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04年6月

●ユーロ2004もついに残り3試合。準決勝の1試合目ポルトガル×オランダを朝から録画観戦。壮絶な打ち合いを期待したのにオランダが後半になると不甲斐なくて、2−1でポルトガルが見事決勝進出を決める(オランダの得点はオウン・ゴール)。2点目のマニシェのミドル・シュートも圧巻だったが(画面は意味のないリプレイを映していて肝心の瞬間を逃すという失態。今回の中継画面は現地の制作のようだが、ボールが動いているのにリプレイ映像やベンチやサポーターを映す頻度が多すぎる。見たいのはピッチの上でなにが起こってるかなんだってばさ。WOWOWの中継アナと解説者には文句なし。きちんとなにが起きているのかを伝え続けてくれている)、点こそ取れなかったもののフィーゴの動きが尋常じゃない切れ味。コクーとの1対1での勝負や右から切れ込んでのシュートとか、気持ちの入ったプレイにはワクワクさせられた。オフェルマルスとロッベンというサイド2人が仕事をできなかったオランダは、後半からマカーイを入れて2トップに、さらにファン・ホーイドンクも入れて3トップにして、ロングボールをポンポン前線に放り込むだけ。前回W杯欧州予選の最終戦、対アイルランド戦と同じようなラフなサッカーになってしまい、失望させられた。あれだけの選手を揃えておきながらどうしてあんなんなっちゃうのか。(30日)

●久々の(^^;)新刊2冊の見本があがり、発送の準備。そのうちの「ブルース・ピープル」(リロイ・ジョーンズが1963年に書いた米黒人音楽発展史の)の訳者さんに本を届けて軽く乾杯。(29日)

●ユーロも決勝前の2日間は休み。エアコンの冷たい空気に耐えながら日がな1日雑用と原稿読みに励む。このところ爽やかな晴天が続くが、梅雨はどこへ? ●エレンコ・レーベルの国内盤紙ジャケ・シリーズの発売が始まった。ほんとは全部揃えたいところだけど、まずは第1弾5枚の中から、なぜか持っていなかった『ワン・ノート・サンバ バーデン・パウエル・スウィングス・ウィズ・ジミー・プラット』を購入。ブライアン・ウィルソン6年ぶりの新作『Gettin' In Over My Head』も。(28日)

●不思議なゲームだった。前半、デンマークが押しまくり、チェコは持ち味が出せずに引くばかり。なんだけどデンマークはシュートが枠に飛ばず、有効なシュートはチェコのほうが多いという展開。どうなることやらと思っていると、後半5分のコーナーキックからコレルがヘディングであっさり先制。これを境に流れががらっと変わり、ポボルスキーのスルー・パスを受けたバロシュがループでキーパーをかわして2点目、その3分後にはネドヴェドがディフェンスの裏に出したパスをやはりバロシュが決めて3点目を追加。終わってみれば3−0でチェコの完勝といっていい結果となった。2年前のワールドカップでもデンマークは決勝リーグに進出した途端にイングランドにたしか同じ3−0であっさり負けている。突如として淡泊になるように見えるのが謎。●これで準決勝の組み合わせはポルトガル×オランダ、ギリシャ×チェコとなった。ポルトガル×チェコの決勝を希望。●佐野眞一「だれが本を殺すのか」が文庫化され、大幅な加筆があったので下巻のみ購入(新潮文庫)。「売れる本を作るんじゃない。買いたくなるような本を作れ」か。文章を読む楽しみはないけど、あれこれ興味をそそられるトピカルな話題が満載。その最終章“「本」の復活を感じさせる小さな予兆”と同じく、出版大不況のなかで元気に好成績を収めている出版社13社を取材したのが長岡義幸著「出版をめぐる冒険」(アーク出版)。おなじみトランスビューなどの新しい会社とともに、筑摩書房、ポプラ社、求龍堂などの老舗・中堅勢も取り上げられている。参考になるか、というと微妙なとこなんだけど、筑摩の売上げ31億というのにびっくり。その倍くらいあるかと思ってた。(27日)

