本の隠し部屋
個人的読書記録乃頁

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2002年読破作品一覧
 夏目漱石
三四郎
青春小説。前期三部作の一。明治の学生生活描写は面白い。
 恩田陸
六番目の小夜子
作者デビュー作。面白くなりそうな所で終わってしまっているのが惜しい!
 芥川龍之介
蜘蛛の糸・杜子春
 
 芥川龍之介
羅生門・鼻・芋粥
「羅生門」は好きな作品。下人の行方は、誰も知らないーーこの寂寞とした終わり方!最高。
 清水義範
もっとおもしろくても理科
宇宙論、遺伝子学等々が面白おかしく書かれている。西原恵理子の挿し絵が笑える。
 沢木耕太郎
深夜特急1〜6
読み返すの3回目。死んだら棺桶に入れて貰おうと思っている。
 真保裕一
ダイスをころがせ
丁度横浜市長選挙の頃読んでいたので、非常に興味深く読めた。面白い。
 夏目漱石
硝子戸の中
爽やかな通勤電車内で読むと気分悪くなるので要注意。
 島崎藤村
桜の実の熟する時 意地で読んだ。よくわからなかったけど、青春小説?
 清水義範
国語入試問題必勝法
代表作。面白可笑しく受験を風刺している。傑作、オススメ。
 清水義範
ビビンパ
短篇集。「シンさん」は絶品。「深夜特急」の趣があって胸が温かくなる作品。
 夏目漱石

閉塞的な世界観、救いのない終わり方ーーツボです。
 夏目漱石
草枕
観念的小説?難しくてよくわからなかったです。
 北村薫
ターン
たとえ明日には消えてしまうとしても作品を作ろう・・・!と動き出す真希が好き。
 原田宗典
おまえは世界の王様か!
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 夏目漱石
こころ
永遠の名作。なぜかストーリーに背徳的な香りを感じてしまう(そしてうがった見方をしてしまう)のは、私が森永好きだからですか?(^-^;
 宮部みゆき
理由
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 榎田尤利
リムレスの空
マリと安岐さんのことも、濱田さんとお母さんのことも、響子ちゃんの仕事のことも、そして何よりも、魚住のパニック症候群がどうなったのか?−−など、まだまだ枝葉を広げられそうな話題が豊富にあったのに、唐突に終了。まぁ、手堅くまとめたと言えば言えないこともないが。久しぶりに出会った、主人公たちのその後や日常生活のあれこれが知りたいな、と思わせてくれる作品だっただけに、もっといろいろ読んでみたかった。
 川端康成
雪国
国境の長いトンネルを抜けると雪国だったーーこの有名な冒頭で始まる小説をこの歳にして初めて読みました(^-^;この一行の寒々とした空気、雪に吸収された静寂の世界、想像するだけで冬の寒さが蘇ってくる感じ。風景描写が非常に美しく素晴らしかった。しかし内容は結構難解でした。島村と温泉芸者・駒子との結ばれ得ぬ愛というか生温い愛を描いているのかな?「無為の孤独」「滅んでいくものの美しさ」ーーそれが川端作品だそうです。
 宮部みゆき
R.P.G.
インターネットを題材としたミステリ。現実の家庭崩壊問題、インターネットで構築されるコミュニケーションの危うさを取り上げている。宮部さんの作品は事件のトリック以外にも、登場人物の心理描写や日常生活の描写が好きなのだが、本作品はそういう点にあまり共感できなかったのでまぁまぁの印象。
 清水義範
永遠のジャック&ベティ
中学の英語教科書に登場したジャックとベティが50歳の時再会した。再会した2人の会話はナゼか中学英語よろしくおかしなものになっていく。「私はいくらかの昔の想い出を思い出します」「一杯のコーヒーか、または一杯のお茶を飲みましょう」などなど。この奇妙な和訳に覚えのある人は多いはず。でも50年経った彼らが交わす会話は文体は中学英語なのだが、内容は重苦しい。しかし重苦しい内容をこの奇妙な和訳で続けられるとどこか滑稽であり、人生の哀切なんかもそこはかとなくかんじちゃったりして。清水義範の目の付け所にはいつも脱帽させられます。
 正岡子規
墨汁一滴
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 宮部みゆき
人質カノン
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 太宰治
斜陽
この歳にしてやっとこさ読んだ。太宰作品にはまる人はすごいはまるそうだが、これを読んでわかる気がした。非常に文体は読み易く、華美な印象を与えるが、反面、内容は退廃的で魅力でした。解説を読むと自分の内面を余すところなくさらけ出すことで社会を断罪し、自分が生きる意味を見出していた・・・ようなことが書いてあったが、文章に、ほとばしり出たものをそのまま書いている勢いがあって、それは難解でもあるのだけれど、その分、胸に迫るものがあって引きずり込まれた。自分を削って作品を作りだした作家。思えば近代文学作家は自分の身を削って作品を生み出す人が多かったように思う。彼はそのもっともたる人かも知れない。
 清水義範
私は作中の人物である
日本語を誤変換すると、文章から受ける印象も変わるし意味も変化していくーーという面白さに着目した作品を中心に収められた短篇集。猿蟹合戦を、ストーリーはそのままに日本語誤変換でエロ小説まがいに仕上げられるのは日本広しと言えども彼しかいないであろう(^-^;「観戦記」は碁の勝負に夫婦喧嘩を絡ませてあって非常に面白い。こういうお話って大好き。
 江戸川乱歩
江戸川乱歩傑作選
初めて読んだ乱歩。この人はまさに探偵小説の大元を作った人なんだな〜。現代のミステリ小説はここから派生しているのだ、とつくづく感じた。「二銭銅貨」や「D坂の殺人事件」は探偵小説ーー謎解きとして面白かった。「人間椅子」や「赤い部屋」「芋虫」「鏡地獄」ははっきり言って気持ち悪かった。けど、わかる、わかるよ、乱歩さん!あるよね、こういう奇形の向こう側にある妖しい美しさとか狂気の先にある快楽とか。感覚的にはわかる、実際にはできないけどね。「フリークス」という映画を思い出しました。