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04年7月

●青山南さんの「アメリカ深南部」(NHK出版)を読み返しつつ、池袋ジュンク堂へ。「書店風雲録」の田口さんとお会いして10月のイベントの打合せなど。終わったあとは当然店内を探索。1階にレジが集中してると各フロアが静かでいいな、とか、人手も少なくてすむかも、などと改めて思った。大型店も快適な空間を提供してくれる店が生き残っていくのか。紀伊国屋の運命いかに。(30日)

●どうせ夏休みとかいってもどこに旅するでもなし、ささやかな贅沢ってことで見て来ちゃいました、生レアル・マドリード@国立競技場。からだがガッチリと大きいこと、瞬間的な動き出しの速いこと、異様にミスが少ないこと(すべてのボールがしかるべき強さとスピードとコースと回転で、しかるべきポイントに飛んでいく感じ)、読みの的確なこと、などなど、さすがなプレイを見せてはくれましたが、まあでもこれは試合というよりは興行ですね。生ベッカム、生ロベカル、生フィーゴ、生ラウール、生サルガド、生カシージャス、生モリエンテス、生グティ、生エルゲラを見たぞ、と(先発はほかにパヴォンとサムエル)。ジダンとロナウドはウォームアップすらまともにせず、出番のないまま終了。後半はたるかった。対戦したジェフ市原では大型MFの村井が目立ちました。(29日)

●台風の影響か、さほど気温が上がらず過ごしやすく感じた1日。●アジア・カップのグループ・リーグ最終戦は対イラン@重慶。ほぼ互角あるいは少し日本が攻勢だったか。最後の10分近くは互いに引き分けでOKモードとなり0−0のまま終了。移動する必要もなく、韓国も避けることができて、まあよかったのでは。その辺はどっちともいえないけど。玉田の調子が上がりつつあるようなので楽しみ。ってことにしとこう。(28日)

●部会。●秋に出す書き下ろし単行本の本文レイアウト第1案できる。できれば避けたい横組みでどの程度読む気になれるものができるかトライしてみたんだけど、いまどきの雑誌ふうに級数小さめのゴチック体の本文にして、小口側の余白を広めにしたら、なんとかいけそう。さらに細部を詰めることにする。●小倉純二「サッカーの国際政治学」(講談社現代新書)、宮内泰介「自分で調べる技術 市民のための調査入門」(岩波アクティブ新書)、ラティーナ8月号を購入。●↑宮内は学生時代からの友人。ついに岩波文化人の仲間入りか(笑)。なんてことはなくて、地に足の着いた刺激的な本です。“自分たちが自分たちのことを決める、という、言ってみれば当たり前のことを実現していくために、この本では、「調査してみよう」ということを主張したいと思います。「調べる」ことを通じて、一見複雑になったこの社会で、自分たちのなすべきことを見つけていこう、ということを主張したいと思います。”−−著作権法改正案反対の動きにも大いにつうじる、市民による政策参加の方法がきわめて具体的、実践的に書かれていたり、「4 まとめかたとプレゼンテーション」には、調査レポート等だけでなく、一般のインタヴューや音楽評論でも同じことがいえる大事なポイントがきっちり押さえてあったりします。社会学者は流行りとはいえ、「行動派社会学者の情報収集・整理のノウハウ」っていう帯のコピーが弱いなあ。アクティブ新書はちょっと見つけにくい書店が多いかもしれませんが、ぜひご一読を。(27日)

●企画会議。●佐藤芳明(アコーディオン)と林正樹(ピアノ)のデュオ@大泉学園in Fを聴く。ソロ楽器としてのアコーディオンの可能性と難しさを感じた。佐藤さんお薦めのバンドネオン奏者Dino Saluzziのアルバム『Mojotoro』がちょうどAmazonから届いたんだが、『Responsorium』がいいとか。こちらからはカレン・トゥイードとアンディ・カッティングを、ちょっと方向性は違うけど推薦しておいた。(26日)

●ABC閉店の件。書店経営そのものは順調だったという見方もあるようだし(ココとか)、相変わらず原因が明らかにならない。で、新宿ルミネ店にはふたつともブックファーストが入るとのこと。しかも8月1日開店って、早いねまた。新宿東口の三越には、秋の新装オープンからジュンク堂が入るそうだし(紀伊国屋本店の斜向かい!)、となると新宿書店事情としては個人的にはOKなんだけど。●アジア杯の日本代表、2試合目のタイ代表戦は無事に勝ってグループリーグ突破を決めた。のはいいんだけど、内容は感心しない。相変わらず動きが少なくて連動性に欠けるし、覇気というかやる気というか勝つ意欲みたいなのが希薄で、あれじゃあ相手も怖くないだろうな。長年の強敵イランを相手にすればなにか変わるだろうか? 小笠原と松田の先発希望。(24日)