●ベスト8の3試合目はまたまた名勝負。じりじりとしたにらみ合いが続いた前半といい、お互いに仕掛けまくり、惜しいシュートを放ちまくりの後半+延長戦といい(ユングベリやラーションのシュートは、どうして入らなかったのか……)、体力と知力をフルに使い切った、じつに密度の濃い死闘であった。ついに1点も入らなかったのに、120分という長さをまったく感じさせなかったのだから凄い。PK戦では妙な笑みを浮かべて悪い予感がしたイブラフモビッチがやっぱり枠を外し、最後は若いのに剛胆な表情をにじませるロッベンが見事に決めてオランダの準決勝進出が決まった。応援していたスウェーデンが敗退してしまったけど、掲示板にも書いたとおり、納得の内容。全員が自分のやるべきことをきっちりこなし、最後の最後まで勝利を諦めない、じつにタフで良いチームでした。監督が2人いて、どうやって意志決定してるのか、誰かぜひ取材してください。●午後は都内某所で、来年から施行される改正著作権法への対応を例の有志チーム+αでミーティング。その体制作りをどうするか、など3時間。このメンバーが集まったのはただの偶然みたいなもんなのに、いつもながら話が早くて、つまらん齟齬がないので気持ちいい。●帰りに中野レコミンツで、CCCDなので買ってなかった吉田美奈子の最新作『REVELATION』の新品未開封品(異様に安かったのは…?)、ビョーク『ヴェスパタイン・ライヴ』、曽我部恵一『Shimokitazawa Concert』(これだけ馬場のレコfan)を購入。『REVELATION』はラジカセで聞いたけど、じつに素晴らしくて、複雑な心境。(26日)

●やたら長々とまるで実況中継みたいにユーロの試合展開を毎日書いてますが、これ自分用の覚えですから。つまらん、とか文句言わないように(笑)。●で、昨日とは打ってかわってスリルに乏しい内容に終わったフランス×ギリシャ。ギリシャのマンツーマン・ディフェンスに対して、フランスはほとんど有効な攻めを見せることができず、ギリシャが狙い通りカウンター速攻からきれいにクロス〜ヘディング・シュートで決めた1点を守りきって勝利。優勝候補の最右翼が消えた。フランスは同じメンバーで長いことやりすぎたのだろうか? 足が止まっている場面が多かったし、躍動感も勝利への執念もまったく感じられなかった。せめて故障などで出られなかったジュリやシセ、選出されなかったマルブランクといった若手が出ていれば、と悔やまれる。ロッベン、ファン・デル・メイデ、ボウマ、ハイティンハなど20歳前後の選手をガンガン起用しているオランダあたりとは対照的だ。その分06年に向けてどんなチームを作っていくのか、興味深いものがある。(25日)

●朝7時ころからユーロのベスト8第1戦、ポルトガル×イングランドを録画観戦。延長30分とPK戦までフルに3時間の長丁場は、じつに名勝負であった。開始早々ポルトガルDFのミスからオウェンが技ありの大会初ゴールでイングランドが先制すると、その後はじりじりとした互角の展開。イングランドもパスワークを駆使したサッカーをやるようになったし、なにしろ大型の中盤4人にルーニーとオウェンを加えた攻撃陣が魅力的だし、ポルトガルも右サイドからは若きアタッカー、ロナルドが名手アシュリー・コールの壁を破ろうと必至にトライし続け、中央ではデコがつなぎ役=司令塔として駆け回る。ようやくポルトガルが追いついたのは後半も40分近くなってから。途中から入ったシモンのクロスを21歳のFWポスティガが鮮やかなヘディング・シュートを決めたのだ。俄然盛り上がったポルトガルは、延長戦後半の5分すぎ、これまた途中出場のルイ・コスタが左隅に向かってドリブルで持ち込んだかと思うと、右足を一閃! ボールは左上のバーをかすめてゴール! これはもう神業。間違いなく今大会ベスト・ゴールのひとつだろう。まるで勝利を得たかのように大喜びのポルトガルに対して、イングランドはさして慌てることもなくプレイを再開。その落ち着きぶりに感心していたら、5分後右コーナー・キック(当然ベッカム)をDFテリーが頭で折り返したボールをランパードがしっかり足下にコントロールし、振り向きざまの同点ゴールを決めてしまった。PK戦は1人目ベッカムの大外しから始まり、7人目ヴァッセルを(なぜか)素手で止めたGKリカルドが、最後は自分で決めて決着が付いた。この勝利はポルトガルにとってじつに大きい。優勝の目も大いにアリと見た。●スウェーデン人の尺八奏者グンナル・リンデルさんの講演@スウェーデン大使館。以前お会いしたとき(ユングベリのサインをもらってもらったのだった)とはうって変わって丸坊主になっていてびっくり。尺八から見た日本文化、というテーマで、俳句なども引き合いに出しながら、ときおり尺八の演奏も交えて2時間、明快な内容と滑らかな語り口に感心しながら楽しませてもらった。今度は演奏会に行かねば。(24日)

