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高血圧治療ガイドライン

高齢者の場合は、年齢に応じて収縮期血圧140から160を目標とする、となっています。
この点が、WHO/ISHのガイドラインと大きく異なる点です。
このように、国際的な基準と日本の基準が異なった背景には、これまで基準値を作るもとになった研究が欧米主導で行われ、欧米人を対照とした研究であったということがあげられます。たとえば、高血圧と関係の深い循環器疾患でも、欧米人では虚血性心疾患の割合が多く、日本人は脳血管障害の割合が多いという人種的な差異が認められています。
それでは、日本人の高齢者は欧米人の基準よりも血圧を高めにしたほうが本当によいのかという問題に対しては、明確な根拠がまだありません。この点を明確にする大規模臨床研究が始まり、結果が出るのは数年後のことと思われます。

高血圧と血管合併症


高血圧症を治療する目的は、心血管疾患を予防することにあります。この観点から上の図を見てください。血圧が140/90mmHg以上になると脳梗塞になる率が高くなることがおわかりいただけると思います。
つまり、頭痛やめまいが出現するから高血圧の治療をするというのではなく、脳血管障害や心疾患を起こす危険性をできるだけ減らすために治療をするということです。もちろん、上記のような症状を伴って血圧が高いような場合は、早急に治療する必要があると思われますが、自覚症状がなくても検診などで高血圧を指摘された場合は、放置することなく、医療機関を受診してください。


院長の所属学会、専門医資格

日本内科学会
日本循環器学会
日本高血圧学会
American College of Physicians
日本内科学会認定内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医



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