●吉田達也(ds)とナスノミツル(b)とのトリオ編成で一噌幸弘(能管、角笛、他)@新宿ピットイン。生ける千手観音みたいなこのドラマーと一噌との組み合わせは期待通り。互いに一歩も譲らず、どっちがどっちに合わせるでもなく音をぶつけあってスリリングこの上ない。強靭無比な一噌の笛と対等に渡り合えるドラマーは世界広しといえどそうはいないだろう。ナスノのベースを聴くのは初体験だったが、ドラムにリードされて無難に収めた印象。演奏した曲はほとんどこのトリオのための書き下ろしだというし、これから回数を重ねていけば変化していきそうで、楽しみ。しっかしこれだけの音楽をたった40〜50人しか聴いてないなんてもったいなさすぎ。業界人の顔も見なかったし。珍しくタイトルをメモったので以下セット・リストってことで。笑ってください(^^)。 1.獅子(能の曲らしい。一噌のソロ。思わず居住まいを正しちゃうような強烈なテンション)2.風邪引いて困っちゃったな 3.むむ 4.角笛即興曲第2番(リコーダーの2本吹きも交えて) 5.作品39-5 ト短調 6.ふふふ 7.一巡 8.13.5拍子の舞(「かんたんに言うと8分の27拍子です」) 9.アンコール(曲名はアナウンスなし) ※曲名の表記は推測です。●行きがけにディスク・ユニオンでニール・ヤング『Hawks & Doves』紙ジャケを購入。(23日)

●ふざけんじゃねえ! んなこたあ自分たちで決める! ただの内政干渉だろ! しかもなにが「留意しておきたい」だ! 右翼も左翼も騒げ! 自民党本部とアメリカ大使館にデモぐらいかけろ! あ、いやアーミテージの発言のことなんすけど。こうやって反応すればするほど敵の思うツボですかね。軍隊を駐留させられてる属国の悲しさ。舐められまくりですな。(22日)

●大鷹俊一さんと打合せ&よもやま話のあと、なんだかずいぶんちっちゃくなっていたレコfan吉祥寺店で、『ジューサ』、Paul McGrattan『The Frost is All Over』(800円ぐらい)、Nordman『Ingenmansland』(ヴェーセンのミカエルとローゲルがゲスト参加しているグループ。700円ぐらい)、それに税込み400円弱だったので宇多田ヒカル『Distance』(低音の量が尋常じゃなく、長岡鉄男さんが誉めただけのことはある録音だけど、家でずっと聴いてると疲れそう)を購入。(21日)

●とんでもない暑さで記録に残った1日。ここまで空気が熱くなったのって初めてでは? ●最近シークァーサー・ジュースにはまっている。どうやって飲むかというと、ビールで割るのです。泡が立ちにくくなるという難点はあるけど、さわやかで最高。これならスーパードライでもOK(ギネスやハイネケンはこういう飲み方はしない)。そうだ、今度発泡酒でも試してみよう。●アジア・カップ、日本の初戦はワールドカップの一次予選でも同じ組に入っているオマーン。優勝候補が軒並み苦戦のスタートだが、日本も動きが鈍い。反応が半歩ずつ遅くて、オマーンに主導権を握られっぱなし。それでもとにかく中村俊輔が左足アウトで決めたミラクル・シュートで勝ち点3を獲得。よしとしましょう。●青山ブックセンター閉店関連の情報を求めて少しネットを探索。メイン取次の栗田はだいじょうぶなのか、版元は商品を回収できるのか、そもそも原因はなんなのか、など気になることはいろいろあるが、さっぱりわからない。負債額がぜんぜん明らかにならないのはどうしてなんだろう? 六本木店はひょっとしてTSUTAYAに食われたのかな? ●久々にタワレコを探索してたら、洪水のようなCDの量にクラクラしてきた(^^;)。松永孝義のソロ・アルバム『THE MAIN MAN』を購入。(20日)