●このところチケットが買えずにいた吉田美奈子を久々に聞くことができた。といっても今日はいつものバンドではなく、ピアニスト倉田信雄とのデュオで、会場も品川キリスト教会のチャペル。ベンチ式の長椅子に座った聴衆は全部で300人ほどか。ぼくがオーディオ試聴の際に愛用している『Extreme Beauty』の1曲目「Voices」から始まる。アルバムではオルガンと女声コーラスで厚めのサウンド作りの曲だが、この日のバックはベーゼンドルファーのピアノだけ。歌の骨格だけが剥き出しになっても曲の魅力はいささかも衰えない。それよりも驚かされたのは、彼女の声が僕の記憶に比べてぐっと純度を高めていること。しかも当たりが柔らかくなめらかだ。ファルセットの高音からドスの効いた低音まで、幅広く多彩な声を自在にコントロールするテクニックは前と変わらないが、ひとつひとつの声が芯の芯まで磨きぬかれている手応えがあり、残響が長めなことやこぢんまりした会場の一体感もあいまってか、これまでにない美しさ。完璧さゆえの息苦しさのようなものを感じることもあったのだが、そうしたアーティスティックな側面が引っ込み、またひとつ新たな境地を切り開いた気がする。ごくプライベートな思いをかかえてのツアーだそうだが、MCもなごやかながらいつになくシリアスだった。盛大な拍手に応えて3度目のアンコールでは「声を聞かせて」を再度歌って終演。外に出ても幸せな温もりが胸のなかでぽおっと輝き続けるような至福のコンサートだった。CCCDなので未聴のままになっている昨年のアルバム『REVELATION』からの、玉置浩二作曲「傍にいる」はあまりにも名曲。●ユーロD組の最終戦はオランダ×ラトビアを観戦。ここまでスピード感あふれるFWふたりのカウンターで善戦してきたラトビアも、本来の実力を出し始めたオランダには貫禄負け。ファン・ニステルローイと途中出場のマカーイがしっかり3点を取った。勝てば準々決勝進出が決まるドイツは、メンバーを総とっかえしてきたチェコ相手に1−2で負け。ほとんど見るべきところのないつまらない試合ばかりだった気がする。06年はだいじょうぶなのか? 結果、ベスト8の組み合わせは、ポルトガル×イングランド、フランス×ギリシャ、スウェーデン×オランダ、チェコ×デンマークに決まった。どれもこれもまあ見逃せないっつうか、好試合必至だ。どれを生中継で見るかが悩みどころ。(23日)

