観る世界 Faile(56)「ある少年の話」

あなたにも経験があるかもしれませんが、少年、少女時代に、観たり、読んだりしたもので、どうしても忘れられないというか、気になるものがあったのだが、成長するに従って、なかなかその気になっていたものを、もう一度手に取って確認して見たくても、その機会を逃してしまっていている。そんなK大二年生から、私のメールアドレスを必死で探して、京都の大学のHPへ投書してきた人がいました。

実は、少年時代に観た「銀河鉄道の999」の私が脚本を担当した話が、どうしても忘れられなかったのだが、いろいろな事情が重なって、ようやく大学二年になってレンタルビデオ店でそれを借りてみることが出来たというもので、テレビの中で書いた、聖人ばかりの星では、息苦しくなってしまうというというところが、大変彼の気持ちに訴えるものがあったのでしょう。長文のメールを送ってきて下さいました。

昨年は「ゴッドマーズ」に関して、同じような長文のメールを送って下さった主婦の方がありました。この方もまったく知らない人で、感動いたしました。

もう大変昔書いた作品ですが、こうしてかなり時間が経過しても忘れられなくて、連絡を下さるのは嬉しいことです。しかも私はメールアドレスを公開していないので、それを一生懸命探して大学のHPにたどり着いたのでしょう。とにかく私が書いた作品を、いつまでも忘れられずにいて下さったことに感謝いたします。

放送作家という存在が、昨今正しく認識されていないのではないかと思われるときだけに、地道に作品を発表している人が、沢山いるということを、忘れないでいてほしいと思います。

KKさん、しっかり勉強して、目標に向かっていって下さい。

有難う。

執筆作品が心の片隅にでも残りつづけていたことは、作家として仕事冥利に尽きます☆