●大友克洋の新作『スチームボーイ』、すばらしいです。夢と希望と勇気にあふれた少年冒険SF活劇の王道。一分の隙もない傑作。いや感動しました。大学生ぐらいのカップル客が多かったけど、もっと子どもにも見せたいなあ。もう問答無用でお薦め。●映画といえば金井美恵子「日々雑録」によると、ゴダールがこんなことをインタヴューで言ってたそうで、笑いました。「ちょっとした時間があって、気晴らしに映画でも見ようかという人たちは駄目な北欧映画、駄目な日本映画を見るのではなく、駄目なハリウッド映画を見る。自分もそうするが、それが何故なのかわからない」。(19日)

●へぼテニスで一汗じゃない大汗かいたあと、久々の高円寺「円盤」で副島輝人さんの連続講座「日本フリー・ジャズ史」。今日のゲスト横川理彦さんが、シリアやレバノンなどのいま現在のポップ・ミュージックや伝統音楽をかけまくり話しまくるという趣向。ほとんど聴いたこともない名前の聴いたことのない音楽ばっかりで、刺激的でした。横川さんは毎月「サウンド&レコーディング・マガジン」で非常に質の高い音楽書の批評を連載していて、ぼくが作った本もほぼ全部取り上げてくれている。ようやくご挨拶できた。自分の得意な/好きなジャンルに限らず、そうとう多岐に渡って取り上げていて、頭が下がる仕事です。あと片山杜秀さんの書評もまとめたいとは思うのだが。店に預けていたCDの売上げを精算してもらって、ちょっとホクホク。(18日)

●アメリカの学者が書いたトロピカリアの研究書に難渋中。3章に入ると一気に楽しくなりますよ、という国安さんの言葉を励みに進めてます。●夕方雨が降ったせいで熱帯のように蒸し暑いなか、2ヶ月連続で草サッカー。10分×4本やって0−4で完敗でした。体調も良かったし、たまにはと思って何度かゴール前に出ていったら、ど真ん中でボール持てたりしたんだけど、当然シュートに持っていくことすらできず(泣・笑)。しかし今までで一番走れたんじゃないかな。そうなるとますます、まったくボールをコントロールできないのが悔しいんだけど。ちょっとないぐらい汗だくになってシャワー浴びて、いやあそのあとのビールのうまいことうまいこと。(16日)

●ハーラン・エリスンからタイトルをモロにぱくったバカ売れ小説を、ひょんな弾みで読みました。すでに知っていたプロットと売れ方、世の反応からの想像をまったく一歩も出てくれなくて、書いたのはせいぜい30代前半だろう、と思ったら、僕より上でやんの。これで作家として食べていけるとは。なんて良い世の中なんだ。校閲部の人はチェックしなかったのか? っていう表現が7、8ヵ所。少なくとも「いたたまらない気持ち」は誤植と思いたい。読んだのは28刷りだけど。とか言ってる編集者にはベストセラー小説は作れない、ってことなわけですが(^^;)。(15日)

●団交、打ち合わせ、発送作業、書類書き、原稿読み、U-23チュニジア戦@豊田。●夜はだいぶ楽になるので、まだ寝るときにはほとんどクーラーが要らないから助かる。でも昼間は暑い! 冷房病一歩手前。●最近の買い物覚え。CDはリチャード・トンプソン『FAITHLESS』(公式サイトのみで販売している85年のライヴ盤。五十嵐さんがまとめ買いしてくれたもの。このメンバーにジョン・カークパトリックを加えて来日したときにパルコ劇場で見てブッ飛んだんだった)とウィルコの新作『A Ghost is Born』(Nonesuch)と、あれ? こんなもんか。確か数枚Amazonに注文中。本は『フォトグラファーの仕事』(平凡社)、浅羽通明『ナショナリズム』(ちくま新書)、金井美恵子『日々雑録(ひびのあれこれ)』(朝日新聞社)、フォーククルセダーズ特集の「ロック画報」、隔月刊化された「ジャズ批評No.120」(新しい世代のジャズ特集にはアン・サリー、ジェイミー・カラム、ジョー・ヘンリー、モレーノ+2、オゾマトリ、シンク・オブ・ワン、トータスといった名前も。「ニュース性や話題性を活か」す方向にシフトするそうだが、デザインやレイアウトが変わっていないのがじつにもったいない)。イアン・ピール著、角松天訳『ポール・マッカートニーとアヴァンギャルド・ミュージック』は版元のストレンジ・デイズからいただいた。角松氏は友人というか後輩というか、相棒の元同僚というか。「本とコンピュータ」第2期12号には「出版社はなぜ消えないのか?」という記事が。鎌田慧の『狭山事件』(草思社)も読みたいんだけど我慢。●東京三菱とUFJが統合されるらしい(合併とどう違う?)。なんだかレコード会社並みに寡占化が進むな。という解釈でいいのか? 支店が増えるのは助かるけど。●阪神に続いてヤクルトと横浜も1リーグ制反対を表明。世論の風向きを見て大丈夫と判断したのか、なんて勘ぐったりもするが、とにかく言いたいことをはっきり言ってくれ。1リーグ制そのものが衰退につながるのかどうかは分からないけど、こんなやり方してたらどっちにしたってファンが増えるわけない。(14日)