●月イチの部内企画会議。今月は大量の企画書が提出されてて、終わったらもう夕方。●ユーロのグループリーグ最終戦は2試合同時にキックオフ。C組はアナログWOWOWではあとの放送(つまり生中継ではなく録画)のデンマーク×スウェーデンのほうを見たかったので、放送が終わってから見ることにした。この両国が2−2以上で引き分けると、イタリアはブルガリア相手にどんなに圧勝しようと敗退が決まる。イタリアが勝ち、デ×ス戦の決着が付いた場合はその勝者のみが進出というきわどい状況。グロンキアー、ヨーゲンセン、ロンメダールと両サイドに強力なアタッカーを揃え、トップにトマソンを擁するデンマークの優勢が予想され、案の定そのトマソンの見事なボレー・シュートで先制。1−0で折り返した後半早々スウェーデンはラーションがPKを誘って同点に。さらにデンマークは再びトマソンがシュートのこぼれ球を押し込んでリード。スウェーデン敗退の危機だが、いっぽうイタリアはなんとブルガリアに先制され、同点には追いついたものの1−1のまますでに試合は終盤に入っている。このままではイタリアは敗退が決まる。スウェーデンは押し込まれていたが、後半の44分、ウィルヘルムソンがまさに最後の力を振り絞ってゴール左に切り込んでいく。DFを抜き去ってゴール方向に折り返したボールをキーパーが弾き、それをヨンソンがシュート! ついに同点に追いつき、これでめでたく両者ともにグループリーグ突破が決まった。スウェーデンがディフェンスラインでボールを回すうちにロスタイムの2分間が終わる。イタリアはロスタイムにカッサーノが決勝点を入れ、喚起の声を上げるが、すぐ涙に変わってしまった。近年のイタリア・サッカーのレベルは高いとはいいがたいと思うが、それでも若手のピルロやカッサーノは力を発揮していたし、FWさえ若返りを図れれば、また巻き返せるんじゃないか。トッティの欠場はさして響いたとは思えない。●それにしても今年のユーロの充実度はすごい。若手の良い選手も多いし、力の拮抗した見応えたっぷりの試合続きだ。(22日)

●久しぶりに渡部晋也氏とミーティング。魅力的な企画の提案をいただく。●ユーロB組の最終戦はイングランドが4−2でクロアチアを、フランスがスイスを3−1で下し、順当に勝ち抜け。ルーニーの視野の広さ、キックの正確さ、ゴール前での落ち着きぶりには感心するしかない。フランスはアンリが2ゴールを挙げた。チームとして本来の力を出し始めてくれるといいんだけど。●蓮実[字が違う]重彦「スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護」(青土社)読了。中田讃の理屈には大いに共感するけど、小野伸二の名前がまったく出てこないのは不可解。ちょっと(というか、かなり)高等インテリ風な韜晦が鼻につきつつも、頷ける指摘があちこちに。本書ではぼろくそに言われている玉木正之のスポーツ批評とは対照的なキャラとして、僕には楽しめた。(21日)

●ダーヴィッシュ@渋谷クアトロ。彼らの出身地スライゴーには一晩だけ泊まったことがある。夜9時頃に着いて宿を決め、パブを求めてふらふらしてたら1軒だけ音楽が聞こえてくる店に遭遇。地元の客4、5人に混じって若者たちの演奏を聴いたのでした。由緒ある名所旧跡も多そうだったけど、とにかく人が少なくて静かな街、という印象だった。それはともかくダーヴィッシュは、のっけからリラックスした様子でノリノリ(^^;)モード。弦楽器3本で組み立てていくリズムがたまりません。前半に好きな曲が固まっていたので、後半は静かめに見てたんだけど、最後の最後のアンコールでヴェーセンの「Josefin's Waltz」をやってくれて大感動。まさかあれが聴けるとは……。●ユーロはグループ・リーグの最終戦に入った。A組1試合目のスペイン×ポルトガルは、どちらかがどうあっても敗退せざるをえないという大一番。ポルトガルは、ルイ・コスタを外して、チャンピオンズ・リーグで優勝したポルトの司令塔デコとイキのいいクリスティアーノ・ロナルドを先発に起用。スペインは中盤の左にビセンテ、右にホアキンという強力なサイド・アタッカー、FWにラウールと、モリエンテスではなく東北の高校生みたいなフェルナンド・トーレス(20歳)という布陣。引き分けでもいいスペインに対して、勝たねばならないポルトガルのほうが必死度で優っている気配だが、どちらも惜しいシーンの応酬。均衡が破れたのは後半12分、途中で入ったヌーノ・ゴメスがルイ・コスタからのアウトサイドでのダイレクト・パスを受けて反転、ふりむきざまのシュートがゴール左隅に決まった。そのあとはヒートアップするいっぽうだったけど、結局スペインはどうしても1点が取れず、終了。同時に進行していたロシア×ギリシャは、ロシアが意地を見せたか2−1で勝利し、結果ギリシャとポルトガルの決勝リーグ進出が決まった。●ス×ポ戦では主審フリスクさんの仕事ぶりも素晴らしかった。えてして過熱して退場者が出たり疑惑のPKが与えられたりしがちなところだけど、試合の序盤は厳し目にファウルを取って引き締め、後半は簡単にイエローを出したりせず、選手をプレイに集中させていた。このフリスクさんに限らず、今大会では審判のレベルがうらやましいくらいに高い。(20日)

