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国立天文台〜神代植物公園を行く その1/2004.09.18 sat. | |
残暑が戻ってきた秋半ば。国立天文台〜神代植物園へ行ってきました。 京王線・府中駅で相方さんと待ち合わせて調布へ。調布から国立天文台行きバスに揺られること15分。バスを降りると目に飛び込んできたのは、鬱蒼と生い茂る樹木の森でした。 |
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鬱蒼と茂る樹木たち。セミがこれでもかと鳴いていた。構内は無駄に広々としている。休日の所為なのか、全然人がいない。(もっと繁盛しているかと思っていたのだが・・・結構マイナーな建築物なんだなぁと認識を改める) ←こんなかんじに緑豊かで広々としている。寂しいくらい。 |
バス停から緩やかな坂をのぼるとすぐに門が見えてくる。 ↑門扉もかなり年代物みたいでした。 でかでかと立派な看板がかかってます(門柱向かって右側)→ |
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受付のおじさんはとても人のいい人だった。丁寧に見学の仕方を教えてくれた。帳簿に来園時間と名前等を記入するとVisitor用のワッペンをくれる。構内にいる間はこれを目立つところに貼っておかなくてはならないのだ。さっそく洋服にペタリ。準備は出来た。さぁ、構内を見学に行くぞ。 これがVisitor用のワッペン。シールになっている→ |
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■第一赤道儀室 設計年 1921年 設計 東京帝国大学営繕課 施工 西浦長大夫 (パンフレットより) まず最初に訪れたのは、第一赤道儀室。 これはこのキャンパス内で現存最古の建物だそうです。 1939年から60年間、太陽黒点のスケッチが行われていたと言うから、1999年!なんと最近まで現役だったというから驚きだ。 建物自体は割にこぢんまりしている。特に係りの人がいるという訳ではなく、自由見学である。国の登録有形文化財に指定されているのだが、いいのだろうか?まぁこの明け広げな感じが好感もてるけど。 やたらと目に付いたのは「スズメバチに注意」という看板(笑)でもさもありなんといったかんじ。 |
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内部。 星を追尾するための仕組みと望遠鏡を見ることが出来る。 (左)望遠鏡が星を追いかける仕組みは、重錘式駆動という、重りを巻き上げてそれが落ちる力を利用していたそうだ。1回重りを巻き上げると1時間半動いたらしい。写真ではよくわからないけど、ガラスケースの中には車輪と長い鎖を見ることが出来る。 (右)カール・ツァイス社製の屈折望遠鏡。天井は木製で開閉可能(開閉は勿論人力) |
太陽系ウォーキング(笑)を経て、大赤道儀室(天文台歴史観)へ。 太陽系ウォーキングとは、太陽水金地火木土天冥海の星並びを、縮尺何十万分の一(?もっと?)にして、星の模型を配置した道のこと。地味な展示だが侮れない。結構面白い。 |
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■大赤道儀室 設計年 1926年 (パンフレットより) 第一赤道儀室よりも何倍も大きい建物。 こちらは歴史館と言うことで、休日には係員がいて望遠鏡や建物についての説明をしてくれる。 中へは写真左に見える階段をのぼって入る。 |
カール・ツァイス社製65cm屈折望遠鏡。 屈折望遠鏡としては日本最大口径とのこと(屈折に対応するのは反射望遠鏡らしい)。 非常に巨大で圧倒されました。1998年に観測から引退したそうで、こちらもつい最近まで使用されていたんだね。 立派な蛇腹の天井は、当時、半球面の建築物を作る技術が建築業者にはなかったので、造船技師によって作られたそうだ。こちらも開閉可能だそうですが、なにせ木造なので傷みがあるそう。大事にしてね。 |
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この歴史館は望遠鏡のある2階と展示室のある1階に別れている。1階には、天文観測に関係する資料やパネル、建物の写真などが展示されている。 使って体験コーナーでは、相方さんが嬉しそうに子供のように手回し計算機を回してました。写真に撮らなかったのが返す返すも残念〜〜(笑) |
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■アインシュタイン塔 設計年 1926年 (パンフレットより) 塔全体が望遠鏡になっているらしい。 鬱蒼とした茂みのさらに奥地、忘れられたようなキャンパスの隅に建つアインシュタイン塔。歴史的価値のある建造物なのですが、廃墟的な雰囲気をまとってました。 ←(右)出入り口。固く閉ざされている。まったく廃墟と言った様相だ。 |
■社会教育用公開望遠鏡 こちらでは月2回、定例観測会を行っているらしい。今日は何も催しはないので静まり返ってました。 その他展示室があって、ここでは世界にある天文台や宇宙の知識を学べるのですが、なにせ建物が掘っ立て小屋というところが、どこか懐かしい文化祭の展示を髣髴とさせる手作り感があふれてました。 一通り構内を見学し、天文、建築、歴史に触れ、大満足。これが無料っていうから素晴らしいね。 この後は、神代植物園へ向かいました。 |
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