Era鬼怒無月g+壺井彰久vn)@マンダラ2。セカンド・アルバム発売記念ライヴということらしい。この2人だとグッとプログレ度が高まって、ぼくの好みとしては微妙な路線なんだけど、なにしろ2人とも演奏レベルが半端じゃないし、曲の展開がめまぐるしくて付いていくのも大変だし、ときどきトラッドが匂うメロディが出てくるしで、緊張の解けるひまがない。ゲストに太田恵資(ヴァイオリン)、柏木広樹(チェロ)、佐藤芳明(アコーディオン)の3人が加わった後半は、ますます多彩で躍動的、次から次へと繰り出される仕掛けの多い技に聴き惚れるばかり。なかでも、ずーっと名前が気になっていてようやく聴けた佐藤芳明のピアノ・アコーディオンはすばらしい! ほかのどんなアコ奏者もやってない独自の世界を切り開こうという気概に満ち、しかしけして聞き手をおいてけぼりにすることのない、じつに音楽的に豊かな演奏。終演後にお話したら「アコーディオンっていうとミュゼットばかりになっちゃうのをなんとかしたいんですよね」と熱っぽく語ってくれました。スケジュール見て、また見に行きます。今ごろ知っといてナンだけど、声を大にして強力にお薦め。(8日)

●ユーロ2004決勝はがんばってリアルタイムで見たんだけど……。あの地道なプレイを正確に集中力も体力も切らすことなく6試合続けたギリシャには敬服するしかないでしょう。ワクワクさせてくれるサッカーではなかったけど、決勝リーグ3試合を無失点なんだから文句のつけようがないっていうか。ここぞと攻めに転じた時の展開も見事だったし。今朝なんてCKはあの決勝点の時の1回だけなんだからなあ。やんなっちゃうよ、ほんとに。ポルトガルは終盤気負いすぎだったな。堅かったもん、プレイが。で、総集編としてあれこれ適当に部門作って選んでみました。ベスト、とか言ったってただの好みだけど。いやしかし24日間、楽しかった! 

[ベスト解説]スウェーデン×オランダ戦での信藤健仁(WOWOW)
[ブライテスト・ホープ]クリスティアーノ・ロナルド(ポルトガル)
[ベスト・ショット]対スウェーデンのPK戦でメルベリを止めた後、「次はお前の番だ!(と言ったかどうかは知らないが)」と次のキッカー、ロッベンを指さすGKファン・デル・サールのアップ
[ベスト・ゴール]ポルトガル×イングランド戦延長後半5分のルイ・コスタ(ポルトガル) 次点=スペイン×ポルトガル戦のヌーノ・ゴメス
[ベスト・マッチ]ポルトガル×イングランド(2−2 PK6−5)
[ベスト・イレヴン]
GK:リカルド(ポルトガル) 次点=ファン・デル・サール(オランダ)
DF:アシュリー・コール(イングランド)、リカルド・カルバーリョ(ポルトガル)、デラス(ギリシャ)、グリゲラ(チェコ) 次点=ミゲル(ポルトガル)、ヌーノ・バレンテ(ポルトガル)
MF:ネドヴェド(チェコ)、マニシェ(ポルトガル)、フィーゴ(ポルトガル)、ポボルスキ(オランダ) 次点=ランパード(イングランド)、ロシツキ(チェコ)、ロッベン(オランダ)、グロンキア(デンマーク)
FW:ルーニー(イングランド)、バロシュ(チェコ) 次点=ファン・ニステルローイ(オランダ)、ラーション(スウェーデン)
[ベスト・コーチ]ブリュックネル(チェコ)
[MVP]優勝チーム以外から選ぶわけにもいかないのでわからん(^^;)
(5日)