●昼間はたぶん部屋の片づけとかしてたはず。1週間前なのにもうなにやってたか思い出せない(^^;)。●ユーロはD組の2試合目。初出場のラトビアがドイツと0−0の歴史的な引き分け。ベルパコフスキスやルビンスあたりはビッグ・クラブから声がかかりそうな快足ぶりが爽快。ドイツはダメですな、こりゃ。見ててぜ〜んぜん楽しくない。もとからだけど。2試合目のオランダ×チェコがすごかった。好ゲームが予想されはしたけど、2点先行されたチェコが、FW3人を投入して守備的な選手は3人だけという超攻撃的布陣を敷いてとうとう逆転勝利。ネドヴェドのセンタリングをコラー(コレル?)が胸で落としてバロシュがボレーで決めた2点目は素晴らしかった。オランダは、左サイドで切れまくっていたロッベンを下げて逃げ切ろうとしたのが明らかに裏目に出た。この采配は批判されそうだな。自分たちの得意なスタイルを貫かないといかんよね、やっぱ。ネドヴェドは、88分の3点目につながるミドル・シュートも放ったし、マークされてるだろうに期待通りの活躍ぶり。(19日)

●ユーロ7日目。ゴール裏に客席がなくて、片方は岩山、片方は土が剥き出しの崖という不思議な作りのブラガのムニシバル・スタジアムでは、ブルガリア×デンマーク戦。ブルガリアは、巧いんだけどいかにも線が細く、スキのないデンマークに完敗。で、イタリア×スウェーデン。イブラヒモビッチがゴール前の混戦の中、ゴールに背を向けたままヒールで放り込んだシュートが、ヴィエリの頭とバーの間のわずかな隙間をすり抜けてゴールへ。リプレイ見ないとなにがどうして入ったのか分からなかった、終了間際の同点劇でした。これでイタリアは連続の引き分けで苦しくなってきた。(18日)

●ぎりぎり仕事は片づきそうだったが、懐具合とユーロ観戦を考慮して、ダーヴィッシュの名古屋公演は諦め。●B組の2試合目。イングランドはスイスに3−0で快勝。ウェイン・ルーニーがすごい! フィジカル強くてスピードあってシュートも強烈。視野が広くてパスも出せるし柔らかいプレイもOK。2点目のシュートなんざあ、もう呆れるしかない。これはオウェン以上の選手になるのでは。これで18歳だもんなあ。平山相太と同学年ですよ? いっぽうフランスはDFデサイーのクリアミスからプルショに同点シュートを決められて引き分け。どうもツメが甘いというか、テンション低そうなのは初戦と同様な感じ。●辻垣正彦「やっぱり昔ながらの木の家がいい」、タイトルがクサいけど晶文社を信頼して購入。言ってることはすべてごもっとも、と僕は思うが、6千万も7千万もする近所の建て売り住宅がポンポン売れていくところを見ると、こういうことは気にしない人が多いようだ。(17日)

