仮想閣僚名簿に対するいちゃもんのアホらしさときたら。各種マスメディアは日本の政治家のレベルの低さを強調せんがために敢えてああいう恥知らずな発言を選んでるんでしょうか?(5日)
●夕方会議室で着替えて三鷹の法専寺でのお通夜へ。同じクラブの懐かしい後輩、先輩の顔が多く、お別れを済ませたあと駅前の飲み屋に集合。たまたま後輩ばかりのテーブルであれこれ聞いたり喋ったり。それぞれに充実した生活を送っているようで、少し気持ちを洗ってもらった気分。今度は悲しくない出来事のときにまた集まりたいね。(4日)
●ぽかぽか陽気に恵まれた日曜日、一橋大学の文化祭と市民祭が開かれた国立駅南口の大学通りはすごい人出だった。ソースせんべい、あんず飴、金魚すくいなどなど懐かしい出店をひやかして歩く。●今日は実家でナビスコ杯観戦。田中達也@浦和レッズはいますぐフル代表に呼ぶべし! ●高校で2学年下だった後輩が急逝というメールが届く。なんてことだろう。心からご冥福を祈ります。●学生時代から親しくている国立市富士見台団地のママさんグループのメンバー、トネさんに荻窪駅のホームでばったり。出版業界で仕事してる同士の愚痴、旧知の人たちの消息などあれこれと立ち話。下手したら10年ぶりとかなのに、ぜんぜんそんな気がしなかったが、還暦だと聞いてびっくり。ってことはあのころはまだ40そこそこだったのか。●テレビ朝日のIQテスト番組、IQったってなんの根拠が、とか疑いつつも、晩飯くいながらついつい真剣に取り組んでしまった(“巨乳”っていう分け方がすごすぎ)。石坂浩二に負けちゃって悔しいが、現役東大生よりはよかったってことでまずまずか(なにが?^^;)。したら山尾さん、全問正解とは! 40越えてパーフェクトって、そりゃあすごすぎます(^^)。●あいかわらずCDは聴けてません。キャリコとかビギニッシュとか久々に聴き直したアイリッシュ・バンドの良さを再確認。●どうやら定期券とキャッシュカードを紛失したもよう。(3日)
●「人々に支持される表現は、多数の無意識を代弁している。しかしその入り口は、あくまで個人的な気づきにある。〜中略〜深度を極端に深めてゆくと、自分という個性を通り越して、人間は何が欲しいのか、何を快く思い、何に喜びを見出す生き物なのかといった本質に辿りつかざるを得ない。歴代の芸術家や表現者が行ってきた創作活動は、まさにこのくり返しだ。自我のこだわりではなく、世界にひらかれた感覚をもってその仕事を行えるかどうかが、つくり手の器の大きさにあたるのだと思う」p148●「日本の企業組織には、社内の意見は過小評価し、社外からの意見は過大評価する傾向がある。多くの会社で、新しい仕事を阻む最大の障壁は社内の評価。身内を過小評価する心性の裏側には、自分自身に対する過小評価が貼り付いている」p148●「触れた時にグッとくる、得も言われぬ何か。それを企画書に記述するのは無理だし、試みること自体ナンセンスだ。大事なのはコンセプトの精緻化より、むしろスタッフ間のコンテクスト(共有知)を育むことにある。いい仕事の現場には、その育て方が上手い人がいる」p.52-53●すべて『自分の仕事をつくる』(西村佳哲著、晶文社、2003)より。(1日)
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