●気持ちよく晴れ上がった日曜日。ふと気が向いて忌まわしき(^^;)六本木ヒルズの森美術館で始まったMOMA展へ。分かっていたこととはいえ、ペットボトルは持ち込み禁止だからバッグから外に出すなはまだいいとして、デイバッグは背中にかつぐなだの、床の線より前に出るなだの、うるさいうるさい。警備員は数ばっか多いけどいかにも素人バイトだし(しかもそれぞれの定位置だと死角だらけだからやたらウロウロする)、まるでさっさと見てさっさと帰れと言わんばかりに冷房は強烈だし、僕にはおよそ美術作品をゆっくり楽しめる場所じゃありませんでした。本家ニューヨークのあの心地よい空間があってこそのMOMAですな。当たり前か(^^;)。そのあとラフォーレミュージアム六本木でエディ・リーダー。『Sings The Songs of Robert Burns』からの曲を軸に、こちらはもうじつに楽しい気持ちの良いライヴでした。今回は鍵盤アコーディオンにアイルランドの若手アラン・ケリー、フィドル・ホイッスル・ブズーキにスコットランドの才人ジョン・マカスカー、ベースにケイト・ラスビー・バンドのアンディ・シワード(? スペルはSeward)、そしてギターにSWAP等々で大活躍のイアン・カーと、エディの右腕(?)ブー・フーワディンという豪勢なバンドでの来日で、これがまた期待通り最高。初日ならではの多少の粗さもまた良し。ますます元気いっぱいのエディは、ノートを見ながら日本語のMCを連発。「蛍の光」も日本語歌詞で歌ったりと大サービス(エディに頼まれて白石さんが教えてあげたそうな)。アンコールはリクエスト大会となり、大ラス「Wings on my wheels」で美しく幕。歌いながら腕をひらひらさせるのは彼女のトレードマークみたいなもんだけど、この曲での線香花火を模したような動きがひときわ鮮やかに印象に残った。(4日)

●Jリーグ・オールスター、いちおう見てたけど、今日はU−23の練習試合かよ、ってぐらいに実況の角澤アナはオリンピックの話ばっかしてて、いったい誰がアシストしたのか、シュートしたのか、ぜんぜん言わない(言えない?)。ていうか、こいつサッカーってなにが面白いかぜんぜんわかってないだろ! いやもういいんだけどね、べつに。オリンピックってば小野伸二が出たがっている(協会も出したがっている)ようだけど、絶対に反対。意味なし。フェイエノールトは断固ことわるべし。(3日)

●大泉学園の「in F」で一噌幸弘プロデュースによる太田恵資(vn)・壺井彰久(vn)・海沼正利(perc)のライヴ。17〜18人で満席になる小さなスペースで、酒を飲み食事を取りながら、半分生音を聞いているような近さで楽しめるライヴハウス。男性客は僕ともう一人だけで、異様に女性率が高いのはなぜなのか? 一噌さんの「ズーター」「乾燥糸ミミズ」をこの編成で演奏しちゃうなんていう力業も含め、太田さんの演奏を堪能した。正確無比なテクニックでエレクトリック・ヴァイオリンとチェロリン(胴体はヴァイオリン、5本の弦はチェロ用という自作楽器だそう)を弾きまくる壺井彰久にはびっくり。彼が一噌さんと足立宗亮(ギター)とのトリオでやっているAUSIA(オージア)のアルバム『かさかさ』(ポセイドン・レコード)を購入。来週8日には吉祥寺のマンダラ2で壺井と鬼怒無月(ギター)のデュオ、Eraのライヴがあるそうな。太田さんとも久しぶりにお話できて、楽しい一夜でした。(2日)

●ユーロ2004準決勝の2試合目ギリシャ×チェコを録画観戦。ああ、ネドヴェド……人形(^^)買ったくらい好きな選手なのに。ああ、ロシツキ……開始早々のシュートがバーに阻まれてなければなあ。コレルとワンツーしたとき自分で撃っちゃえばよかったのになあ。しっかしまあ、例によって泥臭いマンツーマン・ディフェンスでほぼ完璧にチェコの攻撃を抑え続け、延長に入ったとたんに戦闘モードに切り替えて見事ゴールをこじ開けたギリシャは、たしかにスペクタクルもファンタジーもない実用本位のサッカーだけど、大したもんではあります。チェコはブリュックネル監督が交替カードを切りそびれた感じだったのも悔やまれる。でも試合後のコメントはさすがの味わいでした。「なんというパラドックスだ。これまでの3年間、30試合にわたって、CKから失点したことは一度もなかった。しかもこんな最後の瞬間に。最後の1分間が本当に危険な時間だということを証明してしまった」(1日)