●数ヶ月ぶりのリアル・サッカー@砧公園。咳が収まらず冴えない身体に15分×2+10分×2の長丁場はきつすぎ。ほとんどなんにもしないまま終わってしまった。いっちょ前に悔しかったり。でも試合は2対2の引き分け。チームのエース(?)O君の鮮やかなボレー・シュートは奇跡のようだった。食事とビールを求めて店に入ったら、大型ディスプレイにいきなりドイツ×オランダ戦終盤の映像が。観念して結末を見届ける。ファン・ニステルローイの同点弾はスーパーだったけど、低調きわまりないはずのドイツ代表相手にこんな試合やってて大丈夫か、オランダ。2試合目に入ったA組では、ポルトガルは持ち直してロシアに快勝したが、ギリシャが開幕戦に続いて好試合を演じてスペインと引き分け。このまま行くとポルトガルかスペインのどちらか敗退じゃないか!(16日)

●タンゴの踊り方本を著者と、関口義人さん書き下ろしのブラス本をデザイナーN氏とそれぞれ打ち合わせ。Nさんから見せてもらった吉増剛造の詩集の組み版に驚嘆。毛利嘉孝「文化=政治」(月曜社)の装丁もNさんで、ありがたくも1冊頂戴する。●ユーロ4日目は大好きなチェコ、それにオランダの登場。ラトビアに先制されたときはどうなることかと思ったけど、超攻撃的な布陣に切り替えたチェコが底力を見せて逆転勝利。ネドヴェド、ポボルスキ、ロシツキ、スミチェルと揃った中盤のスピーディなカウンターに惚れ惚れ。なかでもポボルスキが切れまくっていて、鮮やかなサイド突破からDFを翻弄して絶妙なクロスを何本も上げていた。オランダ戦は翌日の夜見ることにして就寝。(15日)

●三井徹さんの退官記念論集の実務を引き受けていただくOさんと打ち合わせのあと、渋谷で『ブルース・ピープル』(リロイ・ジョーンズ=アミリ・バラカ著)の入稿用データを受け取る。会社に戻って中味を確認したら、あちこち直しの必要があって、けっきょく青焼きで差し替えることに。どうもクオークは苦手だ。●ユーロ3日目は、2年前に宮城でセネガルと死闘を演じたスウェーデンが、技巧派のブルガリア相手に5点を取って圧勝。あんまり一方的だったんで参考記録っぽいけど、ラーションは健在だし、イブラヒモビッチはすっかり一人前になったし、そこにユングベリがからんだ攻撃力はかなりのものと見た。ヴェーセンの来日で急に親近感を増して応援してたので、この勝利は嬉しい。同組のイタリアは、安定感抜群のデンマーク相手に0−0の引き分け。ヴィエリがどう見ても絶不調で、ディバイオのほうがまだいいんじゃないの? インザーギの欠場が痛い。パヌッチが2年前と同じ人とは思えない溌剌としたプレイをしていて驚いた。ああいう正確なクロスを上げられる人だったのね。(14日)。

●ゲラの受け渡しなどで昼は新宿へ。好天の下、喫茶店をはしご。さあて帰る前にユニオンでも覗くか、と入りかけたところで、旧知の元編集者・現翻訳家のOちゃんにばったり。どえらく久しぶりだったので、ダブリナーズでギネスを1杯だけ飲みながら、Oちゃん得意の特撮映画話を聞く。ユニオンではW君に推薦盤を聞きつつ、ラ・ルー(La Lugh)の(たぶん)ファーストと、Droneレーベルの『SAGSKARA:APELGRA』をジャケ買い。●ユーロ2日目はいきなりの大一番、イングランド×フランス。日本戦の序盤で見せたような素早くスムーズにパスが回るイングランドが終始優勢。いつもながらに美しい軌道を描くベッカムのFKをランパードが頭で決めて先制。ところがどっこい終了間際、レアルではめったに蹴っていないFKをジダンがゴール隅に決めて同点。あんな場所でファウルしちゃあダメだよ、とか言ってるうちにロスタイム、ジェラードがキーパーに戻したボールをアンリにさらわれそうになり、たまらずGKジェイムズが飛び込んでPK。再びジダンが決めて、劇的な逆転勝利となった。フランスはでも、勝ったはいいけどチーム全体のムードが冴えず、先行き不安。イングランドはルーニーの成長ぶりが頼もしいし、ベッカム、ランパード、ジェラード、スコールズという中盤4人は躍動感にあふれていて楽しい。これでファーディナンドがいればなあ。(13日)

