知る世界 「桂川日記」(57)「春の訪れ」

いよいよ大学が始まりました。

丁度入学シーズンは、京都の場合は観光シーズンでもあるのです。

バスを中心とした交通機関も、みな満席です。

そんな中を、嵯峨野にある芸術大学まで、私も客員教授として通うのです。また新しい学生が入ってきますが、どんな学生が入って来るか楽しみです。

教鞭をとるということは、なかなか大変なことですが、毎年、入学してくる学生の気質が違うので、大変勉強にもなります。 この数年間は、戸惑うこともありました。年度によって大分気質の違う若者が入って来たからです。

もの書きとしては、大変参考になることもあります。

私が教鞭をとるようになってから、五年になりましたが、いよいよ卒業をした教え子が大分出てきました。

嬉しいことですが、社会人になってから、その後の報告が当たり、時には京都散歩の誘いもあって、若い人との接触があるということは、時代の感性を知るということでは、大変有り難いことだと思っています。

もの書きの世界で、長いこと過ごしてきている者としては、一人でもその後輩が出てきてくれたらと思ったりもするのですが、ようやくここまで来て、いろいろと関係のある世界へ就職したり、作家や声優としてスタートする者が出てきたりします。

これからどんな道筋を辿って行くことになるか、一人一人に付き添って行くことは出来ませんから、大変気になることでもあります。

兎に角、真っ直ぐに進んで行って欲しいものです。

嵐山の桜を見つめながら、巣立っていった学生たち、新たに入ってきた学生たちが、みな美しく輝いて欲しいと思ったりしています。

今年もまた、春のさまざまな風景を、思いきり楽しんでいこうと思っているところです。☆

嵐山の春の写真