楽しむ世界 Faile(36)「ひとくち古代史考」(山王の猿)

東京の日枝神社が、京都の日吉大社と同じ神・・・つまり大津の日枝山から勧請した大山咋神を祀っているのですが、この日吉神社では、山王の猿を神の使いとして大事にしています。この猿を木彫りにして鬼門にしているところに飾っているところが沢山あります。

その代表的なところとしては、京都御所の猿が辻の鬼門です。この上の方には、日吉大社の木彫りの猿が、御幣を持って飾られています。

機会がありましたら御所の東北の角・・・つまり鬼門へ廻ってみてきませんか。

これの基となっている日吉大社では、山王の猿を実際に飼っているのですが、平安時代に何度もここへお参りしていた後白河法皇は、自宅近くに新日吉神社を建てて、その本殿前の左右に日吉大社の神の使いである猿を彫刻にして祀ってあります。

いちいちお参りに大津にまで通うことが出来なくなったのか、じれったくなったのか、自宅の直ぐ裏手に新日吉神社を建ててしまったのでした。

平安時代においては、こうした信仰が浸透していたわけです。それだけ政争も激しかったのでしょう。京都ではこの他にも、修学院離宮の近くに、赤山禅院というところがあるのですが、猿の彫刻が屋根に挙げられて存在しているようです。別の面から京都を探るきっかけにでもなると面白いですね。☆

日吉大社の猿の写真
御所隠し猿の写真
新日吉神社の猿の写真 その1
新日吉神社の猿の写真 その2