●いよいよユーロ2004開幕。至福の23日間が始まる。ゴールデンウィーク中にHDD内蔵DVDレコーダーも買ってあるし(パイオニアのDVR710-R)、ビールとつまみを用意してテレビの前に陣取る。おおっ、フィーゴだルイ・コスタだ、あれ? デコは出ないのか? とかワクワクしながら見始めたはいいが、ポルトガルがな〜んかおかしい。ていうかギリシャがものの見事にポルトガルの攻めを封じながら、ポルトガルの守備のミスをついて2点を奪取して勝利。うーん、ポルトガル〜〜、頼むよ! ●かたやスペインもロシア相手に点を取るのに苦労していたが、バレロンが代わって入ったとたんにゴール正面から落ち着いて決勝点を蹴りこんだ。ラウールがちょっと精彩にかけるような。(12日)

●ソウル・フラワー・ユニオン@初の渋谷クアトロ・ワンマン。もうなんていうか、歌の喜び、音楽の幸せ、ここにあり、なんて言いたくなるぐらい素晴らしかった。「極東戦線異状なし」は、歌詞だけ読むとたいていの人は腰が引けそうなベッタベタな反戦歌で、ふだん音楽を聴くときに歌詞の意味というものをまったく意識しない僕は、言葉が先に立つような歌は苦手なんだけど、これはまったく抵抗がないどころか、曲にこめられた真情がひしひしと伝わってきて、安易なメッセージ・ソングなんかにはなっていない。じつに音楽的で、コーラスには胸が熱くなる。元気出た。●仕事がたまっているので打ち上げはパス。例によってご近所の石田さんに車で送ってもらいながら、イラクの人質のこととか著作権法改正反対運動のこととかあれこれお喋り。(11日)

●みごとにソウル・フラワー・モノノケ・サミットと重なっちゃったけど、泣く泣く(ウソ)埼玉スタジアムで日本代表×インド代表。手に入った席がゴール裏の自由席のすぐ脇だったおかげで90分立ちっぱなしの観戦とあいなった。こんなに余裕のある展開なんだからじっくり座ってみようよ〜! もう二度とカテ3は買いません。帰りの苦労を避けるべく後半40分で立ち上がり、バス乗り場へと急ぐ。さらに1、2点は取ってほしかったところだけど、ともあれこれで本来の実力を出せるようになったと思いたい。(9日)

●神保町、池袋と回ったあと、渋谷で佐々木敦さんと長話。ゆっくりお会いするのは10年ぶりくらいのはずだけど、そんなブランクをちっとも感じないまま楽しくよもやま。仕事になるといいのだけど。(7日)

●すばらしい快晴の下、従弟のA君の晴れの結婚式@銀座。増える一方らしいレストランでの挙式(ビルの中にかんたんなチャペルがある)のあと地下の会場で披露宴。お客さんは親戚一同プラス友人(若い!)というメンバーで気楽だったし、生まれて初めての司会はなんとか大過なく務めることが出来た模様。飲むと咳が出るのでアルコールは我慢。伯母夫婦のアイデアで急遽全員にマイク回したのがヒットだった。調理師同士の2人、夢はイタリアン・レストラン経営とか。食べに行きまっせえ。(5日)

●延々と咳が収まらず、日によっては身体がかなりだるかったりするので、睡眠時間をきちっと確保しつつ仕事に追われる。夕方上智大を訪ねて飯野さんとゲラの打ち合わせのあと、キャンパス並びのアイリッシュ・パブで1杯だけ。ここのギネスはかなり美味いっす。チケット買ってあったのに持って出るの忘れちゃったりしたせいもあって、遠藤賢司のライヴは諦め。無念である。(3日)

●ひょえー、フル・メンバーのイングランド代表相手に引き分けちゃったよ! 三都主のきれいな折り返しを小野が股抜きで同点ゴール! 胸のすくような鮮やかな連携だった。イキのいい攻撃的な選手ばかりを揃えたイングランドに対して、1点しか許さなかったのは、親善試合とはいえ素直に喜びたい。けど、イングランドはユーロだいじょぶか?(1日)